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ジュラシック・ジョーズ(1979)

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ジュラシック・ジョーズ(1979)
原題:Up from the Depths
製作国:フィリピン、アメリカ/上映時間:85分

監督  チャールズ・B・グリフィス
脚本   アン・ダイアー
製作総指揮 ロジャー・コーマン

キャスト    サム・ボトムズ
          スザンヌ・リード
          ヴァージル・フライ
          ケドリック・ウルフ
          チャールズ・ハワートン

ゲテモノ度:85



◎慄然たるあらすじ

『平和な浜辺が一瞬にして恐怖の殺戮現場に!巨大鮫との攻防戦を描いたジョーズパニック最新作。海水浴を楽しむ人々で賑わうハワイにすさまじい飢えに耐えかねた深海から来た太古の人喰いザメが現れた。人々の命とビーチの平和を守るために男たちが戦いを挑む。』

なるほど、平和なビーチがサメの被害によって恐怖と化すパニック映画ね…これはある程度楽しめそうだ…!

しかもあの名作『ジョーズ』と『ジュラシックパーク』が合体したようなタイトル

名作が保証されている!?

◎『ジュラシックジョーズくん』の正体

さて…その肝心のサメくんですが…

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!!?

サ…サメ!!???

(ナマズの間違いじゃ…?)

深海のサメは中々ユニークな姿をしてらっしゃる

そんなサメ(と思わしき深海生物)を討ち取るべくリゾート地に来た旅行者たちが奮い立つ!

そのメンツの一人、日本刀を片手にサメ討伐に向かう日本人(と思わしき人物)がいた…

◎スズキさん

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『イッタルデー!!』

『ナンミョーホーレンゲーキョー!!』

『クタバレー』

『バンザーイ!』

という日本語(…と思わしき言語)で話すモブキャラ…

コイツ海外旅行で日本刀を常備してるのか!?

ある意味人喰いザメより危険な存在😅

その他サメ討伐隊の旅行者の中には旅館でダイバー服を着て後ろ向きで街を歩き続けて浜辺まで向かうというヤベー奴らや、持参した猟銃を片手にノリノリでサメを殺しに行く連中まで!

旅行者たち、どう見ても堅気じゃないヤツらばっか…

このジュラシックジョーズ、米国Amazon DVDレビューで『白人は皆銃を扱えて常備してるという偏見が持たれていて遺憾だ!』という感じで外人がブチギレていたが、日本人が皆日本刀を持参していてカミカゼ精神があると偏見があるのに似ている

つまりこの映画は偏見だらけの素晴らしいテキトーさを体感できるエンターテイメントだった!

◎いかがわしい『ハワイ』

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写真では分かりづらいが…なんかハワイっぽく見えない気が…どこか薄暗く荒涼としていてアジア感あって…

そう!このロケ地『フィリピン』だった!!

この映画の世界観は…

変なハワイ、変な登場人物、変なサメ

という紛い物ばかりで構成された無国籍な映画なのである!

では肝心の物語はどうなのか…?

↑のナマズのようなサメは一瞬しか登場しなくてかなり間延びが続く退屈な物語…

しかしそこはかとなく漂うマジキチ臭

◎教授式ダイナマイト

ジュラシックジョーズくんの頭突きを喰らい死亡する海洋学者の教授…彼は死にぎわに

「頼む!私が死んでも海へ捨てないでくれ…」

…と遺言を残す…

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しかしサメを殺すことしか頭にない主人公たちは,「爆弾はあるけど,どうやってあいつをおびき寄せるんだ? 餌がないぞ。餌がなければ…」と会議していると、主人公が急に閃く…!

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「教授の死体に爆弾を巻き付けて餌にしよう!」

…マジ?

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ドカーーーン!!!

チャージマン研のボルガ博士のごとく人間爆弾と化した教授はサメもろとも木っ端微塵に吹き飛び殉職しましたとさ…

おしまい🎵

ひでぇ…

◎ヤバすぎる裏テーマ

製作者はクソ映画を作ってるのを自覚していると思っている節があるのだ!

なぜなら劇中にクソ映画へのメタファーが隠れ潜んでいるから…

その内の一つに劇中で『製作者』と『鑑賞者』の気持ちを代弁してると思われるシーンがある


『変なハワイ』へ観光に訪れたご家族が何度か登場する、彼らは熱帯魚を観にハワイへ来たらしいが…サメに喰い荒されたため1匹もいなかった

その子供は親に

「つまんない!お魚全然いないじゃない!こんなのインチキだよ!」

とか喚くシーンがある

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その後、その家族はシャークアタックの被害を恐れて帰国するのだが帰り際に

「ママ〜サメが見たいよー!」


と子供が母親にゴネる

しかし願いは叶わず母親に連れて行かれフェードアウト…

つまりこれは


カッコいいジャケ絵に釣られて、このサメ(魚)が全然登場しない映画を観ている我々鑑賞者を代弁していると思われる


一方劇中の悪役であるホテルのオーナーのセリフに

「客には徹底的に安いもんを喰わせて利益を上げればいいのだ!!見栄えだけを豪華にして、他は全部省くんだ!!」

とがなる場面がある

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完全にこの映画の製作者の気持ちを代弁している…大人はやはり汚い!

ちなみにどちらも

物語に全く関係ない無意味なシーンなのにブチ込んでる事からより浮いて見える


◎おぞましきZ級サメ映画

全てがテキトーな紛い物だけで構成されているヤバイ作品だが、奇怪な登場人物やアジア特有の怪しい雰囲気のある世界観がハマればかなり楽しめると思っている…

正統派クソサメ映画が観たい方には超オススメ🎵

ちなみに私はめちゃくちゃ好き…😅

以上クソサメ映画レビュー終了🦈



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