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友達の話2(ちょっと良い話)

この春に1年の別れを告げた友達について書きたくなった。そいつは坊主であった。

 彼とは俺が2年に一度引っ越しする大学生活を送る中で、2回めの引越し(出戻り)直後(5年目)に初めて出会った。

 俺はその春、性懲りも無く大学5年目にしてサークルの新歓に行ってしまった。
なぜかって?音楽が大好きだったからだ。軽音サークルなんて2年生の時に先輩とウマが合わず1度辞めているじゃないか!!そんな俺が何故もう一度入る程に熱意が高まったのか。それはまた別のお話。

新歓行事ってのは何個かあるもんで、そいつと出会ったきっかけは
花のほぼない花見。その次は新歓ライブだった。

弊大学には何個か軽音サークルがある。

俺はそのサークルをその引っ越し前に最も大好きだった先輩から聞いて知った。
自由に音楽やるならここが良いよって。

新歓にて、皆が求めているのは目をキラキラさせた大学1年生だ。こんな修士1年ではないだろう。この身分になってから新しいサークルへと足を運んで本当に大丈夫だろうか??楽しく過ごせるか??

いや、
音楽やりたいんだから人間関係なんて二の次としても良いだろう。そんな想いを胸に取り敢えず新歓行事の花見へ向かった。

花見開始。
まず初めに俺はその先輩と同期の方と知り合い、会話に花が咲いた。
俺の1度目の引っ越し以前、自分のいた場所とその先輩は似たような場所にいたらしい。めちゃめちゃ話し合わせてくれてました。合掌。
この方は誰よりも大人で、落ち着いた考えを持ちながら、それを顕在化させずにパリピなのだ。
良い。こーゆー人になってみたい。多分無理。

その中で斯く言う坊主がいた。
「同い年なんか〜!よろしく!」と俺が声をかける
「ん、よろしく。」といった程度だった。

俺の内心は同期が見つかって心が破茶滅茶明るくなった。

そのあと数日して、新歓ライブに行った。
彼は新入生に向けてさくらんぼを演奏していた。
当然
サビで歌わない。楽器を弾かない。
といった芸も噛ませて。それなのにパフォーマンスとして成立したのはあのバンドメンバーの技量故だろう。

そうして、なんとなく一緒にタバコ吸う、位から関係性がスタートした。

「なんかやりたいバンドある?」と声をかけてくれたのが転機だった。
このサークルにてよくコピーされているバンドは ワンオク,バンプ, クリープ,アジカン,髭男,緑黄色社会,ヨルシカ。
所謂"邦ロック"、"J-POP"と呼ばれるものがメインストリーム。
自分の好きなものはfunkだったりAcid Jazzだったりソウルだったり。そこにハウスの要素が少し入ったような音楽も大好きだ。

そんなサークルのメインストリームとは大きく乖離した好みの自分は
「ん~~そうだなぁ。Funkやりたい。」と正直に答えた。
彼なら緩く受け止めてくれそうだったからだ。

「いいね。やろう。」始まった!!
メンツ集めが大事だ。Dr.Ba.を探さねばならない。

なんとなくやってくれるかなぁ??という気持ちと、こいつなら任せられそう!(歳上の圧力も込みで)という気持ちでDr.に声を掛けた。上手いからねこの子。
「直近は厳しいです。が、秋くらいならアリです。」と言った答えだった。第一関門突破㊗️

実はこのとき、もう1人後輩で絶対一緒にやりたいと感じてた変態な音楽好きが居た。こいつについては後輩の話。として絶対に書きたい。書かせてくれ。俺はそいつが大好きだ。
ただ彼のパートはGt.なのだ。被る。リード2本なんてバンドあまり聞いたことがない。BOWDIES位か?ogreも両方リードと言いたい位ギター動いてるけども。どちらも好きなので音楽の話はまた別の機会に。

そいつと「絶対組もうね」なんて話をしてて、流れで件のfunkバンドの話になった。もうそのパートの埋まった組みたいバンドの話なんてすんな!!バカが!!て今となっては思ってます。
話の中で「自分実はベースできますよ。」彼はそう言ってくれた。
「?!?!?!マジ?!Maji?!」

バンド組めちゃった。

最高だ。ずっっと好きだったfunkがやれる。 Japanese Funkといえば皆さんは何を思い浮かべるだろうか??BRADIO?BRADIOよね?BRADIOか。SCOOBIE DOって声も在日ファンクって声も、ウルフルズって声も大歓迎です!異論は認めます!ビバ異論。

そうしてこのバンドはスタートした。まずはみんなの心の中のfunkを出し合いたい。俺はBRADIOがやりたくてしょうがなかったので、BRADIOの曲を多めに出した。SCOOBIE DOもやりたかったので勿論そこもカバーした。どこいったっけなあの時の曲目。いつか見つけたら追記します。

そうして2曲はすぐ決まった。
Golden Liar
Overnight Super
どちらも BRADIO語るなら外せない2曲。
ん?Flyers?スパイシーマドンナ?うるせぇ!このバンドにキーボードもブラスも存在しない!!

