ノマンズランド #2~シナリオブック~(ハート型の悪魔)

画像1 夢か現実かはすぐに区別がついた。 夢であるなら、それはあまりにも鮮明に映り過ぎていたし、なによりこの衝撃ともいえるほどの本能的な恐怖心は現実以外では到底感じることはできないだろうから。 その漆黒の身体は暗闇をもってしてもあまりに真っ黒で、反射一つない異様な体だった。まるでその怪物の周りにだけ光が存在していないかに思えるほど。 運がよかったとしか言いようがないだろう。その大きなものは私を一瞥(という表現は正しいかわからない。あのハート形のなにかを顔というのなら...)し、そのまままっすぐ森に消えていった。

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