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北欧メンタル治療日記

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スウェーデンで受けたカウンセリングと自身の変化過程の記録。日本で生きづらさを感じているどなたかの元に届いて、何かのきっかけやインスピレーションになればいいなと願い綴っています。
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2022年6月の記事一覧

正論の剣

週に何度かその時の精神状態を手帳に書き留めておくようにしているのですが、抗うつ剤をやめてみていた五週間ほどの間、読み返してみると調子の良い時がほとんどありませんでした。分かりやすい割りと無惨な結果。そんな中、インターネット上で交流していた人との間に思わぬ関係悪化を経験し(このことについては以後詳しく書くかどうか分かりませんが)、自分には顕著に不安障害の症状があるのだと痛いほど再認識し、抗うつ剤の服用を再開することに決めました。 この停止期間を経てたことで、自分に抗うつ剤がよ

抗うつ剤、やり直し

先日の記事の前文でも書いた通り、抗うつ剤をやめてから調子が良くなかったことに気づき、自己判断で服用を再開したのですが: 薬も残り少ないし、きちんと医師の判断も仰ごうと思い診療所に行って来ました。引っ越したことで診療所が変わったのですが、新しい先生は歳の近そうな女性で、ハキハキ明瞭に会話をリードしながらしっかりこちらの話も聞いてくれるので、かなり話しやすい。助かります。 抗うつ剤(セルトラリン)を服用し始めたのは昨年の8月。それから九ヶ月ほどの間続けて来たわけですが、あまり

伯父の死と一時帰国(1)

時は遡ること四ヶ月ほど前。スウェーデンはまだ冬の暗さを纏ったまま、私もその闇に身を任せるように先に光を見出せぬ抑うつに沈んでいた。日本に居る夢ばかり見ては、まだ明けぬ朝目覚め、ここは遠く北欧である現実をため息混じりに受け入れる日々。そんな中、一層気を重くさせる一報が届いた。 伯父の危篤。数年前から癌を患っていたことは知っていたが、投薬治療が順調だと聞いていた。思ってもみないことだった。日本に居る夢ばかり見ていたのはそのためだったのだろうか。まだ厳しい水際対策の最中、すぐに飛

伯父の死と一時帰国(2)

二年ぶりに再会する家族。理由が理由だけに、それぞれがそれぞれの心境で一杯一杯で、私の久々の帰国について何か口にする余裕も無い。遺骨や遺影、葬儀の準備を見てやっと少し伯父の死を実在のものと感じた。祖母の落ち込みが酷く、気の毒に思う。皆歳を取った。自分も歳を取ったのだから当たり前なのだけど。 親戚に会うのは何年ぶりだろうか?老けた上に皆マスク姿で誰が誰だか分からず、お互いに失礼のないよう恐る恐る身元を確かめ合う。 何故今でなくてはいけなかったのか。あと少しぐらい待っていてくれ