ゆめみのデザインエンジニアを定義した話
株式会社ゆめみでフロントエンドエンジニアをやっています、ほっぺです。
2022年2月に、ゆめみに「デザインエンジニア」というキャリアが誕生しました。
このキャリア定義について、私が発起人として関わっていたので、どんな風に進めて行ったのかをご紹介します。
私のこれまでのキャリア
本題に入る前に、私がどんな人かというのをざっくりと自己紹介します。
私は2009年4月に、新卒でゆめみに入社しました。
大学時代は情報工学とデザインという珍しい組み合わせの分野で、プログラミングやデザイン、人間工学、音など、幅広く学んでいました。
卒業研究では、Wii MusicみたいなシステムをJavaで作りました。
就職しようと思った時に、エンジニアなのかデザイナなのか企画なのか、どの職種で応募するか悩みました。
何かに特化しているわけでもなかったですが、これまで学んだことから「わかりよいものを作れる人」になりたいと思い、エンジニアとデザインどちらも伸ばしていける環境を探しました。
しかし、どちらも業務範囲としてできるような募集は見つけられず、結局、エンジニア職で探しつつ、「デザイン理解のあるエンジニア」を自身のアピールポイントとして、就活を行いました。
それから13年、なんやかんやあって、Wantedlyに書いてあるような経歴になったのですが、エンジニア・ディレクター・PMと役割を変えながらでも、「わかりよいものをつくる・デザイン理解のある人」という点はずっと自分の中の行動指針として残っているかなと思っています。
なぜデザインエンジニアを定義しようと思ったか
2017年頃に「フロントエンドエンジニア」という役割が定義され、自分のやりたいことに一番近い役割と感じて、キャリアを重ねてきました。
キャリアを重ねる中で、「デザイナとのコミュニケーションできる・いざとなればデザイン作業の補助ができる」という部分が、自分にとって一番バリューが出せそうかなと考え始めました。
その後2019年頃に、代表のれいっちから「UXエンジニアっていう職種があって、こういった立ち位置をしているのでは?」とフィードバックをいただき、社内に「UXエンジニア」という役割が誕生し、自身も「UXエンジニア」を名乗るようになりました。
しかしながら、ゆめみは職能でグループが分かれていて、かつプロジェクトの進め方もグループごとにチームを組む形であり、なかなか開発とデザイン両方の行うというのが難しく、「名ばかりUXエンジニア」になっていました。
その後、2020年頃から社内で「UXエンジニアを目指している」という声をちらほらと観測し始めたのと、新卒採用に関わる中で、学生さんからも「フロントエンドの開発とデザインの両方をやっていきたい」というマインドを持った人が一定数、観測されるようになりました。
それと同時に「みんなが考えているUXエンジニアってなんだろう?」と思うようになりました。理由は「UX」の冠がついている事から、役割の名前から想像できる人物像は、想起する人によって微妙に異なりそうと思ったからです。
こうした背景から、2021年11月に、雑談会というざっくばらんな対談形式で「UXエンジニア検討会」を発足しました。
お気づきかもしれませんが、この時点では「デザインエンジニア」の「デ」の字も出てきておりません。
ただ、これがゆめみにおける「デザインエンジニア」定義の出発点になります。
どのようにして定義したか
検討会の初回は、10名近く参加をしてもらいました。
主に、「UXエンジニア」が一応定義されている中で、なぜこういった検討会を企画したかという事を私が話をしたのですが、想像以上に集まってもらえた事に驚いた記憶があります。
その後、その中から私含め、有志3名で詳細を詰めていく事にしました。
進め方としては
UXエンジニアの事例情報を海外含め集める
事例情報から役割を細分化する
ゆめみのUXエンジニアは何をするのかを検討する
関連する他職種との役割の棲み分けについて検討する
他職種の人からレビューを受ける
といった順序で、週に1度30分のミーティングで約4ヶ月かけて進めました。
情報収集はNotionを活用しつつ、最終的な役割検討や他職種との棲み分けについてはFigmaを使って情報を整理しました。
1つ進め方を工夫した点として、zoomの録画をしたり、途中からYoutube Live(URL限定公開)で社内向けに配信したりして、コアメンバー以外もラジオ的に聴けるようにしました。
そうする事で、「こんな事考えている人たちがいるんだ」という社内認知を獲得しました。
一通りまとまったタイミングで、他職種(サービスデザイナー・UIデザイナー)の方からのレビューをいただきました。
レビュー会では、デザイン領域について「UIデザイン」だけなのか、「サービスデザイン」を含むのか、他の「○○デザイン」を含むのかと、「UX」という冠によるイメージのズレであったり、スコープのブレが炙り出されました。
「UX」という言葉が定義を難しくする要因なので、「UIデザイン」と「エンジニアリング」、「サービスデザイン」と「エンジニアリング」で分けて考えられないかなと思っていたところ、「デザインエンジニア」を職種の名前として募集をかけている企業さんや、「私はデザインエンジニアです」と活動されている方をTwitterでお見かけするようになりました。
「デザインエンジニア」という名前は、「UXエンジニア」と比較すると「UIデザイン」を想起しやすく、かつ、社内で「UXエンジニア」を目指している人のイメージと合致しました。
そこで、検討メンバーに相談し、これまで検討した材料を元に、「UIデザイン+エンジニア」のマルチスタックの人材の事を「デザインエンジニア」として定義する形を取り、UXエンジニア検討会のアウトプットとする事になりました。
今後の展開
プロジェクトに「デザインエンジニア」がいる状態を作る事を、次の目標に掲げています。そのために継続した検討会を実施しています。
デザインエンジニアの定義はしましたが、まだそういったチームや、プロジェクトにそういった役割の人はいません。ただ、ポテンシャルを持っている人はいて、その人は「デザイナー」もしくは「フロントエンドエンジニア」として参画しています。
これは、先に述べた通り、ゆめみ内のグループが職種ごとにわかれており、体制構築の際も「デザイナー」もしくは「フロントエンドエンジニア」として声がかかるからです。
そんな現状を変えるために、プロジェクト計画の段階で「デザインエンジニア」がいると良いよね。といってもらえるための社内への啓蒙活動など、PMさんや営業さんなど、他職種への情報発信が、まずは重要になってくると思っています。
しばらくは、模索の日々が続きそうですが、形になった時に、またご紹介できればと思います。
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