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指導教員マッチングアプリ

国費留学生という制度がある。文科省が、日本の将来のために有望な外国人を国費留学生として招き、日本で研究してもらい、国へ帰るor日本で就職する等して、将来の日本の国益とする。いい制度です。

ミサイル一発買う金があれば、何百人、何千人かの留学生を招くことができます。その中には将来のその国を背負って立つような重要な人物も混じっています。彼らが、日本とその国との関係をうまく調整してくれるのです。それで、日本の平和と安全が守られるなら、この制度はそのまま将来の安全保障、国防と言っても過言ではない。


さて、この制度。海外ではとにかく人気があります。奨学金をもらって日本に来ることができるので。日本は彼らにとっては憧れの国です。ありがとう。彼ら。そして、我々は、彼らの希望と夢に応えるべく、じゃぱんを魅力的な国にする努力をしなければなりません。


この制度、奨学金支給の内定が出ますと、学生たちは指導教員探しをします。これが難航する。なぜなら、多くの学生が、面識のない研究室の戸を叩くからです。


日本に留学したことがなければ、これは当然のことです。そして、学部を卒業したばかりの学生の場合、それほど専門的なことができていないとか、テーマが決まっていないということもままあって、「先生が受け入れてくれさえすれば、その先生がやっていることをやります」というスタンスの学生が多い。


一方、先生はというと、うちの門を叩くからには、うちの専門分野を希望しているはずであるからして、このようなあやふやな研究計画書ではうちでは受け入れることはできな~~い。と考えています。売れっ子の先生ともなると、ものすごい数の問い合わせが来て、選びたい放題なのでしょうね。


僕のところは、以前交換留学に来ていた学生が、順当に? うちに来たいと言ってくれたので、静かにその学生に内諾を出しました。ところが、上記のような事情で、たらい回しにされている学生が、毎年出るようです。


先生方の考え方は、それはそれで尊重されるべきかと思いますが、学生の希望というものも、叶えてあげられるならそうしてあげたいと思います。この制度、マッチングが成功しないと、留学できないことになっているのです。本当にそんなことがあるのかな。


そりゃ、うちで指導できることの範囲には限界がありまして、もうまったく異なる専門分野だった場合には受け入れることはできなくなりますが、少しでもかすっているなら、話くらいは聞いてあげたいと思っております。



うちの大学くらいのところは、変な話、「狙い目」かもしれません。優秀な先生はたくさんいるのだけれど、ブランドとしてそんなに有名でもない(?)。ぜひお越しやす。宣伝です。はい。


というわけで、今回ある学生の指導教員選びのお手伝いをしました。

なんとか決まったみたいでよかったよかった。頑張れ、若者。


マッチングアプリみたいなものがあったら、便利なのかな。


【今日のイラスト】

「縁」。ありがとうございます。

指導教員との出会いは、本当に「縁」みたいなところがあります。

下村脩さんが、『クラゲの光に魅せられて』という本の中で書いていることがとても好きで、よく学生に話すのですが、本当は指導してほしかった先生のところに挨拶に行ったら、その先生がいなくて別の先生が応対したと。そしたらその先生が「うち来る? ウミホタルやる?」みたいなことを言われてそっちへ行ったと。結果、ノーベル賞です。


そんなもんなんだろうなと思います。


【今日の一曲】

Eurythmics, here comes the rain again

小学生でした。小学生の堤少年は、最初のちゃかちゃかちゃかちゃか……にやられたのです。なんてかっこいいんだろうと。

今でも、全然そのかっこよさは衰えていないし、いまの音楽と並んでも遜色ない新しさだと思います。


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