目を釘付けよ!

目覚めた私はまず自分がなぜ工房にいるかと戸惑ったが、すぐに脳がそれを思い出した。また徹夜で寝オチしたか。

水を求め、工房を出た途端香ばしい匂いが私を包んだ。テーブルには何枚も重なったパンケーキとサクサクのベーコン、フルーツサラダが並んでいる。誇り高きアメリカの伝統的朝食だ。私は思わずオレンジジュースに手を伸ばして飲み干した、旨い。

「おはよう、ハニー。仕事は順調か?」目玉焼きを乗せた皿を持ったトシがキッチンから出た。

「まあね、ベッドに運んでくれたらもっとありがたいけど」

「きみが絶対カレージに入るなって言ったじゃないか……ジーザスクライスト!?」

「あのね、いくらだらしない格好しても嫁にその反応はなくない?」

「いや、おまっ、目ェッ!」

「目?」自分の目を触るみると、何が固い物が目についていると気付いた私はトイレに駆け込んだ。

「ワッ、ダッ、ファッック!?」

鏡に映っている私は左目に釘が刺さっている。

【続く】

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