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【辛い麺メント】林蜀塾川味麺堂
今日の正午、きみはまたここに訪ねた。
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林蜀塾川味麺堂。路地の中で、しかも看板が小さい。街を歩いてたら普通に気づかない。きみがGoogle mapで辛い麵屋を検索していなかったら知らなかっただろう。
きみは看板を見上げ、店の名前にちなんだダジャレをどうやって読者に伝えようかとしばらく考えるが、やめた。どうせ日本語で必死に解説したところで誰も気にしないと思ったからだ。
ここに来たのはこれで2回目。前回はあまりの美味しさで無心になって麺を啜っていたため記事用の写真を撮り忘れた。今度こそちゃんと辛い麵メントの歴史に残そうと、きみは決心してドアを押した。店内にはテーブル席4つと8人座れるカウンター席がある。明るくて清潔感がある。
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今回は前と同じ小麺プラス90元の前菜とスープのセットにした。
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前菜の麻辣猪頭皮。豚の頭皮はセラチン質がほとんどで歯応えがいい。噛めば嚙むほど麻辣の滋味が出て心地いい刺激をもたらす。きみはますます食欲が湧いた。
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前菜で胃が温まったところで、小麺とワンタンスープが同時に来た。きみは前回の轍に踏むまいとまず写真を確保することにした。
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チンゲン菜、ミンチ肉、ネギ。下の方の黒い物体は宜賓芽菜という四川スタイルの漬物だそうだ。そして白いスープに上に浮かぶ赤い辣油。日本市場も狙えそうなきれいなトッピング。
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しかしそのトッピングはきみの手によって崩れた。麵と辣油をよく馴染ませ、味全体を整えるために避けられない工程、店側があえてこれを客人やらせる。何かを得るためにまず何かを破壊しなければならない、たとえそれが美しく尊いものであろうと……きみは感傷を覚えて、麺を混ぜ続けた。
やっと麺と辣油が馴染んだ。ミンチ肉を絡ませて麺をつまみあげ、頂く。麻辣で神経に火が付くと思いきや、次に濃厚な鶏の風味が流れ込んでくマイルドにしてくれる。
この店はスープがマジでいい。これまで食べた辛い麺は辣油とスパイスに力を注ぐ店が多く、麺とスープはわりと軽視されがち。なのに林蜀塾は丁寧にスープを仕上げて、湯麵としてのアイデンティティを最大に生かしてドッ直球を投げてきた。麻も、辣も、スープ本来の味を引き出すための牽引役に過ぎない。これぞヌードル、ときみは内心に太鼓判をを押した。
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あっという間に麺を完食し、スープだけが残った。普段なら内臓の健康を考慮しスープを残すが、この店なら飲める。ていうかこんな美味しいスープ残すわけないだろォォォ!!!と思ってきみはスプーンを口に運ぶ、運ぶ、運ぶッッッ!!!
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一滴残さず完飲。ごちそうさまでした。
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おっと、またスープが残っているのだった。ワンタンスープだ。
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大きいワンタンがしっかり4つ入ってる。スープ2杯も飲んで、さすがにきみも胃が容量オーバー気味になった。もう20代の内臓じゃないからね。
これからもこの店を通ってメニューをコンプする、きみは意気込んで店を出た。
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