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ジェノヴァ東洋美術館 ☆ 日本をこよなく愛したイタリア人の収集品が並びます

<イタリア旅行記(2011年 ミラノ & アオスタ & ピエモンテ &ジェノヴァ )no,87>

ジェノヴァ滞在・3日目、そして最終日です。

この日は、東洋美術館(Museo d'arte orientale)から、スタート。

ジェノヴァのショッピングストリートのひとつ、ガリヴァルディ通りを抜けた東にあるから、すぐ分かるよっと言われていたのですが、
これが、なかなか分かりにくい場所にあり、近くまで来ていながら、
入口も見つからずに、ウロウロ、ウロウロ…。

何人かの、地元の方々に聞きながら、やっと入り口を発見しました。

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美術館・入口
(Ingresso al museo)


ここから、坂道を上がっていくようです。
200mぐらいは登ったでしょうか。
やっと、到着しました!

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東洋美術館
(Museo d'arte orientale)

正式名は、エドアルド・キオッソーネ東洋美術館(Museo d’arte Orientale Edoardo Chiossone)
地元では、日本博物館(Museo di Giappone)と、呼ばれているそうです。

ジェノヴァ出身で、代々製版・印刷業を営んでいた家系に生まれたエドアルド・キオッソーネ氏のコレクションを集めた美術館です。

彼は、明治時代、日本政府が政府紙幣(明治通宝)の製造を進めるために、
印刷業に精通する技術者のひとりとして、招聘されていて来日しました。

大蔵省紙幣局(現・国立印刷局)の指導員として、在職していた16年間で、
キオッソーネ氏が彫った版(郵便切手、印紙、銀行券、証券、国債等)は、500点以上と言われています。

また、幕末前後の要人の肖像画(印刷されたもの)の版は、
私達、日本人が、実際に一度は目にしたことのあるものも、彼の作品がいくつもあります。

代表的なものは、西郷どんこと、西郷隆盛さんの肖像画でしょうか。

キオッソーネ氏は、日本の美術品・工芸品を、こよなく愛したと言われ、
日本で生涯を終えた後、収集した作品群(15,000点余り)は、
故郷・イタリアのジェノヴァに送られ、岡倉天心らの監修によって、
この美術館に収蔵されたそうです。


うん、ワクワクしてきました、さあ、中に入ってみましょう!

入ってすぐの空間は吹き抜けになっています。
3階分の展示スペースに様々なものが置かれていました。

弥生時代の土器もありました。
一部、日本以外の、アジアの工芸品も、展示されていました。

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九谷焼や京焼等の陶磁器、輪島塗や、金箔や、蒔絵を施した漆器のコレクションもあって、器好きの私は、テンションが上がります!

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そして、葛飾北斎や歌川広重などの浮世絵も。

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浮世絵版画は、キオッソーネ氏のコレクションの2割を占めていて、
数多く収蔵されているそうです。

確かに、浮世絵の HOKUSAI と HIROSHIGEは、イタリアをはじめ、ヨーロッパで人気の画家です。
一度、ローマに滞在していた時、「HIROSHIGE展」が開催されているのを
目にしました。

日本人として、自国の文化を地球の裏側で見るのは、なんだか不思議な感覚になりますが、感動もしていて…。
この美術館を訪れて、良かったな…、そう思いました。

この日は、ジェノヴァの地元の小学生たちでしょうか。
20人ほどの子供達が、校外学習として、この美術館へ見学に来ていました。

こうやって、異文化にも触れていくのですね。

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