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エンドレスプラクティス 上

 

 今日は10月8396日。僕は相変わらず起床して、サンドバッグを10分ぐらい殴って、朝ご飯のシリアルを食べると、机についてキーボードを叩き始めた。

 何千日の前に、朝起きると、カレンダーは10/32とと書いていた。あの日から世界が何か色褪せったみたいで灰色ばんだし、パパもママもどこかへ消えってしまった。

 普通の子供ならパニックになって泣き喚いたところだろうけど、僕は違う。なぜなら僕は逆噴射総一郎先生のパルプ小説講座を受けて、真の男を目指しているからだ。真の男にとってこれぐらいの変異など、屁だ。とりあえずパソコンに電源を入れ、twitterで今の状況を伝ると、すぐにフォロワーからリプが来た。

「こっちも似たよう状況です。なんか、色が変になって、私以外の人が皆消えたみたいで」「おれも」「こっちもだ」「さっきコンビニに行ったけど商品があるが店員さんがいないね。仕方なく金をレジに置いといて帰った」「えらいっ!」「なあ、これって、ミツカド・ニンジャのジツでは?」「アイエエエ!ニンジャ!?ニンジャナンデ!?」「ニンジャなどいない。いいね?」「アッハイ」

 さすがはダイハードテイルズの読者たちだけある。こんな状況においても冷静だ。

「会社に行こうとしたがホームで半時間待っても電車が来なかった」「車のエンジンがかかれません」「これってスティーブン・キングだろ。ミストで見たぞ」「取り敢えず落ち付いしばらく様子見しようか」「状 況 判 断 だ」「今日も逆噴射プラクティスアップする予定です。PRACTICE……毎日だ、ですからね」「他にやること無さそうだからおれもやるか」

 自分は一人ではないことを知り、僕はとても心強く感じた。

 そして一週間が立った。

 最初は食糧などが危惧していたが、奇妙なことに、キッチンの食べ物はいくら食べても、翌朝になると昨日と同じ物が同じの量が置いてある。これは何等かの時空的ループだと考えた者がいて、超長文の解説論文をnoteで発表したが、難しすぎて理解できなかった。あと水道水は普通に出た。

 餓死の心配が無くなり、次は精神の問題だ。パルプ小説のみならず、創作には様々エンターテイメントを摂取し、脳に刺激を与える必要がある。ネットは繋がっているが、youtubeやnetflixは10/32を境に、更新しなくなったため、今まで見ないジャンルの映画と、バカにしていたvtuberの動画も見はじめた。正直悪くなかった。脳内にアイデアがどんどん湧き出て、執筆が捗った。

 僕は毎日noteに400字小説を投稿し、数千日を過こした。

(続く)

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