見出し画像

古都、ところどころ 1日目前半

台南、それは台湾文化の揺り籠。

17世紀、オランダ東インド会社がここを貿易拠点として、台湾で最初の城と街を建てた。そして鄭成功が来て、オランダ人を追い払って、台湾を反清復明(満州人が統制する清王朝を打倒し明を復国させる、レジスタンス活動)の拠点にすべく、初の政権を立ち上げた。そして鄭成功氏王朝が破られて清に統治下に入って台湾府を設立し、様々な建設が始まった。あとで台湾が日本に割譲され、政治的中枢が北部に移るまでの間、台南はずっと首都の役割りのを担っていた。

歴史の話はここまでにする。授業で並んだ内容がほとんど先生に返してしまった。

4月15日。今日は日本に帰る社長のために送別会が開かれるが、2週間前から有給を取っていた俺とは無関係だ。それについて問い詰めてくる上司には

「組長君あんた、送別会なのに有休とかどういうつもりだおい?」
「すみません。宗教に関して極めてセンシティヴな理由なのでお答えできません」
「宗教かー。なら仕方ないか」

ような感じで対応した。朝6時に起床。余裕をもって朝食と排泄を済ませ、駅に向かって高鉄(新幹線のことだ)に乗る。へ。

奇美博物館

高鉄台南駅で下車。ちょうど11時頃。みなみの国の南の方は日差しと気温がすごい。早速メガネの上にサングラスレンズを被せて紫外線対策した。直結している臺鐵(JRのような物だ)沙崙駅に乗り換え、保安駅で降りて少し歩けば到着。

画像1

奇美博物館。ローカル企業の奇美實業(チーメイ・コアポレーション)の創業者、許文龍さんが「自分が好きな物を皆にも見てもらいたい」という趣旨で建てたミュージアムである。高校の修学旅行で一回来たことがあって、大変楽しい思い出だった。あの時は団体行動でじっくり見れなかったので今回は一人。思う存分楽しめるぞ。とその前に。

画像2

昼メシだ。本当はご当地の小吃が食べたかったけど近くにそれらしい飲食店がないので不本意ながらコンビニで済ませた。

画像3

庭園を見ながらのおにぎり。なんか遠足っぽくていいよな!カロリーを補充したし、館内へ。

兵器館

私は兵器が好きだ。そこら辺に拾った手頃の木の棒からドローンを落とすためのレーザー銃まで、私はすべての兵器、及びその用途を全肯定する。「ミリタリーが好きだけど戦争は嫌い」とか言ってるミリオタは偽物か、腰抜けか、好戦的平和主義者の圧に負けてそう言わざるを得なかったかわいそうなやつだと思ってる。生物の本質は闘争。大きかれ小さかれ、形式が変われど、我々は闘争の中で日々生きている。我々のご先祖様は筋力が優れた肉食獣に対抗すべく気の枝を拾い、群れを成し、やがて石を削って刃にして、地球の覇者となる第一歩を踏み出した。人間は闘争と殺戮の中で進歩してきた。闘争を否定することは人間の本質を背くことだ。私は断じて、好戦的平和主義者の口車に乗らない。

さらにシンプルに考えろ。世界的な戦争が2回もあってこそ、今の我々がそれを題材にした素晴らしいゲームや映画を楽しめたんじゃないか?戦争以上にインスピレーションを刺激するものはない。60年おきに一回やるべきだ。

戯言はそこそこにして、兵器館に入ろうか。

画像4

そして一個目のウィンドウで迎えてくれるクロスボウちゃんたち!巻き上げ機構も展示されている!ウッ、ウッ、堪らない!テンション上がってきたぜ~!

あとで無断撮影疑惑がかからないように言っておく。館内では撮影禁止エリア以外でのカメラ写真は基本OK。フラッシュは全面禁止。録画も禁止。コスプレでのご来館は遠慮させて頂く。館内で撮った写真は商業に利用することが禁じられている。

さぁて、クロスボウちゃんでテンションが上がったところ、次のウィンドウズで待ち受けたのは……

画像5

もっとクロスボウちゃんズだ!今度はもっとでかくて長いお仲間だぞ!ヤッター!

画像6

現代のクロスボウちゃん。かっこいい!お父さんこれ買って買って買ってよぉぉぉぉ~~!!!

