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【小説】ケータイを変換で軽体(鬱) 第6話

 Re:k@からのメールは同年代にしてはとても子供っぽい印象を与えたものである。

 今時の高校生にしてはデコメを多用したものではないのであるが、記号を使って顔文字を使ったものや、漢字の当て文字を本来の漢字に代わって使用したものを駆使し、それは某巨大掲示板で一度成美が見たものに似ており、彼女がかなりのオタクである事が分かった。

 今回のメールの内容は先月にTV放送され始めたアニメに対しての感想だった。

 そのアニメはマニア向けの為か深夜枠で放送されており、成美のクラスにもそれを話題に盛り上がる生徒が何人かいたが、彼女達は決まってクラス内で目立たない男子とも交流が無いようなグループに所属していた。

 『初回放送観たけどギガヤバス(・∀・) あまりの出来の良さに逝きそうでした☆』

 成美はそのメールに呆れつつも、返事を素早く打ち返した。

 『やっぱ声優陣もファンの期待通りだったのもあって、イメージが壊れてないよね』

 決して澤口達にはばらす事は出来ないのだが、成美はそのアニメを予約録画してこっそり自分の部屋で観ていた。

 きっとエロビデオを親に隠れて観ている男子達は、同じような後ろめたい気持ちなのかもしれないと成美は感じていた。

 そのアニメを観ながら成美は子供っぽくて馬鹿みたいだと思いながらも、気がついたらその30分を満喫している自分に気付かされる。

 そして同様の趣向の者達が集まるサイトを覗いて意見交換をし、自分が一人で無い事を再確認するのが、成美にとって生活バランスを取るのに必要不可欠だった。

 Re:k@とは感性が似ているのか、そのサイトでは一番仲良くなった。

 だが幼稚な自分を曝け出す事に戸惑いがあるので、彼女にはプロフィールとして住所と年齢を偽って送り、成美はとりあえず隣県在住の14歳という事にしている。

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