仕事における「スルーする力」

多くの人の仕事の不満の要因に、上司からの「無価値な仕事」の指示がある。まじめな人ほどこれに従順に対応しようとしたり、逆に正面から反発したりするが、良い方向に進まず残業とストレスが増すことになる。

私ががどうやって解決してきたのかと改めて考えてみると、「スルーする力」の強化である。これは「無価値な仕事だな」と感じたらとりあえずスルーする。
「無価値な仕事」を次々に思いつく上司は忘れるのも早いのでこれで7 割くらいは終わりになる。

少し時が経って、2度目に言われたときにはこれは本気だなと思うのだが、それでも納得できない仕事についてはまだ引き受けない。
2度目の時点では「無価値な仕事」という評価を改めて「私が担当しても失敗する仕事(私が理解できない仕事)」に分類する。そして、その仕事を成功させそうな誰かを紹介する。「スルーパス」である。

これでだいたい皆ハッピーになる。私はスルーすることで自分のパフォーマンスを落とさずに済み、紹介した誰かのパフォーマンスは上がり、結果として組織のパフォーマンスも上がるのだ。

こうした立ち回りは「ずるい」と思われるかもしれないが、これは自分のためでもあるが、組織のためでもあり、ほかのメンバーのためでもある。
頼まれたからといって価値のない仕事に時間を割くことは組織のためにならないし、私はスーパーマンではないのですべての仕事で高いパフォーマンスを上げることはできない。ほかに適任者がいることも多いのだ。

長期にわたって組織に貢献しようと思ったら自分を最良の状態に保つ努力は重要だ。そのために重要な能力の一つが「スルーする力」だと思っている。


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