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私はお前の母親じゃねえんだよ糞が。恐怖の子育て映画【Vivarium】

💀ネタバレは回避不可能です💀

noteでは、映画レビューと子育て日記がバズる傾向はある。ならばこの2つを合わせば二倍バズるのでは?よっしゃやってやるぜ!

Yonder
YOU'RE HOME RIGHT NOW
Quality family homes.
Forever.

三ヶ月ぶりに映画館で観た映画がこれだった。

小学校教師のジェマとガーデナーのトム。二人は人生の次の段階へ進むべく家を探している。ある日の仕事のあと、不動産屋に訪れた二人は一風変わったセールスマンのマーティンと共に新しく建てられた郊外の住宅地、ヤンダー(Yonder)にやってきた。一望すべてが青緑色の2階建て建築に埋め尽くされたヤンダー。二人は訝しむつつ、もう来たということで、せめて室内を見てみることにした。マーティンにガイドされて、二人は9番屋に入った。
しかしガイドの途中にマーティンは姿を消した。彼が運転していた不動産屋の営業車もなかった。ジェマとトムは自分の車に乗り込み、ヤンダーを出ようとしたがいくら走っても出口は見つからず、電波が届かなくてGoogle Mapも使えない。何回試しても必ず9番屋の前に戻ってしまう。やがて日が暮れ、ガソリンが尽きた。立ち往生した二人は仕方なく9番屋で一夜過ごした。翌日、二人は道路を無視し、フェンスを越えてひたすら太陽の方角へ歩いた。しかし住宅街から出るおろか、入居者の一人にも会わなかった。またしても9番屋に戻った二人が見つけたのは、いつの間に家の前に置かれた、食料が入ったダンボールだった。
自分が置かれた状況は誰かの意図によるものだと考えたトムは癇癪を起こし、9番屋に放火。燃え上がる9番屋を見ながら、疲弊した二人は路上で眠りに落ちた。
翌日、目覚めた二人の前に、何もなかったのように9番屋は佇んでいた。そして新たに置かれたダンボールの中に声が聞こえた。ジェマがそれを開き、中にあるのは、男の赤ん坊だった。
ダンボールの裏面はこう書いてあった。『この子を育てば出られる』と。

ガキがうざすぎる

そして次のシーン、ジェマとトムが目を開けると、目の前に小学生二年生ぐらいの男の子がいた。彼はその赤ん坊だった。ジェマとトムは男の子と幸せ手に暮らしているのか?答えはノーだ。

このガキ、うざすぎる。ここで彼がどれぐらいうざかったのか、実績をあげてみよう。
1.ジェマとトムのしゃべる方、声調、仕草を真似してくる。二人の前で先日の喧嘩内容を一人劇場で再現する。
2.空腹になったら怪鳥音で絶叫する。食事を与えるまで止まない。
3.なだれのように質問をぶつけてくるが自分に関する質問されたらシカトに徹する。
4.発作的に犬の真似をする。
5.「母さん、また僕がびっくりさせちゃったの?腰抜けちゃったの?」と煽ってくる。
クソうざいガキだ。私がこいつと一緒に居たら、一時間後どちらが死ぬことになるだろう。こんなウザいガキを演じた子役の人はマジリスペクト。かわいい顔してるけど全く可愛げを感じない。演技がすごすぎるよ君は。マコーレー・カルキンのようにならないでね。

乾燥無味の恐怖

そしてジェマとトムは地獄のような生活を強いられていた。ヤンダーから出られず、スマホが使えず、テレビをつけても曼荼羅めいたアメーバ模様が広がったり縮んだり蠢いたりする白黒画像しか映らない。家の中に本も置いていない。定時に家の前に現れるダンボールの中に缶詰めや真空パックラム肉が入って食事には困らないが、ジェマによると「全く味がしない。食べて吐き気がする」とのこと。即ちジェマとトムはすべての娯楽を剥奪された上で、四六時中うざいガキと一緒にいることを強いられている。考えるだけでおぞましい。刑務所の方がよほど人権がある。

感想&結論

ガキの絶叫が頭から離れない……すっかりトラウマだぞ。励ましてくれフォロワー……!

