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小説同人誌への道のり1(印刷所を決める)

同人誌(小説)を作ることにした。
(テキストは、ある)

でも、何をどうすればいいのかわからなかったので、調べる。
【小説 同人 作り方】
まぁこの辺で検索をかけると、先人の体験や知恵がざくざく出てきた。
2020年10月現在(私が調べた時も)、TOPに出てきてくださるコチラのサイトの、「小説はテキストがあれば本に出来るんです。さぁ、はじめよう!」に「は、はーい!」と答えつつ、流れを把握する。

昨今よく「イベントに申し込んでしまえば本ができる」というのを目にする。
勿論その通りなんだろうけど、そうして出来上がった本とは呼びたくないブツを生産してしまった過去もあることだし、今回の自分の目的は「自分が納得できる、素敵だと思える”ちゃんとした本”を作りたい」だったので、時間とお金はいくらでもかけるつもりだった。
しかも、そもそもイベントで誰かに頒布するのが目的ではなく、自分が自分の本が欲しかっただけなので、1冊からできるならそれでよかった。
(当方、締切りがあってもなくても書く吐き出したいタイプなので、締切りがないとまず書く気が起きないという方は先にイベント申込みをするのはよいかと)

とはいえ、一応のイベント目標は立てた。
投稿サイトで、ありがたい事に本になったら是非読みたいと仰ってくださる天使がいたのだ。すでにほぼwebで読めるのに!(嬉涙!)
そしてこの状況下、印刷所さんがピンチという声も聞いていたし。

そんなわけで、このイベントに出られたらいいな…と3ヶ月先のイベントを薄目で眺め、一応、一応…と唱えながら手帳に書き込んだ。(2020年2月)

(小説同人)本を作るのにやることは

・本文のテキストを書く(90%ある)
・印刷所を決める
・印刷所の指定に合わせた原稿を作る(表紙、本文、奥付etc)
・締切までに入稿する

意外とシンプルだった。できる気がしてきた。←

そして、もしも本というものが形になった暁には…!
・イベントに申し込み、準備をする
・イベント参加!!!!!!

さぁ、はじめよう!

しかしだ。テキストはもうほぼあるし…と余裕こいてたら、もう次でイキナリ止まってしまった。
印刷所…どうやって決めるの?????(たくさんある!!!!!)
【小説同人 印刷所 おすすめ】また検索だ。【参考。
ここでもまた、まとめてくださってる方がいたり、ツイッターの素敵なハッシュタグも出てきた。そして先輩フォロワー様に質問をぶつけに行った。(本当に本当にありがたい…)
まぁでも見てても、最初はあんまり何言ってるかわからない。
でもどうやらノベルセットみたいなものがあり、発注できるらしい。
さて、どうやって印刷所を決めよう。

1.まず、本のサイズを決めた

本を作るには、本を知らなくては。
普段から本に触れてらっしゃる方には愚問かもしれないが、まず本の部位の名前とサイズを把握した。
これも【本の部位の名前】とか【本のサイズ】で調べればすぐに出てくる。
ありがたい世の中である。感謝しかない。→【参考

【STARBOOKS様→本づくりのいろは最近公開してくださったページ。
本についてのいろはが詰め込まれている…!知りたかった情報ばかりだ!
各印刷所さんにはこういったマニュアルページが充実しているところがたくさんでした…。

縦書きが横書きかをまず決める。
基準はそれがページに詰まっているのを読む気がするかどうか。
自分は多分、B5サイズのノートにびっしり文字が書いてあったら読まない。暗号かと思う。(三段にするとか工夫次第ではありかも?)
持ち運べて片手に収まるサイズがやっぱりいいだろうな…と。

で、なんとなくそのサイズだと何ページくらいになるのか、wordで文庫サイズくらいの新しい文書(A6)を作り、そっと貼り付けてみた。

ひぇ

その枚数だと、背表紙の幅がどのくらいになるのか、持っていた文庫本のページを確認した。ゆうに1cmは越えてしまう。薄い本のはず…??
(印刷所さんによっては、オンライン見積もり等で背幅を自動計算してくださる仕様になっている。ナニカラナニマデ…すごい!)


2.装丁をイメージする

本屋さんを巡って、惹かれる背表紙、表紙、色、様々な要素で自分の視界に引っかかる本を眺めた。
ただ、書店の陳列というのは売る側の意図にも多々影響を受けるので、雑多に並んでいる古本屋さんにも足を運んだ。
自分がどんなものに目を奪われるのか。

一応、サイズを決めてはいたからその大きさを中心に見回ったけど、他の本も惹かれるものがあったらどうしてそれが目についたのかをメモしておくことにした。(小口に色がついているものにとても弱かった)
普段から本屋さん大好き人間だけど、違う視点でもって回ってみるとまたとても楽しい。普段なら足を運ばないだろう本棚の前にも立ってみることができる。

カバーどうする?

