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中年警官と若手デカがコンビを組んでシリアルキラーに立ち向かう映画……ではない!【the little things】

ネタバレしない努力
1990年代のカリフォルニア。カーン郡の制服警官であるジョン・ディーコンが郡で起こった殺人事件に関する証拠品のブーツを取ってこいとLASD(ロサンゼルス郡保安局)へ出向かった。そこで昔の同僚と再会、なんとジョンはかつてLASDの神探偵の異名を持つ凄腕刑事だった。
そしてLAを不安に陥れている若い女性を倣う猟奇殺人事件を担当する若き刑事(サージェント)ジミー・バクスターが彼の助言を求めて、殺人現場同行させた。現場でジョンが見たのは、かつて自分が担当していた、未解決に終わった事件と似た手口であった。
消えかかった執念の炎に再び風が吹き、静かに燃え盛る。自分の過去にケジメをつけるべく、ジョーは動き出す。

見事なミスリード

ポスターを見た瞬間で観ると決めたのでほぼ前知識ゼロの状態で映画館に入った。21世紀最も偉大な俳優デンゼル・ワシントン。ボヘミアンラプソディーでフレディをやったラミ・マレック。スーサイドスクワットのジョーカー、さらにMarvelの吸血鬼映画モービウスを主演してDCとMarvel両方に股をかけるジャレッド・レト。キャストでもうすごく強い。

見た感じは何かあれだ。昔は凄かったけど何らかのトラブルで左遷されてやつれた元デカと、ハンサムで希望の星と呼ばれるけどまた経験が浅い若いデカがコンビを組んで、サイコーシリアルキラーに立ち向かうミステリー映画なんでしょう?

まあそうであり、そうでなかった。一応ミステリー映画のプロセスを踏襲している。昔の職場に戻る警官、そこが事件で大変で、現場に行くと記憶が掘り起こされて、鋭いアドバイスして若い刑事に一目置かれて、二人の間に仲間意識が生じて、調査の担当を渡したくない一心で調査がますます過激なものになっていく…

ここまで刑事ドラマでよく見る展開。容疑者役を演じるジャレッド・レトは今回髪と髭を伸び放題で、ジャンプスーツにビール腹のおっさん姿だけど、やはり顔がいいので妖しい魅力が溢れる。グロイ写真を吟味するように見るし、法律に詳しいし、頻繫に車を変えるし、刑事との対峙を楽しんでいるように見える。そしてなによりうざい。憂える声でもったいぶってジョーとジミーを翻弄する。

FBIがもうすぐ来る。退路がないジョーとジミーが取る手段は……この記事はネタバレしない努力なので言えませんが、ある現実の前で、事件の真相なんて、どうでもよくなる。

「死者の名前を口にするな、写真を見るな、ファイルを引き出しの一番奥に仕舞っとけ、忘れるように努めろ。でないと死人は土から這い上がってお前の首を締めに来る」とジョーがジミーにそう言った。

感想

そして誰もいなくなったのような結末が気に入らない人は観ない方がいいでしょう。この映画は犯人が然るべき償いを受ける勧善懲悪の物語ではない。今も思い出すともやもやする気持ちになる。デンゼルの演技はすごいしラミ・マレックは口がでかくてチャーミングだしジャレッドは顔がいい。キャスト目当てだでも十分に見ごたえがある。逆にロッテントマトの評価は一流俳優が集まった平凡な作品であるとのこと。俺はそういう映画あまり見ないからアハ体験だったけどね。

映画館に行って観るか観ないか、あとはあなたに判断を託すよ。退屈な場面もなくはないのでトイレに行くタイミングが大事だと言っておきましょう。小さなことを見落とすとあとは大変だからね。

そして俺はデンゼルがディナーの席に座にマグカップ出なんか飲むに一番似合う男と差確認した。

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