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ドランクン・ドライビング・イズ・ノット・クール #ppslgr

上の物語と同時進行の形になっています

「真理の焼却者、やばいね、強キャラ感が半端ない」
「しょしゃ……しょ、しょぎゅ、しょぎゅぎゃしゃ?」
「A・K、噛み過ぎィ!」
「ハハハハ!」

 ここはnoteの一角、BARメキシコ。またの名は胡乱窟。反社会、反主流、人が面白い死に方で死ぬ話が大好きな連中の溜まり場、今日はいつもより多くのパルプスリンガーが集まっている。ただ酒を呷って騒いでいるだけの者も居れば、血眼になってスマホやタッブレト、ノートパソコンとと睨み合い、逆噴射小説大賞への投稿を作成してるものも居る。でも今日の一大イベントといえば、パルプスリンガーの中でも屈指の冒険者、問題解決者、にぶちんであるR・V、虚実を操る計り知れない魔術師M・K、異世界から来た可愛いらしい客人シャンティカ、三人の冒険と戦いはいよいよ大詰めに来ているにほかない。

 プロジェクタで壁に投影されている映像は別世界での戦いを中継している。R・Vが操るイクサ・プロウラは大剣を振るい、真理の焼却者とやらの一本腕を切断した。しかし相手がすぐに余裕ぶって次のムーブに移り、残りの五本腕で印を結び始めた。

「これは、あと五回腕を切り落とさないといけないような?」
「コックピットを狙えば一発じゃない?人が乗っているし」
「そうしたいところですよねー。でも今回のボスキャラマジやばいっしょ
?R・Vたちが負けたら数分後こちら全員消滅かもね」
「あまり実感湧かないな。まあR・Vなら負けることないだろうよ。M・Kも付いている」
「シャンティカちゃん、心配だわ……」「彼女に何があったらR・V、絶対に許せねえぞ」

 ハート型にの双頭ストローで一つのモヒートを仲良く啜っているS・RとM・H。完全にシャンティカの保護者目線になっている。

はい。S・RとM・Hが仲よくハートの双頭ストローで同じ飲み物を飲むシーンを出したくてこれを書いていました。もう満足です。ではこれ以降は加速していきましょう。

『みんな、見えるか!』

 画面にM・Kの顔が映った。

『逆噴射小説大賞で忙しいところ申し訳ないが、こっちの状況はやばい!Master、あれを!』

「おうよ」

 カウンターの中にいるMEXICOの管理AI、18世紀カウボーイ風のMasterはリモコンのボタンを押すと、壁に縁に火花が散らす楕円の穴が開いた、ポータルだ。

『また早いけどパルプスリンガー・クリスマスイブパーティーモードを解禁します!来れるならどんどん来てくれ!ガチで世界の危機だ!頼みますよ!』

「よし、ではいっちょう暴れますか!」

 最初に一声をあげたのはガンマニアのS・C。ロングアイランドアイスティーが入ったグラスを机に叩きつけ、両脇のホルダーから二挺拳銃を抜きポータルを潜ろうとした、その時である。

 BLAM!「アアーッ!!!」

 S・Cは右膝が撃ち抜かれて崩れ落ちた!膝を抱えて悶えながらカウンターへ叫ぶ。

「なんでぇ!!?」

 Masterはウィンチェスターライフルのレバーを前に推し、戻して次弾を装填した、渋い。

「まさかと思うが、ソウルアバター飲酒運転しようというのか?」

 その場にいるパルプスリンガーたちは全員息を呑んだ。そうだった、相次ぐ飲酒後のソウルアバター操縦が引き起こした交通事故、誤射、器物損壊で、政府と警察はに対する取り締まりを強めた。ソウルアバター飲酒運転の事実が発見された場合、ソウルアバターを没収し、操縦者と所有者に罰金、懲役、道徳に関する講習を課せられるほか、ソウルアバターは帰還後、アルコールインターロック(起動前はこれに息を吹き、OKが出ないとエンジンがかからない装置だ)をつけることを強いられる。

 パルプスリンガーは外から見て軽率人死が大好きで、なんらかの理由をつけて銃を撃ちたがりで、大酒飲みで、敵対存在に情け容赦のないサイコ集団に勘違いされがちだが、彼らもこの社会の一員で、人並みの常識と倫理観を持っている人も意外に多い。アルコールインターロックをつけたことはつまり飲酒運転の前科持ち、自分と他人の命を粗末に扱うクソ野郎ということだ。そしてなりより、すごくダサい。

「……そうでした。ロングアイランドアイスティーを飲んだばかり……でした!すみませぇん!」

「なにがあろうと、飲酒運転は厳禁だ。この俺が一人ずつ確かめやる。さあ並んだ!」

 Masterはライフルを担ぎ、ポータルの前に仁王立ちした。次のチャレンジャー、S・RとM・Hが立ち上がった。

「そうなると思って」「私らが飲んでいたモヒート、実はスプライトだったのよ!」

「うむ、コカコーラ社製品とは素晴らしチョイスだ、通れ」

「やったわ!」「そんじゃ皆の衆、おっさき~」

 二人はポータルに潜って、向こうに辿り着けた際にはすでに自分のソウルアバターに搭乗していた。

「わしも来月の健康診断に向けて炭酸水しかのんどらん」「よし、通れ」
「減量中で水とプロテインしか飲んでない」「仕上がってるな。GO」
「来たばかりで何も口にしていないです」「そうか。通ってよし」
「発勁勁勁」「なんだお前?でも酒は飲んでないようだな、いいぞ、通れ」

 結局向こうの戦場に行けたパルプスリンガーは七名だったが、それでも過剰な戦力だ。敵は悪夢を見ることになるだろう。他のパルプスリンガーたちは羨ましそうでパーティーの中継を見ながら、CORONA瓶に口をつけた。

「悔しいな……飲むんじゃなかったよ」
「めっちゃ楽しそう、おれたちはここで座ってみるしかないのか」
「何言ってんだあんたたち、できることならあるだろ?」

 A・Kは懐からテーザーガン、いや、対人用ミラクルライトを取り出した。

「こういう時はな、こうしてエールを送るんだよ。がんばれ!ってな」
「そうだな。万が一負けたら、こっちもヤバイことになるしな」
「面白そう」
「皆でやろうや!」
「はいはい、じゃあ皆、対人用ミラクルライトもう持ったな?」
「おうよ」
「いつでも行けるぜ!」
「そんじゃオンマイワード……スゥー……」

 A・Kは深く息を吸い、胸部が大きく膨らむ!

「がんばれぇぇぇぇーー!!!パルプスリンガァァァーーーズ!」

 BUZZZ!対人用ミラクルライトの先端に電流が走った!

「がんばれぇー!!!」「ダォラァァァ!!!」「シャンティカカワイヤッター!」「トゥマ殿ーッ!しぶい!渋すぎるうぇー!!!」「おれはすごいい!」「CORONAはおれのもんだァァァァ!!!」

 思い思いの対象に声援を叫び、その音量はバーの屋根をひっくり返す勢いだが、Masterは止めなかった。祭りはまた少し続く。

(終わり)

このnoteは承認を得た上の二次創作です



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