画像7

典礼用の長刀。無双シリーズにありそう。

画像8

鈍器ちゃんズだ!これも欲しい。

画像11

ずらーっと並んでいるマスケット。銃身を彫ったりデコったり、いかしたパーツやバヨネットを付けたり僕が考えた最高にかっこいい銃を作るぞ!って意気を感じる。

画像10

空気銃。銃床に内蔵したシリンダーになっており(あるいは銃床そのものがシリンター)圧縮空気をためて鉛玉を発射する。威力は火薬に劣るものの、煙が立たない、発射音が小さい、天候に左右されず射撃できる(火薬が濡れたら発射できない)など利点があり実際戦場で運用されていた。

画像9

銃火器が世に現れてから、職人たちはリロード時間を短縮するために苦心していた。これはバレルを上下ひっくり返ることで2連射を実現した連発銃です。

画像13

グリップの先端がボール状になっているの意味があるでしょうか?殴るかな?

画像14

ウォールガン(Wall gun)。でかい。ごつい。むっちゃかっこいい。主に城に設置される防衛用武器だ。

画像13

四連装銃。チェスト種子島!銃身から伸びるジョイントの類からウォールガンと同じく固定して使う武器と思われる。ただでさえ金属量が半端ないのに四連斉射の反動を考えたらとても人間一人で撃てる代物ではないよね。じゃ18連装斉射銃を軽々しく扱うぼっけもんは一体……

画像15

剣だ。剣と言えば未だにSNSとかで「西洋刀剣は実際斬れない。重さで押しつぶすだけ」とか言い続けるアホが腹立たしくて仕方ない。なんだ?18歳からカタナ一本で世界中に旅し、各国の剣士と戦ってきてからの発言か?それとも漫画で得た偏った知識を偉そうに語ってるだけか?ぜったい後者だ。刀剣の鉄人を観てから物を言え。

画像32

長柄武器ちゃんズ。神々しいまでの佇まい。

画像16

一番左から巡礼者のナイフ、柄に宗教的な意匠を施されている。真ん中二本は斬首剣、またの名は正義の剣。咎人の首を切り落とすことが唯一の使命ゆえに剣先いらず。その横はソードプレイカー、櫛状の構造で相手の武器を絡めたり折ったりする。一番下は軍官のダガー。鞘に華美な装飾を付けている。

画像31

太いスパイクが付いた盾。そして非人道的兵器マキビシ。


画像32

失楽園の物語を刻んだ盾。

画像18

アフリカの刀剣。悍ましさとかっこよさが両立している。

画像30

象革の盾。リアル大獣神。

画像19

インドネシアのナイフ、クリス。ほんとうに美しい。特殊の刃を収納するため鞘が大きめ。

画像20

インドネシアの刀剣もいい感じだ。

画像21

ネパールのコラ。重心を先端に特化して大鉈。刀剣の鉄人で観たけどその破壊力は凄まじいとしか言いようがない。

画像22

インドのカタルとパタ。パタを扱うキャラはいままでいましたっけ?

画像23

盾の周りにある武器に注目。博物館では像戟と呼んでいる。なるほど確かに像牙みたいな形している。

画像24

日本刀がこんな感じで陳列されている。

画像25

小烏造。

画像26

日本の長柄武器ちゃんズ。光を反射してみんな光ってる。壮観……

画像28

これもまたしてもニッチなやつ。中国の鉄鞭。見ての通り細い鉄の棒だ。三国演義では黄蓋がその使い手。なんか弱そうに見える?そうだよ。

画像28

中国の長柄武器ちゃんズ。なんか錆びついてんな。

画像31

トルコの銃。ヨーロッパより細くてスマートな印象。

写真の内容は展示。ありがとう許さん。大変楽しかったです。兵器館だけで興奮しまくって大部尺を使ったのでここまでにしておこう。他には動物館、芸術館、楽器館も見所たくさん。やはりすこしみせちゃうか。

画像33

画像34

大量の水鳥標本。

画像35

画像36

画像37

特別展示のペーパークラフト。クワガタの腹の構造の緻密さに俺は驚嘆した。

もし未来に台南に行くがあったら是非立ち寄って欲しい。

1日目後半に続く

当アカウントは軽率送金をお勧めします。