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スタートラインに立つ前に

思い返すと、高校生の時に思い描いてた華の大学ライフとはかけ離れた大学生活だった。


はじめて触れるたくさんの医療英語。

夏休み・春休みなんて概念のない授業。

自分の伝えたいことをこれっぽっちも伝えられないもどかしい日々。

いくら勉強しても勉強不足だと現実を突きつけられる毎日。

それでも何とか食らいついてたくさんの時間を割いた授業や課題。

コロナ禍で一筋縄ではいかなかった3回生の授業と卒論の両立。


はたから見ると、ここまで自分を追い込む必要があるのかといいたくなるような3年間なのかもしれない。でも、『スポーツ医学が発達したアメリカでアスレティックトレーニングを学んで、一人でも多くのアスリートがスポーツを楽しめる環境を作る。』という目標があった。この目標を達成させるためには、こんな学生生活を送ることが当たり前だと思っていたし、逆に言えば、こんな風にしか過ごせなかった。

時には、やりたくてやっていたはずなのに、何を何のためにやっているのかわからなくなることもあった。それでも今までやってきたことが崩れ落ちるのが怖いし、他にやりたいこともなかった。だからただひたすらにこの道を進んできた。迷いや悩みの多い3年間だった。


でもある時、こんなことを言われた。

「自分ではわかんないかもしれないけど、友達と遊ぶ時間とか、趣味を楽しむ時間、ゆっくり寝る時間、たくさんのものを犠牲にしないとできないくらいくらいのことをやってたんだよ。誰だって口では頑張るっていうけど、それを実際にできる人って多くないんだよ。もうちょっと自信持っていいんじゃない?」

続けてきた理由が何であれ、続けたことに一つの価値を見出せるんだと気づかされた。自分がやってきたこと、もっと言えば自分自体を肯定してもらえた気がして嬉しかった。


そしてこの言葉に後押しされるように、私は目標を追いかけてこの夏から留学する。

必ずしも一つのことをやり続けることが美徳だとは思っていない。むしろ何か一つのことに囚われるような生き方はしたくない。でも、ひとまず自分が納得いくまでやってみようと思う。それでうまくいかなかったときはまた別の道を考えればいいだけだから。


この大学3年間は、私の目標を達成させるスタートラインに立つための準備期間にしか過ぎない。これからが本番だ。私なら大丈夫。


新たなスタートを迎える私へ、労いと激励の意を込めて。

スタートラインに立つ前に。


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