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焦らなくても、大丈夫。行動して、いっぱい悩んで。少しずつ育んでいった、"愛着のわく暮らし"

※この記事は、ワークショッププログラム「ナエドコ」の最終課題として「理想の暮らしをしている未来の自分」へ取材をした想定で執筆したものです。以後、書かれている内容は、3年後に実現したいフィクションです。

掲載日:2025.9.17


今回ご紹介するのは、長野県佐久市に暮らす、安久都花菜(あくつ かな)さん。

2021年に、パートナーの智史(さとし)さんと結婚してから、自分たちらしい”暮らし”や”働く”にご夫婦で向き合い、住みたいまち探しの旅を繰り返した後に、長野県佐久市への移住を決意されました。

賃貸に住み、複数の仕事を掛け持ちしながら、畑を借りて家庭菜園を楽しんでいらっしゃいます。また、週末にはポップアップカフェを夫婦でひらき、カフェインレスのコーヒーや自家製のチャイを提供しているそう。

今回は、暮らしや働くについて悩み、試行錯誤されていた時代を経て、ゆるやかに活動を広げられていったお話を中心に伺いました。

なりたいのは、部活動のマネージャー


--花菜さんの、今のお仕事について教えてください。

「ともにつくるマネージャー」をキーワードに、様々な仕事を行っています。

具体的には、コミュニティマネージャーやプロジェクトマネジメントなど、想いのある人たちが事業を進めていくための、環境づくりに携わっています。いわゆる、部活動のマネージャーみたいなイメージだと感じていますね。

今は、メインで関わっている2チームの他、全部で4つの事業に関わっているのですが、どの事業も、ただのサポートではなく立ち上げからご一緒させていただいたものが多くて。

みんなで、ああでもないこうでもない、と意見を出しながら、ひとつのものをつくっていく過程は、学生時代の部活動のようでとても楽しいです。好きな人たちとチームで働く環境は、自分にとってひとつの居場所でもあるんですよね。

いまは、想いをもって、自分に嘘のない仕事ができているなと感じています。

(「最愛のパートナー」と語る智史さんとは、「本が好き」という共通の趣味をきっかけに、仲が深まったという)


--これまでは、どのようなお仕事をされていたのですか。

紆余曲折あったというか、いろんな仕事をしてきましたね…(笑)。大学時代に、男子ラクロス部のマネージャーをしていたので、「部活動のマネージャーのような役割の仕事をしたい」と思って就職活動をしていたんです。

当時の自分なりに考えて、大手企業の子会社に経理担当として入社したんですが、すぐに「自分のやりたい仕事」と乖離があることに気がついて。

1年目で辞める勇気がなかったので、保育資格を独学でとった後に、編集プロダクションに転職しました。

それを機に、日本仕事百貨でインタビューライターとして3年ほど働き、夫との結婚や引越しのタイミングで、個人事業主になって。

その時、「自分のやりたい」に正直になろうと思ったんです。今までの仕事の経験から、「私のやりたいことはこれかも」と考えて、とりあえず行動しては試していきました。

「ちょっと違ったな…」「でもこの要素は楽しかったから、あっちの路線なのかも」を、ずっと繰り返してましたね。素敵なおとなを紹介してもらうインターネットラジオも始めたりして。3年前は、「暮らしも働くも試行錯誤中」って名乗ってました(笑)。

そうやって、がむしゃらに行動しているうちに、意識はしてなくとも実は撒かれていたタネが、「この人と働きたい」と思う人たちとのご縁へと、本当に少しずつ繋がっていったんです。


不安も遠回りも、全部無駄じゃない


--暮らしの面でも、試行錯誤されていたんでしょうか。

そうですね。ビルに囲まれる都会の暮らしには、なんとなくずっと居心地の悪さを感じていて。夫と結婚してから、自分達の住みたいまちを探そうと、いろんなまちを訪れました。

1週間くらい、行き当たりばったりでまちをめぐる旅も3回くらいしたし、半年ほど住んでみた結果「ちょっと違うかもね」という結論に至ったこともあります。

(車で宿も決めずに出発し、1週間で10近くの都市をまわったこともあったんだとか)


3年前から、長野県佐久市に住んでいるのですが、ここも最初は「とりあえず行ってみようか」くらいの、軽い気持ちでしたね。そこからどんどん気に入っていって、あっという間に3年経っていました。

--お話を聞いていると、すごく軽やかに行動されている印象です。

でも、当時はめちゃくちゃ悩んでいたんです…。むしろ、行動していないと不安でたまらないから、とりあえず行動していた、みたいな面が大きい気がします。

自分の理想はなんだろう。そこにはどうしたら近づけるんだろう。本当に叶うのかな。って、不安になって落ち込む日もたくさんありました。

そんな時にナエドコに参加して、自分とじっくり向き合った結果「私は、夫と笑いあえていられることが何より大切なんだな」と気がついて。

(家の前から見える、お気に入りの景色。佐久市は、初めて訪れた時から「開放的で空が広い」と感じたそう)


そうやって、今ある幸せに目を向けつつ、未来の”もっと楽しい”に向けて行動していったことが、積み重なっているのかなって。不安も遠回りも、全部無駄じゃなかったなって、今は思っています。

--今はどんな暮らしをされているんですか?

