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Aimed by ghosts

DOOM……スマホの通知音が鳴り、SNSとnoteアプリの動きになにより敏感な俺は素早くポケットからスマホを取り出し、画面に覗き込んだ。またフォロワーされた。今日はこれで三人目。普段なら歌を歌いだすぐらい嬉しくるところだったが……

まず、新規フォロワーのアイコンはデフォルトのアレ、微笑む緑色の顔だった。フォロワーの情報を確認すべく、そのアイコンをタップする。

○○○○さんはゲストです。
ゲストは閲覧・スキ・フォローを行えます。

(またこれかよ)

 俺がフォローしている連中がしょっちゅ言っているゴーストアカウントらしい。フォローはしてくれたがnoteを読んでくれた形跡を感じない。不気味だ。こんなことして何になる?

「にぁしかし、ここはポジティブに考えよう。俺も遂にゴーストアカウントに目ぇ付けられるほどBIGになったってこたさ!ワハハ!」
「そう思っていられるのも最初の内だぞホイズゥ」

 向こうの席に座っている黒ずくめの男はキーボードを叩く手を止め、こっちに向かった。

「気をつけた方がいい、暗黒の勢力はすでお前を狙い定めている。CORONAを飲んで酔いしれている時、ネタを絞り出そうとモニターの前で苦悩している時、夜中の尿意で目覚めてトイレに向かう途中……暗黒は常にお前見ている。お前を暗黒に引きずり込む機会を伺っている!」

喋りながら、レイヴンの目が段々と暗くなり、声が沈んでいった。まるでいやなことを思い出したような。と思ったら急にか軽い表情になって微笑んだ。

「ま、要するに強い心を持って、自分を信じて創作し続けることだぜ。少なくとも俺はそうやって耐えて来た」
「……異空間に行って大暴れて解決の間違いでは?」
「あれは最後の手段だ。物書きならペンで勝負せよ。だろ?」
「アッハイ」

会話が終わり、レイヴンはタイピング作業に戻り、俺はさっき彼がいったことを頭の中で反芻した。

『夜中の尿意で目覚めてトイレに向かう途中……暗黒は常にお前見ている』

急に首筋にぬるぬるの何かに触られた気がして、俺はぎょっとした。真夜中、静まり返った家、何が潜んでいる気がする暗闇……俺が最初に感じた恐怖の記憶だ。

暗闇の向こう、微笑む緑色の仮面を被った、人間ではない何かがこっちを見ている画が頭に浮かぶ。

その画面を頭から追い払うべく、テーブルに置いたCORONA瓶を握り、呷った。


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