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もう死にたくなりながらコーヒーを飲まなくて良い

今、とても感動しています。だから、すぐに、感動の中でここに記します。

私はどうにも、カフェインの多いものを食べたり飲んだりすることがダメです。カカオ分の高いチョコレートやコーヒーを摂取するだけで体調が激悪になります。主な症状は、手の震え、激しい動悸、吐き気、頭痛、不安感、不眠(寝る前)です。
年々ひどくなっています。小さい時はコーヒー牛乳が飲めましたが、今は柔らかな吐き気と頭痛と不安感に襲われてしまいます。
そして書いていて今気づいたことですが、紅茶もほんとは苦手です。まさかみんなが普通に飲んでいる紅茶を自分が苦手なはずあるまい、という先入観がありました。でも、今気づいた、苦手です。というのも、私は食事時に水分をかなり摂取するので、そのノリで紅茶を飲むとカフェインが多くてダメになってくるという感じです。一杯くらいなら大丈夫なはずです。ハイカカオチョコやコーヒーほどでは無いですが、こんなに顕著なんです。
しかしまあ、カフェインがダメだと気づいたのはここ数年です。高校くらいまでは、体調が悪くなるのが全くカフェインのせいだとは気づいていませんでした。

たとえば、高校生の頃の話をしましょう。2年生の頃、もらえると思っていなかった人からサプライズで誕生日プレゼントをもらいました。しかし、その人がくれたのはハイカカオチョコレートの詰め合わせでした。初めに目に入ったのがカカオ75%のチョコで、大変怖気付きます。当時からハイカカオは苦手でした。どうやらハイカカオチョコを食べると気分が悪くなるかも…?と気づき始めていた頃だったことを覚えています。とはいえ次は甘いやつあるだろと思ってみたら、今度は黒っぽい禍々しいカカオ95%くらいのチョコが目に入りました。他のものも75%以下のチョコレートはない、ストイックな詰め合わせでした。確かに私はチョコが大好物だというのを知ってくれていたようですが、よりによって95%は今思えば超ダメでした。
でもプレゼントというと別です。さらには包装も素敵なチョコで、なんかいけんじゃないかと思い食べました。口に当たった瞬間からわかる「コレヤバい」を無視して、結構ジャムジャム食べました。半分くらい食べた頃でしょうか。カラダがもう、それはそれはめっちゃおかしくなりました。口にしてから1時間くらい地獄のような心持ちです。私の場合は、諸症状を差し置いて不安感がものすごく強く出ます。そのせいで、なんちゃって希死念慮みたいなのがずっと続くのです。ですから、誕プレの素敵なチョコ食べて死にたくなっていました。今では良い思い出、なんて言いたいですが、あの気分の悪さは容易に思い出せますし、相当辛かったです。

また、中学生の頃、隣町のドンキにあったコーヒー屋さんに入り、なんもわからずエスプレッソを飲んで死にそうになったこともあります。
私は常に背伸びをして生きているので、13歳の私は大人っぽいことは全部やりたかったんです。一人で街に出歩くことも、びっくりですが「新鮮」でしたし、そんな中で少ない小遣いをはたいてコーヒー屋さんに入るのはとても特別な時間でした。
私も、大人のみんなみたいにコーヒーを嗜めちゃうのか、とワクワクして、サンリオキャラクターのシナモンくんの友達の名前だったからエスプレッソにしました。なんも調べていませんでしたが、シナモンくんの友達だから甘いやつだろ、と適当なことを思っていました。するとびっくり、店員さんが持ってきたのはちっちゃいカップに入った激黒液体で、内心死ぬほどビビりました。

しかしここは私、今も昔も「舐められたくない」という気持ちが変なところで表出します(現役受験時は舐められたくない、と思い「字を汚く」書いていました。意味がわからないし恥ずかしすぎるので、もっと時間が経ってからお話しします)。
一口飲んだだけで身体に走る、「毒」の文字稲妻。それを感じても私は、13歳だからって舐めるなよ!!ガキがミスって飲んでるわけじゃ、無いからな!!というヤバい思考と図星に対する嘘、己に対する欺瞞で頑張って飲みます。店員は敵ではない、飲めないからと言って舐められるとは限らない、そんなこともわからないガキでした。
案の定、体調がみるみる悪くなります。親の飲んでいるものを一口もらうとか以外、コーヒーを飲んだことのない私は、もうほんとパニックでした。同様にカフェインの多い食べ物や飲み物の経験も少ないので、体調が終わることも知らず、頑張ったのでした。
ドンキを出る頃には、インフルエンザくらいつらい体調です。どうにか帰りましたが、それ以降の記憶は微塵もありません。
隣町のドンキの一階、あのコーヒー屋さんは私にとって悪魔の地です。


ちなみにエスプレッソくんは

ワンちゃんコンテストで優勝したこともある、とってもかしこいおぼっちゃま犬。
でもお昼寝のときはお気に入りの毛布がないと眠れない、さみしがりやさん。

サンリオ公式サイトより

らしいです。

右下の目を瞑っている犬がエスプレッソくん

確かに私も、お恥ずかしながら0歳から20歳で家を出るまで、お気に入りの毛布を手放すことができませんでした。しかもその毛布は、父が赤子の頃使っていたものらしいです。
ですから、エスプレッソくんの気持ちは重々わかります。

