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親への手紙

年度末の3月に書いたエッセーです。
いよいよ明後日、私にとって初めて担任する生徒たちの卒業式です。

うちの学校では卒業式の日に卒業生から親への手紙を渡します。
私のクラスは特別支援学級で、なかなか文章が書けない生徒がいます。
その子には、
「お母さんが〇〇くんのためにしてくれたことって何かある?」などと会話をしながらその子の想いを引き出し、話してくれた内容を私がメモします。
そして十分に引き出せたら、メモを元に一緒に文章にまとめていくという支援をしています。

放課後、残って2人で手紙を書いていた時のことです。
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👩‍🏫「自分が成長したなーって思うことってどんなところ?」
👦「漢検五級取れたことかな。入学した時は読みも書きも出来なかったけど、ここまで成長できた!」
👩‍🏫「漢検の勉強するのに、何かしてもらったことある?」
👦「まず、お金出してもらえたから検定受けることができたから感謝してますね。ワークも買ってもらったし。」

👩‍🏫「他に感謝してることはある?」
👦「書類書くのとか大変そうだったけど、俺のためにやってくれたことすかね。受験できたのもそのおかげです。」

私は思わず言ってしまいました。
👩‍🏫「お前凄いな!!!!!!」
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お恥ずかしながら、私が中学生の時、親がしてくれていることに対して「当たり前」だと思っていました。
お金を払ってもらうのも、書類を書いてもらうのも、部活の送り迎えをしてもらうのも。やってもらって当たり前。

今ならわかります。
仕事終わって帰ってから、子どもが学校でもらってきたプリントに目を通すことの大変さ。ワーク一冊も修学旅行の旅行代も決して安くないこと。

しかし、この生徒と話していて、自分が中学生の時に、そのことを親に感謝していなかったことに気付かされました。

👩‍🏫「そこに気付けて、感謝できる〇〇くんは本当に凄いと思う。感動した。この機会に、私も自分の親に手紙書いてみるわ!」
私は子どもにそう宣言していました。

初めて担任を持ってみて気付いた保護者の大変さや、これまでの感謝を、この機会に自分の両親へ伝えてみようと思います。

👩‍🏫「この歳になって手紙を書くのは恥ずかしさもあるね」
と言ったら、
👦「俺だって恥ずかしいですよ!!」
と言われたので、一緒に照れくさい3/17を迎えたいと思います。