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2月18日 茨城シクロクロス Galfer presents 取手ステージ【MM1】レースレポート

2023-2024シクロクロスシーズンの最終戦に選んだのは、茨城シクロクロス取手ステージ。平坦な河川敷をメインフィールドにした高速レース。シーズンも終盤なのに、エントリーリストは強豪選手の数々。自分は既にオフシーズンに突入しているにも関わらず、意外なレース展開に!?横綱相手に取った姑息な戦略を包み隠さずレポートする。

機材

---BIKE---
バイク:Toyo Frame HYBRID CX-D
ホイール:Mavic Cosmic SL 45 Carbon TLR
タイヤ:ビットリア テレーノドライTLR 31C(F:1.5bar、R:1.6bar)
ギア:フロント46-39 リア11-34
チェーンオイル:EXLUB

タイヤは、昨日変えたばっかりのビットリア テレーノドライTLR 31C。実測幅は32.3mm。前日変えたばかりのリスクは承知の上。シーズン後半は色々と試すことの方が、経験値などのメリットが大きい。

空気圧は、フロントが滑らず、跳ねずの空気圧として1.5bar、リアはフロント+0.1barに設定した。以前はフロントとリアは同じ空気圧にしていたが、リアの方が荷重が大きいことを考えると、少し上げてた方が合理的なので、最近は+0.1barで運用している。

バイクポジションは、2週間前の千葉CXから大きく修正。サドルは2cmほど前へ、ハンドルは2cmほど手前に。随分と前乗りに見えるが、これでも膝脇の骨とペダル軸の垂線がクランク3時の位置で一致する。つまり、脚が短・・・

---WEAR---
ヘルメット:KASK protone
ジャージ:オンヨネワンピース
上半身インナー:オンヨネ肚力
ソックス:オンヨネ腱力
アイウェア:OAKLEY SUTRO

気温10度、天気は晴れ。こういう暖かい気候が好き。気持ちの問題もあるかもしれないが、暖かいとパワーが出るし、寒いとイマイチなレースが多い。
アップの段階から汗がわんさか出てきたので、用意した半袖ウールは着用せず、インナーは肚力のみで、グローブもなし。毎回こういう天気であってほしい。(シクロクロスに向いていない体質

目標

・入賞出来たら良いな~
オフシーズンにてトレーニングは強度を下げているし、先週末の連休はランニングやトレランに時間を割いたので、バイクフィジカルのコンディションは低下中。けど運動自体はしているので、それなりには走れるだろうというところで、うまくはまれば入賞できなくもないかな、と。

コンディション

今回は新潟のメンバーにお誘いいただいて4人での遠征。夜の12時に起床し、出発は1時半。到着は6時半ぐらいだったかな。運転してくれたノグチキャプテンに感謝!!
7時からの試走の後に、ちょっと仮眠を取ろうと思っていたが、着替えたり補給したり、なんだかんだでほとんど仮眠とれず。前夜が4時間ほどの睡眠だったこともあり、とにかく眠い。結局、ウォーミングアップからスタートの号砲が鳴るまで眠たかった・・・(もう若くない

コース

スタート後は、目まぐるしくコーナーがやってくる。さらにコブやバームなどもあり、自分的にはなかなかにテクニカル。
その後、林間を経てから、地図の右端の河川下流側から地図の左端の河川上流側に向かって長い舗装路。
少しクネクネを経て、キャンバーを越えてゴール。

試走の時点で、自分のコースではないと感じた。(自分のコースなんてあるのか?

今日の課題や狙い

・TLR仕様のドライタイヤの挙動に慣れる、覚える
・コーナー後の加速をいつもより強めにして、タイムを稼ぐ走りをする

レース

暗いうちから釣りに出かけて、すっかり日が昇って全く魚影が無い状態、というぐらいの眠たさ。このままではレースにならないので、耳に悪いだろ!っていうぐらい音量を上げた状態でEDMを脳に叩き込みながらウォーミングアップ。
その後もスタート直前まで大音量で聴き続けた。

今回は、ノグチキャップの助言があり、準備は自分の組んだスケジュールより10分前倒しで動いた。そのおかげで、余裕をもってスタートコールを待つことができた。この時点で優勝だった(千葉CXは遅刻して最後尾

