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「原始反射」をポジティブに捉える

こんにちは。吉田直樹です。
大阪でビジョントレーナーをやっています。

スタジオでのリアルなレッスンが再開となり、オンラインは便利やけど、やっぱり実際に顔を合わせて子どもたちと接するのが一番やなぁとしみじみ思う水曜日です(^^)

前回の投稿で「原始反射」について少し触れましたので、今回はじっくりと考えていきたいと思います。

「原始反射」は赤ちゃんが生命として誕生(胎児)してから、お母さんの身体から生まれ(出生)、そして成長していくために組み込まれた自動的本能的な動きのことです。
 (上の文章を含め、今回の投稿内容は全て僕自身の解釈や感じることを
  書かせてもらっています)

妊娠や出産時に説明してくれる病院などもあると聞きますので、女性の方は耳にするケースがわりとあるかもしれませんが、僕自身はビジョントレーニングの勉強を始めるまでは聞いた事のない(記憶に残っていない)言葉でした。

自分の意志とは無関係に動く無意識的な動きのため、自身の身体の各部位を連動させたり、個々に動かしたりと身体を意識的に動かすことを突き詰めていくスポーツについてを主体で考えた場合、その能力やパフォーマンスの向上を阻害していく要素の一つとなる可能性があるのではないかと前回の投稿では書かせてもらいました。

困り感とか影響があるのはスポーツに関してだけじゃない!?

・引っ込み思案や極度な不安
・歩行や動作のぎこちなさ
・極度にこわがり
・あらゆる視覚の課題
・読字の困難
・感情のコントロールが苦手
・落ち着きがない、多動
・姿勢、猫背        など

原始反射が残存している場合に上記のような困り感などがみられるそうです(ほんの一例です)
これだけを見てもスポーツ面だけでなく、学習面や生活面にも影響が出そうだと感じます。

反射の動きがみられる(出現)↓
頻繁にこの動きがみられる(発達)↓↓
この動きがみられなくなる(統合)

原始反射は一つの反射がドミノのように順番に現れては統合して(上記のようなプロセス)を繰り返していき、本来生後1年ぐらいには見られなくなるそうです。

この出現から統合のプロセスは赤ちゃんが生まれてから自然に成長していく過程でそれこそ自然に繰り返していくものですが、赤ちゃん時の運動不足や環境要因など、様々な理由が言われていますが、何らかの要因により成長や発達のプロセスが不十分であったりギャップが生じるために、反射の統合が行われず、残存してしまうという事に繋がってしまうという事です。

反射の中に、四つん這いの状態で頭を左右に振ると、四つん這いを支えている腕の肘がカクッと曲がってしまう反射があります。少し前に運動会の定番である組体操の一つであるピラミッドが崩れて子どもたちがケガをするという事が続いたことがありました。ビジョントレーニング、そして原始反射について知っていく中で、このピラミッドが崩れるという事の原因の一つがこの肘がカクッと曲がってしまう反射なんじゃないかなぁと思いました。
(ピラミッドの一番下段の子どもの肘が反射で曲がってしまった)

そしてこういったアクシデントは僕たち(現在40歳です)の子どもの頃にはほとんど聞くこともなかったです。もし反射によるものが原因ならば、原始反射が残っている子どもたちもどんどん増えていっているんだろうなぁと感じます。
先ほど、反射が統合されない数多くの要因の一つに環境要因とありましたが、時代の移り変わりにより子どもたちが本来いろんなことを体験する学びの場としていた公園などがどんどん無くなっていっています。加えて、パソコンやインターネット、スマホが普及し、子どもたちが関わる物や設備も大きく変わっていますので、原始反射の残存する原因の一つが環境要因(子どもたちを取り巻く環境の変化)によるものだという事は妙に納得できます。

だからこそポジティブに!

阻害要因や困り感など原始反射が残存することでのどちらかと言えばネガティブなイメージの事ばかりを書いてきました。が、もちろんそういった事を伝えたい訳ではなく、ネガティブなイメージに寄っていきがちなテーマだからこそ逆にポジティブに捉えていきたいなぁと思っています。

全て伸びしろ!!

スタジオで子どもたちとトレーニングを行っている時は、「出来なくていいよ~!!」といつも声をかけますし、その姿勢や気持ちをとても大事にしています。これは、「出来ない出来ない」と自分を追い込んでほしくないという思いもありますが、出来なかったことが出来るようになった時の喜びは何ものにも変えれないものがありますし、そのタイミングが人としても一番成長できる時じゃないかなと思うんです!だから、出来ないことは全部伸びしろだと思います!原始反射についても同じで、今反射が残っていることに対して、深刻になってしまうことが一番やってはいけないことで、「残ってる?じゃあどんどん無くしていこうか!!」みたいにちょっと余裕をもって考えられるぐらいになりたいなと思います。
原始反射が残っている事で、困り感や阻害要因があるのであれば、それを取り除いてあげればそれだけでその子はめちゃくちゃパワーアップできますよね!!

僕たち協会のテーマである「子どもの未来を科学する」は、人の身体や成長の仕組み(科学)を知ること。プロセスや原因を把握することで、適切なアプローチが出来るという考えです。「出来ないこと」や「残っている反射」はめちゃくちゃ分かりやすい原因ですよね!だからそれは全部伸びしろだと思うんです。
こうやって文章にすると、何となく当たり前のことをそれらしく言ってるように感じてしまうかもしれませんが、そういった考えや姿勢で子どもたちと接してあげることがとても大事だと思っています。

知らないことや人と違うことには誰でも不安や焦りを感じます

とは言え、我が子に原始反射が残存していると分かった場合、不安や焦りを感じるお父さんやお母さんは少なくないと思います。
特に反射の中の「モロー反射」と呼ばれるものは、歩行や運動のぎこちなさに繋がるもので、僕の6歳の息子もその反射が強く残っています。
(この反射は、例えば足を内股にした時に、肘が上向きになり手の平が後ろを向いてしまいます)

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ここからは僕自身の個人的な感情の話です。
そんな息子の姿を最初にみた時は、僕自身もとても不安な気持ちになりました。
だけどやっぱり、「今出来ないこと」や、「今残っている反射」は丸々息子本人の「伸びしろ」だと思えば、逆に希望が湧いてきます。

帝王切開や早産・遅産だった場合に、原始反射の残存するケースが多いと聞いたことがあります(あくまでよく耳にするという話で僕自身の中で根拠はないです)。その事を知り、自分を責めてしまうお母さんがいてしまうかもしれません。やっぱり「そうじゃないで!!」と言ってあげたいです。そこでチカラになってあげられる存在でありたいと思います。

知らないことや人と違うことには不安や焦りを感じます。誰だってそうだと思います。僕自身がそうでしたし、僕の場合はその不安や焦りを解消したり、そもそも根本的なところで不安や焦りなんか感じる必要なんて無いと感じさせてくれたのが、ビジョントレーニングの考え方でした。
だから僕自身がトレーナーになりたいと強く思ったし、同じように不安や焦りを抱えるお父さん・お母さんがいれば、しっかりと寄り添えることの出来るそんなトレーナーでありたいと思います。

出来ないことも原始反射も、ただの今の状態であって、これからを考えると全てが伸びしろになります!!モノの見方も少し変えてあげることでポジティブに捉えることができると思います。どうせなら、楽しい明るいこの先を創造しながら毎日取り組んでいきたいですね。

今回は以上です。
本日も最後まで読んで頂きありがとうございました(^^)


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