カッコウという鳥がいるよね。他種の鳥の巣に卵を産んで、その卵が孵化すると巣の中にいる卵と雛を押し出したあと、図々しくも托卵先の親鳥にエサを求める、片害共生関係を築くという邪悪極まりない鳥だ。私はいままでカッコウの雛が自分よりデカくなったにもかかわらず親切にエサを与える托卵先の鳥がアホだと思って来たが、この映画が新しい改訳を与えてくれた。

托卵先の親鳥、実はとてもいい奴だったかもしれない。カッコウもそれがわかっていて托卵したかもしれない。

まあどうでもいい事よ。

教訓

・不動産屋の営業員にほいほいついて行かない。
・家を探すなら大手の不動産屋を選べ。
・ガイド中、絶対に営業から目を離すな。
・心を残酷にしろ。
・ショベルやつるはし。車に一本ぐらい用意した方がいい。

「私はだた、家に帰りたかった……」
「バカだね、お母さん。ここが貴女の家だよ」
「私はお前の母親などではない……」
「あっそ。どうでもいいよ」

※ここからは物語のコアに関する重大なネタバレがあるため、避けたい人はスキを押してから退散してください!

🐥

🏠

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クソガキの正体について:

クソガキは僅か100日で小学生ぐらいの体形まで成長した。明らかに正常ではない。トムがそれを子供の皮を被った何かと称した。
映画半分のところ、クソガキはある日、一冊の本を持って帰った。その本には人間と似ていても異なる生物の絵とテレビに映ったアメーバの模様が描かれており、既知のどの言語でもない文字で書かれていた。クソガキは本を手に入れてから、昼間はどこかへ行き、夕方には家に帰るようになった。まるで通学でもしてるようだ。
ジェマはゲームと称して、クソガキに「通学」で会った者の真似を要求した。その時にクソガキが明らか人間ではない何かを演技した。それところがクソガキに喉に人間にはない球状の器官(素嚢に似ている)が浮かび上がった。それを見たジェマが完全に心が折れた。
そしてクソガキが遂に成人男性の姿になった。それも当初、ジェマとトムをヤンダーにガイドしたマーティンと瓜二つだった。
育て親を埋葬したクソガキが次に訪れたのはマーティンの不動産屋だった。そこには老けて、今にも息が絶えるそうなマーティンが居た。クソガキがマーティンの名札を取りに自分に付けた。そしてデスクに座り、次の托卵先を待ち構えた。
クソガキ、つまりマーティンは、人間社会に寄生しているエイリアンか、ことなる生態を持つ種族なのだ。カッコウみたいに、自分の子を人間のカップルに託して育ててもらっている。
ヤンダーはつまりその種族が作った巨大な舞台装置。自分の子を育ててもらうための揺り籠。しかしカッコウと違って、その種族は自分の巣を用意するが、自分でこと育てられないらしい。
考え得る理由は二つある。一つ、その種族は成長が極めて速いかわりに、寿命は短い。劇中を見る限りではおよそ一年で老衰して死ぬ。しかし生殖手段について一切言及していないため、想像の余地がクソデカイ。二つ、マーティンの種族は実はかなり衰退している。子供を育って貰って、ヤンダーの外の不動産屋マーティンと入れ替我って次の育て親を捕らえることしか種を残せる術がない。
そしてクソガキは一体誰に教えを求めたのか、それもまた謎である。個人ではどこかの家に入ってそこでビデオとかで勉強したんじゃないかと考えている。
クソが、なに真面目に考えているだ俺は。狂いそうだぜ。
バーボンを飲んで、クソガキが夢に出ないようと祈っておくわ。
くそ、ブレードランナーディレクターカット版でも観とけばよかった……

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