ゼッケン15番でスタートグリッドは2列目。最初のコーナーが右コーナーなので、左寄りのレーンを選択。先頭付近で通過しない限り、イン側は必ず詰まり減速を強いられる。

レーススタート。
クリートキャッチは成功。今シーズンはほぼうまくいっている。練習はしていないので、日頃の行いに違いない。

狙い通り左のラインから加速をしていって、最初のコーナーを抜けた時には4~5番手につけられた。
凹凸区間のあとの、グイっと登り返すセクションは、昨日堤防で練習したのと同じ感覚でいけた。勉強したところがテストに出たのと同じ感じで、鼻歌交じりにクリア。ここで皆さんバタついている間に3番手?ぐらいに上げる。

続いてのバーム、レース速度で進入したらかなり怖く、ガチガチになっていただろう動きを羽鳥さんに見られて「バーム、怖いの~?」とイジられる。オレ、伸び代しかない。

前方にはトップを走るタメさんとそれを追う中島さん、その後ろに自分の順。コースの河川下流側に唯一あるちょっとした舗装区間で中島さんを抜いて2番手に。ここから少しのクネクネを経て、長い舗装区間で河川上流側までワープするが、この舗装区間に入るところまで頑張って踏んでタメさんのお尻をゲット!

タメさんはほぼ毎週のようにレースに参戦し全て優勝。一方自分は、トレランで筋肉痛、オフシーズン、寝不足なコンディション。ゴールまで着いていける気は全くしなかったが、とりあえず行けるところまで行こうと金魚の糞となることを決意。
舗装区間後のクネクネやシケインもなんとか喰らい付いて、1周目は2番手で通過。後続はマサミチ師匠、中島さん、浅井選手ら4人が10秒以内で追走してきている。

2周目はとにかく必死で喰らい付くのみ。ミスった時点で置いていかれてしまう。コーナーで1つのミスも許されない緊張感がたまらない。
タメさんとパックで走るのは2年前の土浦全日本以来で、あの時はワイルドな動きのイメージが強かったけど、今日は全く違う印象だった。全ての所作がスムーズで正確。コーナーの出口では、大なり小なりギャップができ、それを埋めるために毎回踏んだ。オレ、伸びしろしかない。

長いストレートを終えたところでの折り返しで後続とのタイム差が分かるが、1周目より確実に広がっている。
もし最後まで付いていければ、表彰台に乗れる。だが、一度千切れたら、後ろの集団に飲み込まれて、あっという間に入賞圏外になっちゃう。
湧きたつ欲と、転落する恐怖の狭間で、2周目を終了。

諸行は無常である。このまま最終周回まで淡々といって欲しかったが、ここまで牽引してくれたタメさんが先頭交代を急かしてきた。そりゃそうだ。糞野郎をいつまでもぶら下げているのは気持ちが悪い。
正直に「0時から寝てないんすよ~、4周目から引くんで!」と陳情申し上げた。とりあえずその場はタメさんの優しさで免除してもらった。神様仏様タメ様。
後続との差はさらに少し開いた感じ。このままタメさん頑張って!と心の中で応援する。

4周目に入る。あ!4周目から前を引くって言っちゃったんだった・・・
糞野郎ながら、毎回コーナーでギャップ埋めるために糞(フン)できたので、それなりの疲労感。。そんな中で先頭交代の催促がキターーーー!どうしよう、どうしよう・・・

ケース1:引く
 →ペース上がらずに追走に追い付かれる
 →脚がない
 →フィニッシュ
 →タメさんは再アタックで単独1位に

ケース2:変更契約を結ぶ
 →ペース維持
 →脚はギリギリもつ
 →タメさんには勝てないだろうけど表彰台の可能性上がる

という比較案を3秒ぐらいで検討して、「もうちょい、もうちょいお願いしますっ!」と頼み込む。神様タメ様仏様。
とりあえず延命処置は図れた。

後ろは4人で追走してきているが、疲労が積み重なってくれば牽制が入ることもありえると思った。
だが、コース下流側のすれ違う区間で、マサミチ師匠の声が耳に入る。
「前、縮まって来てるよ!追い付ける!」(※言葉が違うかもしれないけどこんな主旨だった)

