夜の先に

この日最後のバス。
乗客は仕事に疲れたサラリーマン、遊びから帰る学生、
なにをしていたか老人、そして僕と同じく夜行バスに乗るべく
ターミナルへと向かう若者が点々と座っていた。
バスが信号で止まる度に小刻みに鳴るエンジン音と嫌な空気に包まれてしまう。そんな中で鳴る小銭に両替する乾いた音はどこかひっそりとした悲しみを帯びていた。

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