平日は、コワーキングスペースに通って、リモートワークで仕事をして、週末はシェアキッチンなどで、不定期に夫婦でカフェを開いています。

コワーキング施設で企画されている、色んなイベントやプロジェクトに参加したり、カフェをやったりしていたら、まちとの繋がりも自然とできていましたね。

ずっと夢だった家庭菜園も、まずはシェア農園で栽培方法を教えていただくところから始めて。

今では小さな畑を借りて、色んな野菜を育てるようになりました。シェア農園のメンバーで田んぼもやっているので、いつかは自分達の田んぼもほしいなって思っています。

(シェア農園では、ピザ釜でみんなでピザを焼いたり、栽培した大豆から味噌をつくったりしているんだとか)


仕事前に畑にいって、そこで収穫したものをその日の食卓に出して、時には発酵食品をつくったり、季節の仕込み仕事をしたり。夫とゆっくり料理をして、ご飯を食べている時間が、すごく幸せです。愛着がわく暮らしができているなと感じています。

今は、頑張りすぎて力むことや、その反動で心が沈むことがだいぶ減って、凪の状態の日が多いんです。だからこそ、心が動く些細な瞬間にも気づけるようになった気がしますね。

最近は夫と「自分たちの家をもつのもいいかもね」と話していて。中古物件を購入して、友人に設計をお願いしたり、自分たちでもDIYしたりできたらいいなと妄想しています。

行動することで、少しずつ見えてくるものは絶対ある


--夫婦でカフェをやるのは、昔から考えていたんですか?

全然!夫婦で一緒に過ごす時間が楽しいから、「何かしら夫婦で活動できたらいいね」とはぼんやり話していたこともあったんですが、具体的なところまで考えていなかったし、頭のどこかでは「難しいだろうな、できないよな」とも思っていました。コーヒーを自分で淹れたことすらなかったですしね。

(もともと、夫婦でカフェ巡りをするのが好きだったという。「素敵な空間だと、前向きな未来の話ができる気がする」)


だけど、ナエドコで活動のナエを考えていた時に、同じように未経験でカフェを始めた人のお話や、ポップアップで移動カフェをやられている人の記事を読んでいたら「私もやってみたい…!」という気持ちがわきあがってきて。

私、カフェインが体質に合わないんです。カフェラテが飲みたいのに、デカフェのメニューがなくて諦める、みたいなことが日常茶飯事で。

だから、私がやるカフェなら、カフェインレスのコーヒーメニューがいいな、最近はまっているチャイも提供したいなって、どんどん夢がふくらんでいきました。

ナエドコのメンバーにそんな話を打ち明けたら、メニューづくりを手伝ってくれる人や、いろんな手続きについて教えてくれる人もいて、たくさん力を貸してもらいましたね。

最初は、隣町のソーシャルカフェや東京のポップアップで、月に数回1日店長をやるところからはじめて。次第に、ナエドコメンバーが主催しているマルシェにも出店するようになりました。

(カフェでチャイのメニューを見つけると、必ず注文。自分の好きなチャイの味を研究していった)


今は、少しずつですが、出店のお声がけをしていただくようになりました。カフェの出店を機に、いろんなまちを訪れることができたり、面白いイベントを主催している人たちと、一緒に場をつくったり。ご縁が広がっているなと感じています。

私たちのカフェのSNS情報や、夫婦で配信しているインターネットラジオを聞いて「お二人に会いに来ました!」と言ってくれる人もいて。すごく嬉しいですね。

いつかは自分達のお店をつくるのも憧れるし、でも、こうやって色んな場所でお店を出せるのも楽しいよねって、夫とは話していますね。

--最後に、花菜さんの今後についてお聞かせいただけますか。

私、3年前の自分からしたら、夢のような生活をしているなあって思うんです。

昨年に子供が生まれて、子育てと仕事の両立とか、まだまだ悩むことばかりだし、もしかしたら仕事も暮らしも、今後大きく変わるのかもしれないけど、少なくとも3年前「本当にできるのかな…」って思ってたことは全部できたなって。

コーヒー淹れたことなかったところから、カフェができるまでに上達したし、野菜を育てたことすらなかったけど、今では自分達の畑もある。

いっぱい悩んでもいい。いっぱい試行錯誤してもいい。行動することで、少しずつ見えてくるものは絶対あるよって、あの時の自分に伝えたい。

だから、今、同じように悩んでいる人がいたら、ぜひカフェに遊びにきてゆるゆるとお話したいなって思います。

そうやって出会っていく、素敵だなと思う人たちと、これからも楽しく過ごしていきたいですね。


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