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寒い日に食べる辛い麵はさながらサウナめいている

と思うようになったきっかけがこれです。

南龍麻辣麺屋の麻辣火鍋麺

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11月上旬、ワニ映画を見たあと。ふいに刺激的な食べ物であの無感動を吹っ飛ばしたいと思ってここにやってきた。

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看板は何回も掛けなおしたようだ。花の紋章に「辣」と書いてあるのが単純明快でいいと思います。

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酸菜魚と酸辣粉も魅力的だけど。せっかくなので当店限定の火鍋麵にしました。何気に価格は二番目に高い。

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来ました。ちょっと距離を置いても麻辣スープの匂いが鼻孔に訴えてくる。

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アーイイ……やはり私は1/4の四川の血を受け継いでいるだけあって麻辣と相性がいい。辛さで痛み始める味蕾に花椒のビリっとした刺激を受けてちょっぴり甘いような、苦いような、または酸っぱいような、味覚が誤認識が起きたかのように不思議な味わいが生まれる。無感動映画で枯れそうになった私のニューロンに活水を注ぎこむ!

などと言ってられるのは最初だけ。食が進むにつれて辛味が食道と内臓を侵食し始まり、体温の上昇が発汗を促し、ジムで300kgのレッグプレスでもやってるかのように汗が額から浮かぶ。

チンゲン菜は特別に注意しながらかじって細かく食べる。麻辣火鍋経験者ならご存知でしょう。麻辣火鍋においてキャベツ、白菜などの葉野菜は凶器に成り得ると。でもエノキはもっと恐ろしかった。表面積がアホみたいに大きくて辣油がよく絡うえ上に繊維が細かいためよく噛まないと呑み込めないだめより長く苦しめる。

汗がさらに勢いを増して、背中まで濡れてきた。鼻水が絶えることなく分泌されてうまく呼吸できない、数分おきに鼻をかまないといけない。テーブルの上にティッシュボールが増えていく。「もうそろそろいいかな……いやもうちょっとがんばろ」の繰り返し。アー苦しい。苦しいけど美味しいし、楽しいよ。

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どうしてもこれを紹介したい。これが蛋餃という、薄い卵焼きで包んだ餃子です。小さなオムレツだと思ってください。外見は昔中国で使われていた元宝という貨幣と似ていて縁起がいい。鍋料理でよく使われる人気ある具です。かつて火鍋屋で日本人の上司と同席する際は今後これだけを食べて生きていきたいと絶賛されました。

麺と具を完食し、私から出る。みなみの国の11月は北から目線から見てまた全然暖かいが、大汗かいて毛穴全開状態の私は外気に触れて、温度差で心地のいい涼しさを覚えました。Man vs. 辛い麺、今日は私が勝ちましたと。

そしてふと思った。なんかこれ、サウナっぽくない?

サウナは環境温度で発汗を促す。唐辛子はカプサイシンで灼熱感を起こして発汗を促す。
サウナから出ると水風呂にはいる。辛すぎて耐えなくなると水を飲む。
最後は外気浴で身体を解放する。私も店を出て外気に触れて解放感と達成感を覚えた。

そして両者とも「我慢」という大きな要素がある。ますます似てましたね?

唐辛子に含まれる辛味成分であるカプサイシンは元から哺乳類と虫を遠ざけて、カプサイシン受容体のない(つまり辛さを感じないってことか)鳥類などの播種者に食べさせて種を遠くへ運んでもらうために生成した物。でも人類は進化の過程で辛味に打ち勝て、調味として使うようになってからは人間が辛さに対する追求はどんどんエスカレートしていく。いくつの品種改良を経て誕生した世界最辣のペッパーX、そのスコヴィル値は脅威的な318万、試食した者はもれずに嘔吐したという劇物です。私は自然界で最も辛いとされる100万スコヴィルのブート・ジョロキアを使ったカップ焼きそばを食べて命が削られた思いでになったのでたぶんここが限界です。

サウナと同じやりすぎると実際死ぬ。自分の体を大切に、常識的に辛い麺メントしてください。スパイシーで豊の人生を。


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