慢性副鼻腔炎の手術をした話
先日、慈恵医大附属病院で慢性副鼻腔炎と鼻中隔湾曲症の手術を受けました。
今は術後5ヶ月くらい経ってるので、鼻の症状はほぼ全く無い。
匂いがちゃんと分かるって素晴らしい!最高!ご飯が毎日美味しい!
ただ、そこに至るまでの経緯が色々面白かったので、体張ったネタとして残しておこうと思います。
※めちゃくちゃ長いので注意
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そもそもかなり前から花粉症とかアレルギー性鼻炎があったものの、特に10代後半くらいから症状が酷くなり始めた。
もはやわたしの青春は、常に鼻ズビズビと共にあった気がする。
手術に踏み切ったきっかけは、鼻炎がいよいよ悪化してきて、ついにはカレーの匂いとか焦げた匂いさえも分からなくなっちゃったこと。
防衛本能の低下に恐怖を感じたので「じゃあサクッと手術してもらっちゃお〜!」くらいの軽ーいノリと勢いで決めた。
人生の決断の中には、軽ーいノリで「えーい」って決めるほうがいいこともある。
日帰り程度の手術かなと思ってたのに、ところがどっこい。蓋を開ければ全身麻酔に4日間の入院付き。
日帰り要素どこで感じたんや?と自分にツッコミを入れる。
とはいえ症状が悪化しまくってたので、「全身麻酔?フン!おもしろいやないの」の精神で、あまり深く考えず、術前のいろんな検査を月1のペースで受けた。
採血は6本も取られた。
そもそも注射が嫌いなわたしは「そんなにいっぱい何に使うねん?」と露骨に嫌な顔をしてたに違いない…
入院1日目
入院前のPCR検査を乗り越え、無事(?)に入院した1日目。
特に何もすることないので、次の日の手術に備えて病院食をもりもり食べて、歯磨いて、持参したMacで動画見て、寝た。終わり。
正直1日目はほぼ何も覚えてない。
消灯が早かったのと、病院食に唐揚げが出たことくらい。
唐揚げおいしかったけど、あんまり味分からんかった。緊張ではなく単に嗅覚障害で。
入院2日目(手術当日)
この日の朝一番での手術と言われてたので、朝ごはんは無し(だったはず)
水も飲んではダメと言われたので、看護師さんがくれた経口補水液を飲んで、手術着に着替えて歩いて手術室に行った。
手術前にNetflixで「賢い医師生活」という韓国ドラマを見てたせいか、手術室の内装に妙にテンションが上がった。(めちゃ面白いドラマなので是非)
自分で手術台に乗って、麻酔科医の先生に「緊張してますか〜」って話しかけられて
「全然してないでーす」って答えた瞬間に意識が無くなった。
気づいたら看護師さんに「もしもしーーーーーー!!」ってバンスカ肩を叩かれて起こされた。
全身麻酔ってすごい…
例えるなら、めっちゃ深い睡眠から起きた後みたいな感じ。
ただ、ここからが地獄の始まりで、正直この手術直後が一番辛かった。
まず、喘息。
全身麻酔は気管に直接入れる(らしい)ので、気管がやられた。
その次に酸素マスク。
死ぬほど咳出てんのに2時間つけろと言われ、咳→酸素マスク→咳→酸素マスクで、新手の拷問かと思った。
あまりにも咳が止まらんから、あかんとは理解しつつ酸素マスクをちょっと浮かせてたくらい。
多分酸素漏れてて意味なかったと思う。
その次に鼻に詰め込まれた綿球。
すぐ鼻血が沁みてくるから詰め替えるのが面倒かつ大変。
その次に喉に流れる血。
飲み込まずに吐き出して!と言われたのでティッシュに吐き出してたけど
ゴミ箱がすぐいっぱいになるから、最後は看護師さんにもらったゴム製のコップ?に吐き出した。
最後に3時間の水禁止令。これが一番嫌やった。
咳しながら喉に血が流れてくるのに水飲んだらあかんって何事!?と半ばキレ気味やった。
とにかく早く水を飲みたくて暴れそうになる気持ちを抑えつつ、3時間経った瞬間にナースコールして「水飲んでいいですよね!?」って前のめりに確認した。
人間の60%は水でできてるのをこの時ほど痛感したことはない。
水ってすごい…
ありがとう、水。この世の全ての水に感謝。
ここからは今後同じ手術を受ける人への参考として、術後を耐えるためのアイテムをご紹介。
■マスク
コロナ対策としても持って行ってたけど、鼻に綿球を詰め込むので、コロナ抜きにしても絶対あったほうが良い。
術後は鼻もパンパンに腫れてるし。
鼻血がマスクにも沁みてくるので、箱ごと持っていくと安心。
■ティッシュ
これも絶対箱であったほうが良い。
鼻血とか喉に流れる血とか、入院中はとにかく液体への対応に追われるので必須。
■ペットボトルの水
術後の人間干ばつ状態からすぐ飲めたのが良かった。
熱出ることを踏まえると3本くらいあると安心かも。
病院でも水は汲めるけど、術後に熱が上がってくると汲みに行く元気もナースコールして喋る元気もなくなるので、
あらかじめ準備しておくほうが安心できる。
わたしはマスクと水が足りなくなり、途中で母に買ってきてもらった。
コロナ対策で面会できなかったけど、この差し入れはめちゃくちゃありがたかった…
■氷まくら
これは持参物ではなく、病院で看護師さんにお願いして準備してもらった。
わたしは手術当日の夜に高熱が出たので、すぐに氷まくらをお借りした。
あるのとないのと全然違うので、熱が出たら看護師さんにお願いするのがおすすめ。
入院3日目・4日目
3日目はひたすら高熱を耐え忍んでた。
朦朧とする中で唯一嬉しかったことは、病院食の五分粥がめちゃくちゃに美味しかったこと。
特別な味付けがあったわけではないし、塩味もなかったけど、あのシンプルかつ究極の美味しさは一生忘れへんと思う。
やっぱり日本人は米や!