おいおいおーい、めっちゃ協調体制組んでんじゃん!こりゃヤべーぞ。
舗装区間の折り返しで後続との差を確認すると、確実に詰まってきている。ケース2の青写真が崩れていく・・・。

もし追い付かれたら、タメさんは力でねじ伏せるだろうけど、自分はコース脇のブッシュに投げ捨てられるだろう。。
ここまで横綱相手にまともにやり合わない作戦をとってきたが、がっぷり四つの相撲を組む時が来たようだ。舞の海が小錦に挑むように、小兵は小兵なりの戦い方がある。

5周目に入るストレートで決死の覚悟で前に出る。食うか食われるか、殺るか殺られるか。とにかく後続との差をキープ、できれば再拡大できるようにペースを上げていく。

半周を引いて、長い舗装路に入ったところで脚がパンパン丸、心臓はヤバイビートを刻んでおり、ここで先頭を代わってもらう。1周引けない糞野郎をお許しください・・・。
だが、奇跡は起こった。長いストレートを終えたところでの折り返しでは、後続とのタイム差が拡大している!!2位は間違いないだろうとここで確信。やったー。煩悩の塊になった状態で、ラストラップへ。

ラストラップは、完全に横綱相撲の様相。ペースが確実に上がって、マウントを取ってくる阿修羅タメ様。神様仏様の姿は、もう、無い。再びついていくだけで精一杯の時間が続く。
このまま終わるのも面白くないので、一矢報いるべく、自分が唯一対抗できる長い舗装路でアタック。下ハンでもがいて50kmph近くまで上げて粘る。これでダメならもう自分の出番はない。舗装路が終わろうかというタイミングで後ろを確認すると・・・阿修羅が、いた。何たるフィジカル!まさに横綱相撲。

全てを出し尽くした自分は、ゴール直前のシケインでミス。前方でガッツポーズをするタメさんの姿を見ながらゴールした。金魚の糞野郎をここまで連れてきてくれて、ありがとうございました。

2年前から格段に強くなっているタメさんの姿を見て、驚きとリスペクト、そしてまだまだやれるという根拠のない希望を感じずにはいられなかった。

3位にはマサミチ師匠。最終戦でこのメンバーに混ざって表彰台に上がれてとても嬉しかった。

2023-24シーズンのシクロクロスはこれで終了
・東北CX 猪苗代 優勝
・信州CX 上山田 優勝
・JCX能登 優勝
・全日本選手権 6位
・千葉CX 4位
・茨城CX 取手 2位

収穫も課題もあるシーズンだったが、課題の方が著しく多い。まだまだ伸び代がある。というか、伸び代しかない。
今日のレースだけみても、コーナーの処理速度はレース前よりレース後の方が格段に速くなった。レースは最高の練習だと感じた。そういった部分で、来季は可能な限りレースに出場して、多くの選手の後ろについて走りたい。そうすることで、自分のストロングポイントとウィークポイントが明確になる。一人で走っていても、それらには気づけない。

今日のマサミチ師匠の教え
・タメさんのコーナーリングはレールに乗っている
・コーナーの後半はもはや直線と同じ感覚
・鰻の肝が美味い

この日は23時に就寝。23時間も寝ずに行動したのはいつ以来だろうか。ちょっと記憶にない。数日後にガクッと来そうで怖い。。。

さて、ロードシーズンに向けて、また下積みから頑張っていこう。ロードバイク、沖縄以降、一切触れていない。まずは整備からやらなきゃ(汗

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意識の仕方、ちょっとの工夫、継続、そんな少しずつの積み重ねで、同じ練習内容でも得られる結果は変わってきます。沖縄4位、ニセコ総合優勝、国体ロード7位、乗鞍2位、Mt.Fuji優勝、数々の戦歴を残してこれました。いまは年齢に抗いながら、新たな工夫や意識を加えながら日々努力。一緒に頑張りましょう!!!

40代半ばのサラリーマン。そんな筆者が、家庭と仕事のバランスに苦悩しながら、ツールド沖縄、ニセコクラシック、マスターズ全日本選手権で上位を…

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