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【飯の】お祝いの辛い麺メント【恐怖】

「ハッピーバースデー、モモノ。また歳をとって渋くなったな」
『ありがとうホイズゥ。で、それを言うためにわざわざビデオ通話を?』
「これだけじゃないさ。実はいまから辛い麺メントするところなんで、一緒にどう?」
『一緒にって、ビデオ通信であんたが食べているところを見るって意味?』
「うん」
『へーそう。じゃあ切るね』
「待たれぃ!これをみてもそんなこと言えるかな?」

『うお!?何なんだこの麺……赤くて緑っぽくて、まるでジュエルじゃんよ……いや待てよ。つまりおまえは麺を出されてから通話を始めたと?』
「そうだけど」
『バッカモーン!はよ食え!麺が伸びっちまうじゃないか!』
「アッハイ!食べる!ちゅるるる……」
『で、味は?レポートしろ!』
「ほふぁい!」
『嚥下してから喋れ!』
「もぐもぐ……うぐ。うまいと言った!」
『大雑把ァ!具体的に何がうまいか言ってみろ!』
「わかった!まずは絵面がかなり攻撃的に見えるが、辛さは程よくて食べやすい。中太のちぢれ麺が辣油と良く絡み合ってる。花椒で舌と頬の裏に心地のいい痺れが伝って脳を喜ばせるぜ!ズルズルッ」
『いま麺を啜ったか?辣油が気管に入ってしまった死ぬぞ』
「俺は日本に行けない間、辛い麵やけ食いして喉を鍛えたのさ!それより具を見てみろ。これがわかるか?」

『これの形状、身覚えるがあるぞ……わかった、砂肝だな!』
「さっすが!他に腸と心臓も入れてある。しっかし味がついてて食感がパリッパリッだ。聞こえるか?パリッパリッ」
『音がきたねえよマイクの近くで咀嚼するな!』
「ごめん!一緒に乗っているセロリは臓物と一緒に煮込んだから繊維が柔らかくて食べても全然苦痛ではない!」
『あんたにとってセロリ食べるのが苦痛だったか』
「レタスは茹でただけ!味はしないけど野菜だ大事だから食べる。むしゃむしゃ」
『音がきたねえよマイクの近くで咀嚼するな!』
「ごめん!」

「もうほとんどなくなっちゃった。残っている具と麺をスプーンでサルベージしよう。見ろこの厚い辣油とスパイスの破片、絶対身体に悪いよ」
『じゃ飲まなければいいじゃん』
「そうもいかない、ずず。色こそ凄まじいけど、ずず。口に入れると意外と淡泊というかずずず。でもすぐスパイスの複雑な風味口内に広がって……広がってその……いいぜ!」
『言葉足らずか』
「そして花椒を噛み砕いてしまったらもう一度ビリっと来るぜ!ふぅー」

「これぐらいにしておこう。胃が抗議をあげている。夜になるとフィードバックが来そう」
『結局最後までツッコミ役で付き合ってしまったよクソが(食事の場でクソとか言うな)、おれも食いてえ……』
「そっちはまた緊急事態だろ?」
『……仕返ししてやるよ。これよりうまい辛い麺食って羨ましがらせてやる』
「その意気だ。期待しているぞ」
『じゃあ最後はいつもの合言葉で締めようか。せーのー』

『「辛い麵メントはマウス・トゥ・アスホール』」

🌶桃之字さん、お誕生日おめでとうございます。また一緒に辛い麵メントしましょう。私は待ち続けます。たとえ何年、何世紀かかろうと……🍜

『おい待て、これは前に食べたんじゃないか?』
「いい辛い麵は何度でも食べて、何度も記事を書く価値がある。そう思いません?」
『それは読者が決めたことだ』
「今回はスキ数50ぐらいがほしいな~」


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