見出し画像

#40 娘と時事問題「日本の捕鯨と世界」

アースデイ WITH ナショナル ジオグラフィック OCEANS TOMORROW

アースデイ(Earth Day)は、1970年にアメリカで始まり、地球環境保護を目的として、毎年4月22日に行われる国際的な記念日。

アースデイは、地球環境に対する意識を高め、環境問題に対する取り組みを促進することを目的としています。各地で様々なイベントが行われ、地球環境についての啓発活動や、環境保護に向けた取り組みが行われます。

我々がサーフィンをしていることもあるし、うちの子供たちはなぜかオルカが大好きなこともあり、地球環境問題を考える機会として、アースデイ WITH ナショナル ジオグラフィック OCEANS TOMORROWをネタに娘と日本の捕鯨について話し合ってみました。

そもそものきっかけは、私の妹やフランス人の親戚たちとイヌを食べることについての話になった時のこと。(フ:フランス人の親戚)
フ「韓国や中国でイヌを食べるのは伝統的な意味もあるよね、日本人も同じでしょ」
私「戦時中だよ、日本人がイヌを食べてたのは」
フ「クジラを食べることと一緒だよ」
妹「食べねーわ」
私「え?教育目的で、クジラ手に入ったら、俺たち食べるよ」
妹「英語でいうな!フランス語にも訳さねーからな!」

捕鯨の歴史

日本捕鯨協会によれば、ノルウェー、フランス、スペインでは9世紀ころに捕鯨開始され、日本では12世紀手頃に銛による捕鯨が始まったされています。

そもそもペリーが日本に来たのは、捕鯨船の中継基地が欲しかったといわれていますが、アメリカでの捕鯨は、17世紀にニューイングランド地方で始まったともいわれており、1712年にはマッコウクジラ漁が開始されています。
特にアメリカやイギリスは、大規模な捕鯨を行い、当時は主にアザラシやクジラが狙われ、油や骨などが主な目的でした。

18世紀に入ると、捕鯨技術が発展し、沿岸捕鯨から大規模な遠洋捕鯨に移行するようになりました。アメリカの捕鯨は、特に19世紀に入ると捕鯨技術が進化し、蒸気船や銛(もり)などの新しい捕鯨装備が開発され、より効率的な捕鯨が可能となりました。この時期、日本でも西洋式の捕鯨技術が導入され、海外での捕鯨に参加する日本人漁師もいたようです。そして、アメリカが世界で最も多くのクジラを捕獲する国になりました。

しかし、アメリカの捕鯨は、20世紀に入り、クジラの生息数が激減したことや、国際的な捕鯨規制が始まったことなどから、アメリカの捕鯨は急速に衰退し、1971年には「捕鯨法」によって商業捕鯨が全面禁止されました。

日本のクジラ漁

一方、日本でクジラが食べられるようになった背景には、その豊富な栄養価や長期保存が可能だった点が指摘されています。
クジラは、脂肪分が多く、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素も豊富に含まれているため、日本の食文化に根付きました。

日本でのクジラ食文化が発展したのは、江戸時代に入ってからともいわれており、その後クジラの漁獲や加工技術が発展、クジラ肉やクジラ製品の需要が高まりました。また、クジラ油は照明や薬品にも利用され、漁獲量が増加したといわれています。

そもそも、この頃は、獣肉は食べてなかったですしね。

また、日本が周辺海域に位置するため、クジラ漁は豊漁であったこともあります。クジラ肉は、保存がききやすく、腐りにくいため、日本の漁村などでは、長期保存の食料として利用されてきました。

伝統的な漁だったこともあり、日本では規制されることもなく捕鯨は継続されてきました。

さらには、1986年に国際捕鯨委員会(IWC)が商業捕鯨を全面禁止するも、日本は科学的研究の名目で商業捕鯨を行ってきました。しかし、この捕鯨に対しては国際的な批判があり、特に鯨種の減少や、捕鯨の残忍性などが問題とされています。

また、2019年に日本はIWCを脱退し、商業捕鯨を再開しました。この決定に対しては国際的な非難があり、さらに日本国内でも議論が分かれています。

現在、日本での捕鯨は、一部の地域で行われていますが、捕獲数は年々減少傾向にあります。そもそも、クジラ肉の需要はあまりないことに加え、食用として食べる必要性がなくなってしまったからです

捕鯨と伝統

捕鯨を文化的伝統として尊重し、捕鯨を合法的な商業活動として支持しているおもな国は、日本、ノルウェー、アイスランドくらい。
多くの国々は、捕鯨が絶滅危惧種である鯨類の生息数を減少させることになると考え、捕鯨に反対しています。

捕鯨を伝統としているアイヌ民族は、北海道や樺太などに古くから居住している民族です。彼らの文化には捕鯨が重要な位置を占めていると言われ、マンガ「ゴールデンカムイ」にも、捕鯨の話がでてきます。
アイヌの捕鯨文化は、クジラを「フンぺ」と呼び、神聖な動物として崇め、捕獲後には感謝の意を表して祭りを行うなど、神話や信仰に根差したものとも言われています。

アイヌは、捕鯨のための小型船やクジラ狩りに適した道具を用いて、海でクジラを追いかけました。クジラが浅瀬に接近したところで、アイヌたちはロープを使ってクジラを引っ張り上げ、矛で仕留める方法を用いました。また、クジラの油は薬品やランプの燃料として、クジラの皮は衣服や屋根の材料として、クジラの骨は家具や工芸品の材料として、アイヌの生活に必要なものとして利用されました。

伝統的な捕鯨文化を継承するのであれば、クジラ漁に対する環境保護や動物福祉の観点から、クジラ漁の方法を改善するなど、持続可能な捕鯨文化の確立に向けた取り組みを進めなくてはなりません。

持続可能な捕鯨はあるのか?

伝統的捕鯨と商業的捕鯨の違いについて考えてみます。

・伝統的捕鯨とは、「宗教や風習、儀式、過去の文化などに基ずく、過去には生きるために必要だった捕鯨」と、ここでは定義します。

・商業的捕鯨とは、「営利目的において行う」ものと定義します。

現在、国際捕鯨委員会(IWC)によって商業捕鯨は禁止されておりますので、商業的な捕鯨が持続可能かどうかについては議論の余地はないと考えます。

どう考えても、もうけが出ているとは考えられず「営利」を追求できてない。つまり、ビジネスとして成り立っていないから商業ではないと考えます。

これは娘も同意見。

一方で、一部の地域で行われている伝統的な捕鯨が、持続可能な捕鯨で、伝統として保存可能であるか?

これは、「文化の保存」とゆう意味では、議論の余地はないと考えます。

たとえば、北極圏や南極圏に生息するイヌイットや先住民族などの文化において、捕鯨は伝統的な食糧や文化の一部として受け継がれています。彼らは、捕獲する鯨の種類や数量について、環境や生態系に与える影響を考慮しながら捕鯨を行っています。これはアイヌも同様だと考えます。

つまり、現代においては科学的な調査捕鯨の結果を元に、持続可能な「伝統的捕鯨」のルールを作る実現に向けた取り組みが大事。

AIに判断してもらったらよいのでは?で終了しました。

ただし、AIを除くと人間の感情が入るので捕鯨に関する国際的な議論は続いており、捕鯨が持続可能かどうかについては、今後も議論していくのでしょう。

それが人間ですから。

皆さまからのサポートは、オンラインサロン設立費にさせて頂きます。