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長年のパートナーに別れを告げた日…

2020年の最後の試合を終えた日本男子ツアー。
毎年さまざまなドラマが生まれますが、今年はちょっぴり切ない、ある“熟年コンビ”の別れ話がありました…。

ゴルフは個人競技にあらず、選手の活躍の影には常に隣にいるキャディのサポートがあります。決まったキャディと長年タッグを組む選手もいれば、コースのハウスキャディを頼む人、毎週ちがうキャディを頼む人と、選手によって様々。

何年も一緒にやってきた2人となれば、その関係性はまるで長年連れ添った夫婦や恋人のよう。
絶妙なタイミングでドリンクを渡したり、視線や表情で求めているものを察知、ときには緊張をほぐすために声をかけたり…と、選手にとっては、ときにパフォーマンスを左右する必要不可欠な存在です。

今回、6年以上の関係に終止符を打ったのが、ベテラン選手の藤田寛之&エースキャディの2人でした。

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藤田のエースキャディといえば、2014年6月からタッグを組んでいるピーター・ブルース氏。コロナ禍の影響と、52歳という年齢もあって故郷のオーストラリアに戻ることを決意したのでした。

「オーストラリアに戻ることは前からずっと考えていた。でも、52歳になってアップダウンの激しい日本のコースで続けるのは大変。残念ですね…」

最終戦の前に“別れ話”を打ち明けられた藤田。
「ただ残念。なかなか相性のいいキャディさんっていないから」
そう語る表情は、寂しさをこらえているようでした。

ピーターキャディも、「最終日の15番で、今日が最後だ…と考えていた」と涙をぐっとこらえて臨んだ最後の試合。ふたりで戦い抜き、8位タイで終えました。

最終日を終えて、よみがえるのは6年間の思い出。


「一番印象に残っているのは、一緒にいった全英オープン。セントアンドリュースのコースもすごくキレイで、海外メジャーに一緒に出られたことが嬉しかった。
毎日家で一緒にすごして、奥さんが作ってくれたごはんも一緒に食べて。予選落ちしてしまったけど、土曜日にはみんなで近くのコースを回って、本当に楽しかった」

最後はキャディ仲間や選手から、寄せ書きと花束のプレゼント。
『ピーター、ありがとう』!
選手とキャディとしての関係は一区切りですが、2人の絆はこれからも続きます。

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