軽く10万字超えのものを再録しようとしていた為、ページ数がとんでもないことになってしまいそうでも、やはり文庫(A6)か新書サイズにしてさりげなく、違和感なく本棚に並べてみたかったのだ。
そうなったら、カバーと帯をかけるかどうかも悩むところ。(THE本!っぽい)
カバーをかけたら、表紙が見えない。
カバーと一緒にデザインするには…トレーシングペーパーで透け感…!?
などなど、本屋をウロウロしながらずっと妄想していた。

3.紙の感じと見方、PP加工って何

決められないのは、わかっていないからだ。
ここへきて、あらゆる印刷所さんから紙のサンプルを取り寄せる。
何もわからないので、とりあえず無料でサンプルをくださる印刷所さまから。(これを無料でいいんですか…ありがたや…)
STARBOOKS様しまや出版様栄光様サンライズ様など。
さらに、人に協力してもらい(大感謝である。足を向けて寝られない)、図書館から「デザインのひきだし」全巻を借りて片っ端から眺めていく。(なにこれ…永遠に眺めていたい)
のちに、様々な印刷所さまから有料サンプル冊子を取り寄せたりイベントでブースに寄ったりした。

まず、紙の表記にkgという単位が書かれている意味がわからなかった。
調べてみれば「原紙1000枚分の重さが何㎏になるか」だそうで、紙の材質や種類にもよるけど、特殊な紙でなければ軽ければ薄いと考えてよさそう。

PP加工って何だ
そのまま【PP加工】で検索。(【コチラ】を参考にしました)
でも仕組みはわかっても、どんな感じになるのかやっぱり見ないとわからんという事で、栄光さんのサンプル(これが無料…本当にいいんですかというセットで、俄然やる気が出た)である。
実物をみて触ったらもうマットPPに一目惚れ。

4.印刷所を決める

この辺で、本のイメージがうすらぼんやり固まってきた。
・カバーはかけたい(トレーシングペーパーor美しい紙にマットPP)
・新書サイズでいこう
自分の本棚のどこに置くか(紛れさせるか)で決めた。

以上ができること前提で(できればカバーもかけて欲しい)、かつ初心者に優しそうな
・同人誌専門の印刷所である
・ノベルセットみたいなセットで注文できる
・小数部(10冊~)からの印刷に対応
・見積もりがその場でわかる(簡易でも)
・テンプレートがある!
・入稿マニュアルのようなものがある!
・フェアや早割などがある
・紙の種類が選べる
こんな条件で、また各印刷所さんのページを回る。
(最低でも4~5回ずつくらいは同じ印刷所さんのページを隅から隅まで見に行きました。二次創作についての在り方みたいなことをきちんと載せておられる所もあり、色々勉強になりました)

ここでようやっと決めた。(でもまだ、心の中で)

カバーは最後まで悩んだ。カバーでトレペ印刷が選べる所は限られるし、カバーだけ別で発注するのもあり…とかとか。
紙見本をずっと触りながらイメージ。イメージ。

カバーを捲ったら、何があったら嬉しい?わくわくする?
自問自答。
漫画だったらやっぱり、表紙と違う絵や4コマ漫画が描かれていたりしたら嬉しい。
でも小説なんだよなぁ~~!

そしてその頃には「デザインのひきだし」のおかげで、すっかりフォントの魅力に囚われていたので、表紙のデザインは文字で遊ぼうとなんとなく思っていた。
【文字 デザイン】【レタリング】【本の装丁 デザイン】【素敵な装丁の本】【タイポグラフィ】あらゆる素敵なデザイン(の本も含め)を探すべく検索。
タイポグラフィという単語は初めて知った。

カバーと紙の種類以外の条件に当てはまる所は結構あって、すごい世界だなと思った。その中で選ぶ。さらに条件を捻り出す。

・できれば手が出しやすいお値段で…
・完全原稿での入稿とはいえ、本当にわからないことだらけなのでできればサポート体制が少しはありそうな…(人柄や雰囲気を感じに、ツイッターを拝見しにもいった)
紙の種類は譲れない(在庫ないけど受注できるよ!でもありがたい)

私の印刷所の決め手は「表紙に使える紙と遊び紙の種類の多さ」だった。
結局、譲れない所は譲れないのだ。
装丁に、紙にこだわりたかった。もうあんなコピー用紙の束は見たくない。

その紙に惚れてしまったのだから仕方ない。

一番最初に参考にしたサイトの「こんな人におすすめ!」に全て当てはまっていた時点で、わかってはいたのだ。

とはいえ、最終的に紙の多さで印刷所を選んだとは言ってしまったけど、その前段階でのサイトの印象は大きい。
今回は見送ったけど、次回はお願いしたいと思うような、”こんなことができますよ!”と想像させてくれるのは一番見ていてワクワクする。
有料の紙見本もいくつか取り寄せたし、料金を問わず、やっぱり対応の印象は大きい。

あと、印刷所さんがマニュアルを詳しく懇切丁寧に作ってくださるのは、やりたいなと思うこちらにとってはありがたいし丁寧で優しいなと思うし、印刷所さんにとっても完全原稿に近い(完全でなくすいません…)ものができてくるしで、これが本当にWin-Winというやつだ…と思った。


つづく


※因みに、オフセット印刷とオンデマンド印刷って?

これもそのまま【オフセット オンデマンド 印刷】なんかで検索です。
参考
今回、自分は小説本で本文は黒い文字だけだし極小数部だしで、オフセットは最初から除外していたので説明が抜けたけど、オフセット印刷はとにかく美しいらしい。カラーとか。カラーとか。そしてお高い。(大量に刷るなら、オンデマンドよりも単価が安くなる地点があるようです)
漫画の方は悩むところなのかな。

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