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<2024年版>ドイツ・ベルリンでフリーランスビザ更新、3年延長してもらえるまで(後編)

通称フリーランスビザ、またはアーティストビザ、正確には「フリーランサーまたは個人事業主として働けるタイプの滞在許可(Aufenthaltstitel/Aufenthaltserlaubnis)」。
ややこしいから、ここでは「フリーランスビザ」でやってくことにします。そのフリーランスビザを先日無事、3年分延長してもらえた……!あぁ、とにかく不安で憂鬱だった道のり、サポートしてくれた友達や知り合い、パートナーには感謝しきれない!!

ので、これからベルリンで私と同じくフリーランスビザ更新/延長に挑むみんなにこの感謝の気持ちをパス♡ できたらいいなっていうので、私の初めてのビザ更新準備〜面接当日の様子をまとめます。少しでも役に立ててもらえたら嬉しい!

後編では、予約時に外国人局から送られてきた実際の持参物リストの順に、準備したものの内容と実際の面接官の反応・結果についてまとめます。

前編はこちら:

あくまで個人の体験ですので、その辺りはご了承ください。質問などあれば、気軽にコメントお待ちしています!


身分証明関連

1. Ihren Pass

パスポート、お忘れなくぅ。

2. Aufenthaltstitel

滞在許可証、要は初回ビザ申請後に届くチップ入りのビザカード。

契約書ゼロ?なら、インテントレター

3. Absichtserklärungen/ Honorarverträge, mindestens zwei

インテントレターまたは契約書、最低2通、とのことで。
フリーランスの編集ライターの私の取引は基本見積書/請求書ベースなので、手持ちの契約書はゼロ!ならばできることはひとつ。良質なインテントレターをなるべくたくさんゲットするしかない。

結果から言うと、インテントレター3通のみを持参してすぅっとクリア。2通は個人事業主の方、1通はドイツ企業からのもので、形式はどれもドイツのお手紙の書き方に則って直筆のサイン入り。企業からのものは、ありがたいことに会社オリジナルのロゴ入りデザインペーパー、会社印付きで立派な見た目だったので、これ見よがしにファイルの一番上に入れておいた。案の定、面接官の人それをフンフン、と頷きながら熟読。心の中でガッツポーズ。

お願いする際、「インテンドレターってどんな風にすればいいの」となること多いので、なるべく手を煩わせることのないよう、恐縮ながらも自分でGoogle Docに雛形を作成。ネイティブスピーカーにドイツ語チェックしてもらった状態でお渡しして、自由に編集してサインしてもらった。「1日/1時間あたり〇〇ユーロを支払う予定です」という一文を入れてもらうのをお忘れなく!

何人かにお願いして、みんなできる範囲でサポートしてくれてすごく温かい気持ちになった。改めて、みんなの助け合い精神にグッとくる。

余談:東京と比べて、私ごときがここベルリンでお金で解決できちゃうことってめっちゃ少ない。日本はなんでも安価で解決できるサービスが充実してるけど、ベルリンにはそんな気の利いたサービスは全然ないし、あってもくそ高い。安いものを探そうにも、ネット上には情報が揃ってない。良い情報は、結局人伝で入ってくる。家探しなんかもまさにそうだよね。助け合わないと、生きていくのが何倍も大変。でもだからこそ、みんな助け合うことを厭わない。やれることはめちゃくちゃ快く「やるよ!」とやってくれるし、無理な時はちゃんと断ってくれる。しおらしさは日本人の美徳かもしれないけど、ベルリンで生きていくためには積極さの方が大切。「助けて〜」と求める声は大きくクリアに発声した方が助けてもらえるし、逆に、たとえ結果的に助けにはなれなかったとしても、助けようとした行為が迷惑に捉えられることなんてない。良いことも、悪いことも周りまわって自分に返ってくるんだなぁ。あこ。

協力してくれたみんなありがとう〜(涙)

