1980年 Rie Ida &42 street - Star LP 僕が撮った写真。素晴らしい歌手。なぜ今いないのだろうか、というレベル。
テレサ野田、テリーたまきをYoutubeで追っていたら、あれ、みたことがある写真だと思ったら、僕が撮っていた。忘れていた。ArtDrectionデザインは、コンビを組んでいた竹内幹雄。場所は東神奈川StarDust。今でもある。このBarは、小説家、矢作俊彦のなじみだった。彼がデビューしたとき教えてもらった。そんな70年代後半、当時のStarDustは、パーティの時以外は空き、隣のポーラスターが、渋く営業していた。普通のおばちゃんがカウンターの中に入っていた。この店で10回以上、いやもっと僕の、インスタグラムの写真紹介でもたびたび登場するほどさまざまな撮影をしている。80年代になると連日混むようになった。
井田リエのことは、正直よく覚えていない。たぶん撮影の時、歌を聞いていない。当時、新譜の場合、歌を聞かずに撮ることが多かったからだろう。
制作費が安く、だから女性歌手の場合は、プレボーイなどの男性誌とのタイアップが多かった。雑誌で求められるのは、セクシーな写真だ。というのはレコードジャケットのギャラは非常に安かった。たいていレコード会社の社カメか、音楽カメラマンが撮っていた。だからフリーのカメラマンが撮ると、スタジオ代もヘアメイク、スタイリスト代の予算がないとうわけだ。
レコードジャケットは、ある意味広告と同じだ。
アルバムやシングルに先行して撮るので、音を聴いてから撮ることはなかった。
新曲はみなそうだろう。だから、ユーミンのアルバムも、沢田研二も、東京ラブストーリーの小田和正の曲も、聞かずに撮影している。レコードが送られて初めて聞くことになる。ジャケットが送られてこないこともあった。
70年、80年代は、無限に音楽が生まれ消えている。歌謡曲のようにテレビやラジオで毎日のようにメディアに登場する歌と闘わなければならない。今のように簡単にさまざまな音楽を聴ける時代ではない。だからこのアルバムのように今聞くと素晴らしいくても、そんな素晴らしい曲や歌手が、うずもれてしまう。僕のように実際仕事でかかわった歌手を忘れてしまうぐらいだ、普通の人は、メディアに乗らなければ、またヒットしなければ存在しないのと一緒だ。
音楽は写真と違ってとても軽いメディアだけど、メディアは大資本に独占されていた。ネット時代になり、アーカイバるのように昔の曲を聴くことができるのは、革命的なことだ。
https://www.youtube.com/watch?v=iNF8rWeSTdw&t=13s
いい時代だな。過去の曲をいつでも聞ける。