「あと1曲どうしようかね。」
「どの曲も接続難しいよね〜」
「この2曲の世界観引き継ぐならダンスミュージックがいいんじゃないかな??」
「それもいいんだけど。俺どうしてもやりたい曲あるんだよね。」そう言って坊主は携帯を取り出した。

Red Hot Chilli Peppersでgive it away〜

OKAMOTO'SのKIRIN BEER "Good luck" LIVEかて〜笑
正直、最初はこれの中にあるFunkに気付けなかった自分がいた。だがしかし、聴けば聴くほど良い。身体が躍る。心が躍る。みんなの中にある"雄"が出てきてしまう。最高。

そんなこんなで3曲出揃った。
さてあとは練習するのみ!!1,2日毎に集まってスタジオに入る。そして練習後グダグダするのがなんだかんだ楽しみだ。

グダグダでカフェに入って、コーヒーをしばく。良い。プルプル震え続けるおじいちゃんが深夜までやってるカフェ。風情。
あーでもないこーでもないって話してた中で、
バンド名決めなきゃね。なんて話をした。
大事な話なのに、全く決める気もなくオンドゥル語の話で盛り上がった。
深夜のオンドゥル語モノマネ大会。

「バンド名、ケッチャコ……は??」
そうするか〜といったなんとなくでバンド名を決めた。プレイは本気で。熱量高く。だけど名前はスーパーしょうもない。

そんなバンドだった。1st LIVEはこの3曲で全力かました。さいこーーーー

2nd LIVEが楽しみでしゃーない。次はキーボードも入れてしっかり再現してこう。
キーボードにはめちゃめちゃFunkの似合うソウルフルな女の子を誘った。「よっしゃーー!!!」ジッピーホールの階段に響き渡ったその子の叫び声はまだ鮮明に耳に残っている。
広瀬康一だったら絶対階段にこの音は張り付いていただろう。"ボヨヨン岬"みたいに。"よっしゃー階段"か。

2nd LIVEにて、ケッチャコ……は解散した。
解散公演と呼ぶにはピッタリな解散だったと思う。不謹慎なMCができたのが満点だ。近親相姦の話題をMCでしたのは多分、弊大学にて初なんじゃないかな。

坊主の話してんのに全く坊主出てきてねーじゃん!!

彼はは俺より1年早く卒業する。俺は最後に彼と何かやりたかった。「全力バンドやらない??」
「ただお前の全力を引き出す為だけのバンド。」
と彼に声を掛けた。「いいね。やろう。」

楽しみでしょうがない。楽しみでしゃーない。
どんなことができちゃうんだろうか!!
Ba.は50'sさんだな。Dr.は弊サークルの誇る絶対音感ドラマー。最強の布陣で臨めるじゃないか。

「全力なんで。」を合言葉に楽器のできない俺もハーモニカとギターを手にした。

"やりたい"曲を選んだから練習から形にするのは大変だったと思う。バンドサウンドじゃないからなんか地味かもってのもあった。曲目は

Bruno MarsとOKAMOTO'S

最高の選曲で臨んだ全力のライブだったな〜〜
最後の大キメ ズレたけどね笑

ここまで読んだなら折角だから聴いてってくれ!
きっとかっこいい!!損はさせん!

話は変わるが、俺はめちゃめちゃ涙もろい。
すぐ泣く。爆泣き。滝。

卒業ライブは3daysあったがずっと泣いていた気がする。
みんなキラキラしてるんだもん。ズルいよ。

全力バンドの日の打ち上げの中で、坊主と2人きりになる瞬間があった。

「本当にありがとうなぁあああああいつも組んでくれて。最高に楽しかったよお前とやったバンド!!お前とみた景色は忘れらんない、このサークル入って良かったってお前のおかげで思えたよ」なんてくさいことを言った。心の内がダダ漏れのまま、この状態の心を、真っ直ぐに、思いをを伝えたかったのだ。

「こちらこそだよ。俺はね、なんでお前と組み続けてたかって。お前みたいなの待ってたんだよ。お前みたいなボーカリストを待ってたんだ。最高だった。ありがとう。」

死ぬほど泣くよこんなん。膝から崩れ落ちた。80kgのでっかい物体が膝から崩れる。震度1くらいあったんじゃないかな。グチャグチャ。

センスがめちゃめちゃ良くて、オシャレで、
かっこいいギタープレイをし、1番不謹慎な笑いを取る坊主。最高だ。

そんな勿体無いを俺に掛けてくれたときから、俺は心に誓っている。
「いちばんカッコいいフロントマンになりたい。なる。ならなければならない。」

俺がこのサークルで1年過ごせたのは、彼によるものがとても大きい(くそでかボイス)

今年の冬から彼の遺した置き土産バンド、オホーツクババア。始動します。

ここまで読んでもらってなんだが、
この話には全く生産性がない。
ただの友達自慢である。

こんな友達自慢に付き合ってくれてありがとうございます。
大学生活、どこに良い出会いが転がってるかなんて皆目見当もつかないもんです。日々を大事に生きることで少しでもその出会いを無駄にしないで済むかもね。
これだけ泣き崩れ、
今生の別れかと思った翌週、坊主に就活ついでに会いに行ったことは恥ずかしくて言えない。
「お前。すぐ泣くもんな」

P.S.これは澄川のESOLAの行者ニンニクラムバーグラムひき肉。澄川と言いつつ自衛隊前駅から歩いて20分くらいかかる。蘇生スープが最高です。本当に蘇生しちゃいます。是非。

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