壁ドン不要!昭和の純愛…今週の『カムカムエヴリバディ』

3人のヒロイン(上白石萌音さん・深津絵里さん・川栄李奈さん)が織りなす、ラジオ英語講座と共に歩んだ家族100年の物語、朝ドラ『カムカムエヴリバディ』の第2週「1939-1941」。

初代ヒロイン・安子(上白石さん)と青年・稔(松村北斗さん)の文通のやり取りだけでほぼ描いた構成が秀逸だった月曜日。「会えない時間が 愛 育てるのさ(郷ひろみ『よろしく哀愁』)」を地でいくようでキュンキュン(死語)。煙草の銘柄名が変わるなど、戦争の足音も。

安子と稔の文通が始まって1年が経過した、1940年が描かれた火曜日。砂糖が配給制になるなど、総力戦に向けての準備が始まる中、安子の兄・算太(濱田岳さん)が帰郷。しかし、借金取りに追われている身で、父・金太(甲本雅裕さん)は激怒。算太は勘当に。

ちなみに、借金取り「こわもての田中」役の徳井優さんは朝ドラの常連。本作の脚本家・藤本有紀さんの、前回の朝ドラ『ちりとてちん』にも、「あわれの田中」という借金取り役で登場。対照的な人物ながら、同じ苗字の借金取りという趣向でした。

安子に見合い話が持ち上がった水曜日。稔への想いから、大阪に向かった安子は、嘘の理由で稔宅を訪問。束の間の幸せな時間を過ごし帰郷の途へ。主題歌「アルデバラン」が流れる中、岡山に到着した列車の中で安子が涙を流していると…まさかの稔!これは意表をつかれた「神回」。

事情を聴いた稔が、安子と共に橘家を訪れた木曜日。ストレートに想いを話す稔に、安子の父・金太(甲本雅裕さん)もその人柄は評価したものの、「安子は出せん」と。帰宅する稔に安子は「あなたと日向の道を歩いてゆきたい」という予告編のセリフがここで。

翌日、すぐに大阪に帰らなければ行けなかった稔が勇(村上虹郎さん)とキャッチボールしていると、勇から「わし、安子のことが好きなんじゃ」の爆弾発言(宣戦布告!?)で終了。『あさイチ』で華丸大輝の二人が「タッチ」受けしてくれました。

「ケチ兵衛(堀部圭亮さん)」のしっかり者の息子・吉右衛門(中川聖一朗→石坂大志)が少し成長した金曜日。吉兵衛の安子への小言を、ことごとくフォロー。

甲子園が中止になり、意気消沈していた勇。偶然、神社で会った安子に急にハグするも、拒絶されてしまい。そういうとこだぞ、勇。最後はラジオから流れる真珠湾攻撃の報。英語講座も中止となり、復活するのは、戦後を待たなければなりませんね。

上白石さんというと、東宝芸能の黄金世代(あとは妹の上白石萌歌さん&浜辺美波さん)のトップバッターとして、早くから数多くのチャンスを与えられてきましたが、大ブレイクしたのはやはり『恋はつづくよどこまでも』。

佐藤健さんの完璧なツンデレ・顎クイ・壁ドンも素晴らしかったですが、本作を見ていると、そんなテクニック的なものがなくても成立した、昭和的(戦前から1970年代あたりまで)な純愛が羨ましくもあり。むろん、皆がそうであったという意味ではなく、そうした幻想を信じられたという意味で。

余談:昨日の『土曜スタジオパーク』のゲストは、松村北斗さんでした。見逃した方は「NHKプラス」でどうぞ。NHKお得意の、デビュー直後のお宝映像もありました。


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