全日流レスリングの系譜について

この試合があまりにも凄すぎるので全日流のテクニックがどこから来ているのか細かく見ていきます。
丸藤正道 VS 小川良成 |2019.3.17 博多スターレーン https://youtu.be/n3ewMNe0u9I @YouTubeさんから

このロックアップからスタンディングのアームロックの攻防はNY.でバディ・ロジャースから馬場さんが学んできたもの全日レスリングの基礎になっています。
馬場さんの師匠は一般にフレッド・アトキンスだと言われていますが、アトキンスの道場は基礎体力作りに重点を置かれたものでした。

アームロックから立体的な返し技の攻防になっています。
ビル・ロビンソンがよく見せていた動きですが、ロビンソンは全日でも鶴田さんと渕さんの2人にトーレーニングをつけています。
ただ鶴田さんはすぐに逃げてしまったので、延々渕さんがマンツーマンで教わったそうです。

チキンウイングアームロックからコーナーポストにぶつける動きはニック・ボックウィンクルが見せていた動きです。
ニックは大技をほとんど使わないレスラーで、こうしたいやらしいレスリングで試合を組み立てていました。

丸藤さんが見せているのは足で腕をロックしてインディアンデスロックのように後ろに倒れこむ動き。
WWE転出以前のテッド・デビアスが使っていました。
デビアスはファンク道場出身ですが、他のレスラーが使っているのは見たことがありません。

クルック・ヘッドシザースです。
カールゴッチですね。
新日系レスラー、UWFのレスラーが使っていましたが、渕さんが一時期ゴッチの道場に通っていたのは有名です。

スタンディングのチンロックは全日の解説で渕さんがドリーに教わったと言っていました。
今も来日した時に野村くんや青柳くんに教えているらしいです。
(フロント・ネック・チャンスリーまたはサイド・ヘッドロックというらしいです)

ロープワークからのスリーパーホールドはバーン・ガニアのオリジナル。
ビデオを見て復活させたのか技術体系として伝わっているのでしょうか。
ジャンボ鶴田さんもよく使っていましたね。

ここから万力スリーパーです。
ジャンボ鶴田さんのオリジナルホールドですが、渕さんを通じて諏訪魔選手の必殺技になっています。
諏訪魔選手は渕さんと2週間ほどマンツーマン合宿をやってますね。

チン・クラッシャー
これはダイナマイト・キッドから小川さんが直接教わっています。

ステップ延髄斬りからチンクラッシャー、4の字ジャックナイフの流れは小川さんのオリジナルテクニック。
秋山選手からピンフォールを奪っています。

決着は丸め込み合戦の末丸藤選手の勝利でした。
マットの魔術師パット・オコーナーの動きですね。
パット・オコーナーも全日本プロレスに技術指導しています。
輪島さんはオコーナー、ネルソン・ロイヤルのコーチでデビューしました。

これの何が凄いって、ジャーマンもダブルアームも4の字固めも出してないのに誰の動きか表現出来てる所で、わびさびの世界なんですね。
レスリングの面白さの本質をついてる。

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