税金申告まだなら、払う姿勢を見せるしかない

4. vom Steuerberater, Wirtschaftsprüfer oder Steuerbevollmächtigten ausgefüllter Prüfungsbericht oder Gewinnermittlung 2023/ 24

tax consultant、auditor、またはtax agentによる、2023/24年分のaudit reportまたは profit determinationとのこと。
日本語に訳すの難しいし、ネット検索するなら英語の方が出てきます。
2年あったけど、まだSteuernummer(個人税金番号)を取得できていなかった……。とにかくズボラでごめんなさい!当然税金申告もまだでした!なのでこの辺りは私の場合、どれも時間足らず準備不可能。

余談:というのも、Steuernummerをゲットするにあたって俗に言う開業手続きが必要なわけですが、当然住所が必要。その住所登録をするのにはBürgeramtの予約が必要だけど、これがまた困難じゃないですか。どっかとのコラボで激レアのスニーカーを発売と同時にオンラインで購入するのと同じくらいむずい。で、やっと住所登録できたと思うと、突きつけられる退去申告。2年で6回引っ越したよん。で、4月にまた急遽退去申告を受け、ドタバタと引っ越したばかりで最新の住所登録はまだ。なのでFinanzamtからの手紙も受け取れない!そう、ドがつくアナログ社会のドイツでは、何もかも手紙でないと受け取れないんだっ!

ええと……それでどう見逃してもらったかというと、Finanzamtにとりあえず未登録の住所で「Steuernummerください」と申請し、「あなたの住所、登録されてるものと違うからSteuernummerあげられないよ」と返答されたお手紙を持っていきました。面接官には、「じゃあこれからBürgeramtの予約を取るところなのね?」とだけ質問されたので「ハイ、そうです(恐縮)」と回答。

余談:Finanzamtに申請してお手紙をもらえるまでのサイドストーリー。
私は、Sorted経由でSteuernummerを申請。この時点で申請中のステータスを証明できる書類はゼロ。数日後、非通知から電話がかかってきて、出たらFinanzamt。ドイツ語でなにやら長文を言われ、英語で返事したら「ドイツ語喋れないって言ってるじゃない!」と怒られた。ドイツ語喋れる人見つけてかけ直してきなさいと。ちなみに税務署の営業時間、火水(8〜14時)、木(12〜18時)のみ。ハードル高ぁ。
しかしそんなこんなで時間食ってたら、税務署さんからお手紙ついた。そしてそれを面接時に持って行った。このお手紙なかったら、ちょっと困ってたかもしれない(笑)。

そして、並行して税理士も探したけどこれまた予約が取れなかったし料金高そうだったので、友達に教えてもらったSortedを利用。これが、とっても優秀!Steuernummer抜きでできるところまで税金申告を進めると、Profit and loss statement(Anlage EÜR)と、VAT return(Umsatzsteuererklärung)のプレビュー画面を印刷できる(無料バージョンではできないので要課金。私はKleinunternehmer申請なので98ユーロ)!私は2023年度分のそれを念の為持参。これに関してはほぼ見られなかったけど、とにかく「ちゃんとやる気ある!」「今ココ!」を見せることに徹した。

ちなみに、フリーランサーはAudit report(Prüfungsbericht)は必要ないとのこと。
・Tax assessments(Steuerbescheid)=VAT return(Umsatzsteuererklärung)
・Profit determination(Gewinnermittlung)=Profit and loss statement(Anlage EÜR)で対応可能なのかも?
そうであればSortedのみでもいけるはず。だけど私の友達はみんな結構税理士にお願いして作成してたから、2025年からは私もそうする!おすすめの税理士さんがいらっしゃったら教えてください!

教訓:私の場合、初回ビザが2年のみだったから多めに見てもらえたのかもしれないし、次回以降のビザ更新ではちゃんと突っ込まれるんだろうなと思います(涙)。

税金いくら払ってる?ちゃんと払える?

5. Bescheinigung in Steuersachen sowie den letzten Steuerbescheidoder Nachweis über Ersparnisse

Certificate in tax mattersと直近のtax assessment notice、または預金を証明できるもの、とあるけど、前述の通り税金申告まだなので、ここもまた私の場合は預金証明のみで勝負!

