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毎年の夏に起こるウナギ議論に対し私のスタンス

 こんばんわ。恐らく世界唯一のイール小説家のアクズメさんです。

 今年の夏は土用の丑が2日もあります。7/21と8/2です。漁師さん、養殖場、食品会社、職人さんが忙しくなり、飲食店にうな重のポスターが見られる頃、そしてSNSではそれを否定する言論が蔓延する。

 最も食用されているニホンウナギ、ヨーロッパウナギ、アメリカウナギのどれも絶滅危惧種にされている。ウナギの生態は未だに明らかになっていない謎の多い動物である。去年は近畿大学で人工環境における完全養殖に成功したと報じたが、完全養殖ウナギが市場に流通するまであと数年がかかると聞いています(仮に完全養殖が市場に出たとして、近大のマグロみたいに高価で限られた店でしか販売しないと考えられます)。それまでは従来通り、川口でウナギシラスを獲って養殖するか、川と湖で成体を捕るかしかない。海洋汚染とかのせいで、ウナギの数は減る一方でありました。

 そして意識の高い人はウナギの絶滅を危惧して、SNSで各々の考えやお気持ちを発表した。ウナギを食うな。土用の丑にウナギは悪しき伝統。伝統や習慣のせいで一つの種が滅びかけている。飲食業者は恥知らず。平川源内はアホ。政府は無能。BLABLABLA……人々はこれらの意見に賛同し、1000RT、5000いいね。ウナギに関するつぶやきがいとも簡単にバスッてしまう。ウナギに対する関心が強いように見えた。しかし現実はどうだ?水産業者は日本国外からウナギを輸入して、牛丼屋と弁当屋は従来通りウナギ欲を煽る。希少価値のため高価にもかかわらず、市民はウナギを求めた。わからないでもない。ウナギは他の魚と比べられない独特な旨さがある。緻密な身、芳しい脂肪。私の中ではフォアグラ、北京ダック、カーニタスブリトー、汁なし担々麵と並べて世界五大美食に入っている。

 つまり、ウナギの存続を危ぶむ側と、臆せずウナギを食する側、両サイドの意向は平行線である。ウナギ問題は捕鯨など数知れない議論と同じ、その終着点は遠くて見えない。そしてSNSではウナギを守れ、ウナギを食うなのつぶやきがバズり続け、ウナギは徐々に高くなっていくが売れている。

 この現実に私はうんざりしました。

 ウナギの未来が心配でこれまでなるべくウナギを食べずに来たが、日本の現状を見て、食欲を抑えてきた自分がばかばかしく感じた。

 ウナギを食うなと言い続けている連中。お前らは本当にウナギの未来を考えているのか?ウナギについて適当な正論言ってRT稼ぎだけではないのか?ええ? そして無作為の漁協と政府。

 二年前、イールのことで思いつめた私は反発に、この記事を書きました。

 恐らくは世界初のイール小説です。反響はそれなりでnote新参者の私にとってなかなかの快挙でした。イールの力がそんなにデカかったと甘いたれの味を知った私は次々とイール小説を書き下ろしました。

イール問題を終わらせる

 具体的にはどうすればいいのか。イール保護派はNO TRADE、NO KILLと提唱し、売買を無くせば産業も自然消滅と図っている。消極的すぎる。私は10年後、20年後ではなく、今すぐイール問題を解決したい。やはり問題の根源にメスを入れないとだめだと考えました。

 つまり人間とイール、どちらが滅亡しなければならない。

 人間は唾棄すべきゴミ種族ではあるが、残念がなことに、現在地球人口の全滅は私にとって手に余る。実現はほぼ不可能でしょう。放っておくと500年以内に自滅するらしいが、私にそんな時間がない。

 ならばイールを滅ばそう。人間全滅より遥かに現実的です。これで行きましょう。

 まず、イールにヘイトが集まるように汚名を被せる。汚名を被せるためにストーリーをでっちあげる。都合のいいことに、世界各地の伝説伝承は、海を泳ぐ長い蛇のような怪物はちらほらある。イールを物語にねり込ませるのは簡単だった。まずはエデンの蛇実はイールだった話ができた。

 調子がいい。筆は進む。イールが歴史の闇に暗躍する話を考えるのが楽しくて仕方ない。こうなったらどんどんやって行こう。ウロボロスはイール、リヴァイアサンはイール、ヤマタノオロチもイール。イールに隠された無限の可能性、イールの宇宙ーーイールバースが私の脳内に展開した。これによって読者はイールが邪魚だと認識しつつ、ついでに見出し画像に仕掛けたアナゴ※天の飯テロでイール欲が高まり、たくさん食べてくれるでしょう。

※イールバースにおいて、イールはウナギだけではなく、アナゴ、タチウオ、ハモなど細長い魚全般を指す。食べつくしましょう。

戦いが始まったばかりだ

 今年の土用の丑に向けて、また何か書くつもりです。それがイタリア半島に移住し、農業を務めるカインとイール漁に従事するアベル兄弟の喧嘩話になるか、イール絶滅後の日本を描く話になるか、また決まっていません。ほどほどに期待して下さい。もし今回のイール小説が大ブレイクができて100億のサポートを頂けたら、スティーブン・スピルバーグ監督にイールが主役のホラームービーを作ってもらうつもりです。想像してみてください。全長20メートル超えの水陸両生イールが美女を辱めて、魚雷発射口から潜水艦に侵入して兵士を殺戮するシーンを……これで世の中はイールに悪印象が付き、その絶滅を手伝ってくれるでしょう。

 私ももっとイールを食べないとな。では、良い土用の丑を。

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