そうなんです。これくらいダメなんです。

ですが、ある急展開が起きます。それは、先週友人らと喫茶店に行った時のことでした。
私の憧れは、喫茶店やコーヒー屋さんで美味しいコーヒーを嗜むことです。もちろんメニューを開いても、いろんな種類のコーヒーばかり。無理だとわかっていることだけれど、憧れています。大変切ないことです。絶対買えない宝石のショーウィンドウに張り付いて、いつかこの指にはダイヤモンドをつけて‥この指には…と思案するくらい切ないことです。気分によって選んだり挑戦するのがすごい好きなので、お酒じゃなく、コーヒーはシラフでそれができるからイイなーと思っていました。
コーヒーに思いを馳せるたび、このどうにもならなさが私に『よだかの星』を思い出させます。同時に、「ほだか」と「よだか」が似ているから「よだか」と呼んできた人の顔を思い出し、特にその人とは思い出がないのでまた星空を想起し、コーヒーに戻ります。ですからコーヒーと宇宙は私の中で若干繋がりがあります。確かに両方、憧れているものです。
そうです、このようなコーヒーにボコボコにされる人生を行きて参りましたので、コーヒーを飲むことが凄いことだという意識が私の中にあります。喫茶店のなかで私ひとり、一瞬宇宙に到達している中、
カフェインレスコーヒー
という文字が目に入ってきました。レスならいけるんじゃないか…と思いました。というか、カフェインレスコーヒーなんて存在を考えたこともなかったから、ちょいと飲んでみようと思ったんです。たとえ体調が悪くなっても、無理をして友人たちと会話を続ければ良い、という無茶で冷たいカフェインレスのコーヒーを頼みました。

ちなみに、カフェインレスとはデカフェともいうらしいです。デカフェの方がカッコいいので、これからはデカフェと記しますね。

店員が運んできてくれたそれは普通のコーヒーに見える、これは飲めなさそうだ、ああ無理して頑張るしかないぞと思っていたところです。一口啜ると、

うまい……


マジ…………?
😭

となりました。
そうです、初めてコーヒーの旨さがわかったんです。これは油断大敵と思い30分くらい警戒しておりました、しかし
なんの体調の変化もないぞ、おやおや

すごい、すごいよ……泣
マジ…………?

え…

🥲
マジ??🙏

となりました。
あまりに美味しいので、もう一杯、同じデカフェのアイスコーヒーを頼みました。しかし依然として体調は変わらないのです。お家に帰っても不快な覚醒状態もなく、吐き気も頭痛も希死念慮もなかったのです。
すごい、革命の日でした。

私はそれがとても嬉しかったんです。
とても嬉しかったので、そのコーヒー革命が起きた5日後の今日、デカフェのコーヒーを買っちゃおうと思いました。
最近の自分は、ティーパックですけれど、お茶を淹れて甘いお菓子を食べることにハマっています。部屋を掃除し、音楽や動画を流してぼんやりすることがマジで生命維持の時間になっています。部屋を真っ暗にして、オレンジの電気をつけて、あったかい飲み物と甘い食べ物を食べてると本当にホッとします。
余談ですが、カフェインの何百分の一だという感じだけれど、白い電灯も得意じゃないんです。大抵の部屋は白いやつだと思うんですが、浴び続けてるとどっと疲れます。アドレナリンが出続けるというか、言い換えればケルビンの高い電気だとずっと緊張状態になるんです。ですから導入されたオレンジ光、本当に買ってよかった代物です。

アヒージョ爆食べパーティの時の様子 この電気です




ここに、あったかいコーヒーがきたらどうなっちゃうんだ。そう思いました。
しかしすぐ、もしかしたら冷たいデカフェコーヒーだからいけたんじゃないか、という説が私の中で浮かびます。一か八かです。

そして今、飲んでいるんです。
めっちゃ……旨い泣

美味しいよ泣泣泣
マジで…?
みんなこんなの平気でしてんの?
おかしいって
美味しい………泣
なにこれ😭😭😭😭😭😭😭😭

☕️ネ申☕️

本当に涙出ました。私、こんなにコーヒー飲みたかったんだと今驚いています。
本当にこんなに美味しいんだなと驚きました。
こんなに味が美味しいんだと、と驚きました。

そんで、家にあったカントリーマアムをあっためて、食べて、またコーヒーを飲んだんです。
もう、それはそれは美味しくて、それまでこれができなかった21年の自分を憐れみ、そして初めて指にはめたキラキラ光る宝石の指輪を一生大切にするよ、みたいな気持ちになりました。とても特別な日です。代償に死にたくならないし、こんないい気持ちになって、こんな、ありがとう泣泣、そう思っています。

こりゃ、美味しいお菓子とコーヒーを合わせたくなりますね。シナジーがすごい。
美味しいお菓子買ってきて、コーヒーをまた飲もうと思います。マジで、生きてるとこんなことが起きるから死ねませんよね。先ほどの宇宙とコーヒーが若干の接続を持っているように、希死念慮を産んでしまうカフェインのせいで、私の中でコーヒーと死は連想できる位相にあります。
でも今の「死」の連想は、死ねない、を意味します。すごいです。コーヒー、ありがとう泣
てか、デカフェ技術を開発した人、邁進させてくれた人、今も製造してくれてる人、パッケージングや陳列をしてくれている人、みんなありがとうございます。マジでそれくらい美味しいです。

過去の自分、報われた気がします。こういうことが人生にもっと起きるって私、知ってます。コーヒーは、長い長い答え合わせの一問目のような気がします。

コーヒー、マジでありがとう

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