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「向き合う」ということ…今週の『虎に翼』

日本初の女性弁護士で、後に裁判官となった女性・猪爪寅子(伊藤沙莉さん)とその仲間たちが、困難な時代に道なき道を切り開き、迷える子供や追い詰められた女性たちを救っていくリーガルエンターテイメント、朝ドラ『虎に翼』の第16週「女やもめに花が咲く?」。

「(男やもめに蛆がわき)女やもめに花が咲く」とは「妻を失った男の身の回りは、家事に手が回らず不潔になるが、それに比べて女やもめは、夫のめんどうを見なくてもよく、その分だけ身奇麗になり、周りの男も放っておかないからうわさも立って華やかになることをいう』との意から(imidasから引用)。

寅子が新潟地家裁三条支部長に着任した月曜日。職員や地元の弁護士・杉田太郎(高橋克実さん)&杉田次郎(田口浩正さん)らから歓迎されるも、娘・優未(竹澤咲子さん)との会話は弾まず。

就寝後、書記官の高瀬雄三郎(望月歩さん)が訪ねて来て、逮捕令状に対応しなければならず。また、前任者が未決の書類は山積み。そんな時、新潟本庁刑事部に異動していた星航一(岡田将生さん)と再会。相変わらずの航一節で。

花江(森田望智さん)からの手紙が届いた火曜日。完璧を目指す寅子でしたが、花江には見透かされていて。杉田は相変わらず「持ちつ持たれつ」作戦で、寅子を懐柔しようしますが…。

森口(俵木藤汰さん)と原(星野亘さん)が山林の境界線を巡って対立。調停が進まないため、現地調停に向かいますが、森口と高瀬が口論となり、巻き込まれた寅子が川へドボン。森口が高瀬を訴えると言っていると、この機を利用して、杉田は調停を有利に進めるよう、寅子に無言の圧力。

高瀬が口論の理由を語らなかった水曜日。よそ者の支部長には「波風立てず」任期を終えて欲しい、というのが現地採用者たちの総意の模様。大河ドラマ『光る君へ』越前(福井)編にも似て。

優未が再びテストの点数を改竄しようとしているのを発見した寅子。しかし、原因が緊張による腹痛とわかると、亡夫・優三(仲野太賀さん)を思い出し。しかし、娘にどんな風に優三のことを語ればいいかわからず、布団の中で涙する寅子。

翌日、再び来訪した航一に、昨夜泣いたのかと問われた寅子。そこに割って入ってきたのが、杉田次郎。弁当差し入れで航一を懐柔しようとして失敗。杉田の言葉から、高瀬の激高の原因が、戦死した兄のことを言われたせいと判明。航一「お兄さんの死を受け入れられていなかった」と。鋭い。

高瀬に対する航一の言葉が、「自分の話をされているようでした」と寅子が語った木曜日。娘との間に溝が出来て、亡父の話もできていないことを素直に語る寅子に対し、「諦めが悪い」と誉め言葉の航一。距離がグッと縮まった感。

山林を巡る調停は、杉田太郎が裏で動いて解決。杉田は、高瀬の件も「持ちつ持たれつ」で訴訟にはならないというのですが、寅子はきちんと処分すると宣言。「頭の固い支部長」と捨て台詞を残した杉田。さすがに目の前で舌打ちはしませんでした。

寅子の処分理由に高瀬が納得した金曜日。寅子は自分が異動した後も見据えて、杉田兄弟のような人物に「貸し」を作って、高瀬の未来が縛られないようにという配慮でした。高瀬からもらったキャラメルきっかけで、優未に優三の話が出来、少しだけ距離が縮まり。

新潟地裁本庁で、週一回刑事事件を担当することになった寅子。航一と共に昼食を食べに行くことになり、案内された喫茶店は「Lighthouse」で、そこで働いていたのは寅子の女子部同期だった涼子(桜井ユキさん)。よね(土居志央梨さん)が働いていたカフェ「灯台」と同じ意味ですね。

「向き合う」がテーマだった気がする今週。寅子が自分と「向き合う」、杉田兄弟に代表される田舎の流儀に「向き合う」、部下に娘に「向き合う」、過去に「向き合う」、死者に「向き合う」…。

大人になれば「流す」ことも覚えなければやっていけないという側面はありますが、「向き合う」ことの大変さから逃げて、「流す」ことに「流されがち」なのが人間ですから、時に「向き合う」という姿勢は大切ですね。


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