3日目になってもなかなか熱が下がらないので、6人部屋から個室に移動になり、
さらにはPCR検査と肺のCTをもう一回受けることになった。コロナ禍やからね。
PCR検査は、入院前は鼻、入院中は喉やったけど断然鼻の方がマシ。喉はやばい。
でも検査してくれた先生がめちゃくちゃかっこよかったからプラマイゼロかな。
個室に移動になったことでちょっと心の余裕ができたので、
持参したMacで中川家の「銭湯のおっさん」っていうコントを見た。
さすが中川家。
息出来ひんなるくらい死ぬほど笑った。
芸人さんの中で、中川家がいっちばん好き。
4日間の入院で一番印象的なことを挙げるとしたら、五分粥の美味しさとこの中川家のコントかも。
「銭湯のおっさん」YouTubeで公開されてて、めちゃくちゃ面白いので是非。
そして4日目の朝イチで退院。
退院後10日間くらいは毎日ずっと綿球を鼻に詰め込んでたので、一切鼻呼吸ができない日々を過ごした。
鼻が詰まってる時にも「鼻呼吸できひん…」と思ってたけど、多少は空気が通ってることを痛感した。
綿球を詰め込んだ状態で鼻呼吸が一切全くできなくなるので、
まずはじめに困ることは、食べ物を飲み込むのにかなり苦労すること。
耳がピーッてなって、ちょっとずつしか飲み込めない。これが地味にキツい。
あとは息苦しくなって単語しか喋れんかったり、寝てる時に口の乾燥で目が覚めたり。
この時の口の乾燥は、例えるなら干からびて割れた大地並み。
粘膜が乾燥でバッキバキになった。
食べ物を噛む間も鼻呼吸ができないので、退院後は固形物よりも、スムージーとか流動食のほうがおすすめ。
一人暮らしの方は、野菜ジュースとかレトルト系とか、料理せずに、かつ噛まずに食べられるものを準備しておいた方がよさそう。
退院してすぐ元気!とはならないので…
他の方の体験記を読むと、退院してからが地獄の始まり!という印象があったけど
わたし個人としては、術後すぐの3時間の方が辛かったな。
感じ方は人それぞれなので、わたしの体験記も一つの参考としてください。
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そんなこんなで退院後を耐え、術後の通院何回目かで鼻の奥の綿球を全部取ってもらったり、ハマグリみたいな薄いシリコンプレートを鼻の穴から引き摺り出されたりして、今に至ります。
鼻の綿球全部取ってもらった時の感動と爽快感も一生忘れへんと思う。
間違いなく人生最良の日にカウントされる日やった!
綿球全部取ってもらって匂いがはっきり分かるようになった日、晩ご飯はおでんを作った。
あまりの美味しさに、食べながら泣いた。
主治医の先生に「匂いがはっきり分かるし、ご飯がめちゃくちゃ美味しくって感動で泣きました!!!」って熱く伝えたら
「そうですか〜よかった〜」とサラッと受け流された。
いやそこは同じくらいの熱さで喜んでよ。
(でもそんなクールな先生も好き…!)
前の状態に比べると、天国と地獄の差で今が快適なので、心から手術受けて良かったなと思う。
喉元過ぎれば熱さ忘れる、とはよく言ったもので、色々思い出して記事にしてみたものの、エピソードとして覚えてるだけで辛さ自体はほぼ忘れた。
「そういやそんなことあったな〜」くらい。
人間そんなもんです。
症状はかなり良くなったけど、まだ間隔を空けながらも通院中です。
さらにこの手術きっかけで、好酸球性副鼻腔炎という指定難病に当てはまることも判明。
わたしって関西人やから体張ったネタがいっぱい降ってくるんか!?
指定難病の申請についても色々面白いネタがいっぱいあったので、またそれは別の記事で。
〜つづく〜
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