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北欧メンタル治療日記

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スウェーデンで受けたカウンセリングと自身の変化過程の記録。日本で生きづらさを感じているどなたかの元に届いて、何かのきっかけやインスピレーションになればいいなと願い綴っています。
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#不安障害

正論の剣

週に何度かその時の精神状態を手帳に書き留めておくようにしているのですが、抗うつ剤をやめてみていた五週間ほどの間、読み返してみると調子の良い時がほとんどありませんでした。分かりやすい割りと無惨な結果。そんな中、インターネット上で交流していた人との間に思わぬ関係悪化を経験し(このことについては以後詳しく書くかどうか分かりませんが)、自分には顕著に不安障害の症状があるのだと痛いほど再認識し、抗うつ剤の服用を再開することに決めました。 この停止期間を経てたことで、自分に抗うつ剤がよ

抗うつ剤、やり直し

先日の記事の前文でも書いた通り、抗うつ剤をやめてから調子が良くなかったことに気づき、自己判断で服用を再開したのですが: 薬も残り少ないし、きちんと医師の判断も仰ごうと思い診療所に行って来ました。引っ越したことで診療所が変わったのですが、新しい先生は歳の近そうな女性で、ハキハキ明瞭に会話をリードしながらしっかりこちらの話も聞いてくれるので、かなり話しやすい。助かります。 抗うつ剤(セルトラリン)を服用し始めたのは昨年の8月。それから九ヶ月ほどの間続けて来たわけですが、あまり

伯父の死と一時帰国(1)

時は遡ること四ヶ月ほど前。スウェーデンはまだ冬の暗さを纏ったまま、私もその闇に身を任せるように先に光を見出せぬ抑うつに沈んでいた。日本に居る夢ばかり見ては、まだ明けぬ朝目覚め、ここは遠く北欧である現実をため息混じりに受け入れる日々。そんな中、一層気を重くさせる一報が届いた。 伯父の危篤。数年前から癌を患っていたことは知っていたが、投薬治療が順調だと聞いていた。思ってもみないことだった。日本に居る夢ばかり見ていたのはそのためだったのだろうか。まだ厳しい水際対策の最中、すぐに飛

伯父の死と一時帰国(2)

二年ぶりに再会する家族。理由が理由だけに、それぞれがそれぞれの心境で一杯一杯で、私の久々の帰国について何か口にする余裕も無い。遺骨や遺影、葬儀の準備を見てやっと少し伯父の死を実在のものと感じた。祖母の落ち込みが酷く、気の毒に思う。皆歳を取った。自分も歳を取ったのだから当たり前なのだけど。 親戚に会うのは何年ぶりだろうか?老けた上に皆マスク姿で誰が誰だか分からず、お互いに失礼のないよう恐る恐る身元を確かめ合う。 何故今でなくてはいけなかったのか。あと少しぐらい待っていてくれ

手放して得るお金では買えないもの

私がnoteを始めて一年が経ったそうです。自分の負の部分とロジカルに向き合ってみると決めてから一年…今こうやって振り返ることができて、noteをやってみて良かったなと感慨深く思っています。 専門学校を卒業し、好きな仲間たちと一緒にやりたかった仕事ができるようになりました。引き続き抗うつ剤を服用しているのでその助けもあるかもしれませんが、とにかく毎日好きなことに挑戦できることが楽しく、通勤やお弁当作り、合間に少しでも筋トレやヨガをしたり、子どもたちの教育に関する活動にも参加し

必要なのはやる気より覚悟

気づけばすっかり秋。これからまた寒く暗くなっていくスウェーデンですが、まずは私の一番好きなこの季節の空気を存分に味わっています。 先日の選挙の結果、政治は少し保守的な方向へ、つまり右に傾くことになりました。私自身、ここでは外国人。周りでは、この先外国人に対する福祉の補助や教育制度に変更があるのではと心配する声を聞きます。そもそも現時点で、スウェーデンって優しすぎるんじゃないかしら、と思うほど、他国に比べればずっと外国人に寛容なこの国。パンデミック、戦争、インフレーション、資

環境を変えられないときは薬に頼って良いと思う

新しい部屋、新しい町に住み始めて一ヶ月半ほどが経ちました。スウェーデンに移って8年、これまでずっと間借り生活で、やっとやっと!自分で自分のアパートを契約することができました。独りで一からやり直して5年、たくさんの友達、好きな仕事を得て、念願の自分の城を手にすることが叶い、未だに少し夢のような気分です。 自分で選んだ新しい家具やセカンドハンドで見つけたときめくもの、植物(お世話が楽で見た目も好きなサボテンや多肉植物を集めています)、ポスターや雑貨…自分の好きなものだけで自分の

薬をやめると決めたなら

トータル二年ほど服用した抗うつ剤、セルトラリン。経済状況や生活環境が落ち着いて楽しく暮らせるようになったことを機に、いよいよ薬を手放す方向で日々のルーティンを見直しました。 前回、薬を飲むのは良くないという偏見が抜けきらない状態で、焦って唐突に服用をやめてしまい大変な目に遭ったため、今回はかなり慎重に自分の健康状態と相談しながら進めていきました。 50mgだった容量をまず25mgに減らして一カ月、その後二週間ほどを50mgと25㎎を一日交替で、それからさらに一週間を25㎎

薬をやめた後の自分との向き合い方

抗うつ剤セルトラリンを完全にやめてから5カ月ほどが経ち、初めての秋冬を迎えました。やめてからも日々の気分や体調の移り変わりを手帳に記録し続けているのですが、やはり精神状態の浮き沈み、振れ幅は大きくなったと思います。ただ、今は薬でホルモンバランスを制御していた頃の自分の状態を知っていて、カウンセリングや独自に勉強して得た知識もあるため、落ち込んでいる時の自分を客観的にとらえることができるようになったし、そのままズルズルと落ち込み続けずに踏みとどまることができるようになりました。