みずほ銀行(日本のメインバンク)とN26(ベルリンでのメインバンク)とWiseにある円とユーロの預金情報、加えてここ2年間のインカムフロー(N26上のトランザクション2年半分)、隅から隅まで印刷して持っていったら、面接官の人めちゃくちゃ見てた。貯金ちょっとだけどあったからいろいろ多めに見てもらえたのかな……。

余談:これは常日頃から思ってることだけど、本当にN26もWiseもよくできていて……愛!みずほ銀行をはじめとする日本大手のバンクのおじさんおばさんみなさん、使ったことありますか?ガラケーとスマホ並みの違いがあります。20年時が止まってますよ。

ちなみにN26は無料でオンラインで開設・即日使用開始できる(ここぞとばかりにちゃっかり招待コード貼るけど、回し者とかじゃない)。無料プランでも充分だけど、一個上のプランのYouは、旅行たくさんするならすごーく便利。旅行保険1回分で元取れるし、コンペンセーション充実してるから、例えばフライトがディレイするたびにちょっと違ったワクワクを楽しめる(暇な人に限る)ようになるよ。まぁ、みんなもう知ってるか……(笑)。もう一度言うけど、回し者ではない!

Wiseはこちらもみなさん既にご存知かとは思うが、日本ドイツ間で超定期的に送金する私は、これなしでは生きていけない。最近知ったんだけど、円安が世知辛い昨今、Auto conversionという便利機能があるのは知ってる??それまで私は毎日ちまちま円ユーロの動向をチェックして、レートが良くなった瞬間に手動で送金!してたんだけど、その手間が省ける素晴らしい機能を友達が教えてくれた。TOPページ下部にあるんだけど、見つけにくいんだなぁ!

ドイツ健康保険、Gesetzlich oder privat?

6. Krankenversicherungsnachweis und Nachweis über die Höhe des zu zahlenden Beitrages

健康保険と支払額を証明できるもの、とのこと。
税金と並び、いや……正直保険のが大変だった。私は、新規ビザ申請時にエキスパット向けの低価格プライベート保険、Care conceptのCare expatに2年加入→これで初回のビザを申請。面接時に「保険3年加入してたらビザ3年あげたのに〜」と言われ、嬉しさ半減ながらも2年ゲット。

で、ビザを更新するにあたっては”もっとちゃんとした”保険に加入していることが条件。「もっとちゃんとした保険とは??」ってとこからみんなに聞き回り、教えてもらった保険会社に片っ端から当たった。んだけど!なにやらパブリック保険は初回のビザ取得時に申し込んでいないと、基本的にはもう企業に雇用されたりしない限り入れない?ええ〜?
で、プライベート保険は年収が一定額超えないと入れない?ええ〜?

加えて私は凡ミスでなんと、1年以上健康保険に加入できていなかったことになっていて、1年以上保険加入してない人は大病を抱えている可能性があるから、安いプライベート保険会社にも断られた(死)。まさに、八方塞がり。日本の国民健康保険が恋しい。

保険の種類は大きく分けて公的医療保険(gesetzliche Krankenversicherung=GKV、以下公的保険)と民間医療保険(private Krankenviersischerung=PKV、以下プライベート保険)の2つがあり、職業や収入によって選択できる保険が異なります。正確に言うと、ドイツ居住者はもれなく公的保険への加入義務を負いますが、一定の条件を満たす人は加入義務が解かれてプライベート保険も選択できるようになる、という仕組みになっています。

https://blog.nipponip.de/german-health-insurance/

だったんだけど、藁にもすがる思いで一度既に断られたFeatherという保険ブローカーのオンラインチャット相談窓口に無理くり問い合わせ、AIではなく生身の保険のプロと1対1で10分間話せる機会をゲット。そうしたら彼がめちゃくちゃ救世主で、「オオ、コンプリケイテッドなケースだね……」と言いながらも優しく丁寧に私の道を照らしてくれた……。
英語のみだけど、訳アリで瀕死の方はぜひ。彼らは正真正銘のプロです。ビザ取りたい/更新したいエキスパットの取扱実績数もトップで、慣れてる感半端なかった。

結論、私は一旦Featherのエキスパット向けプライベート保険に入れてもらい、それからKSK(Künstlersozialkasse)に“雇われている”として申請することでパブリック保険のBarmerに加入できました。なんだこの裏ワザ!KSKには現在申請中。もちろん、雇われてはいない。全然この仕組み未だにあんましよく理解してない。けどしてなくても入れた!違法なことはしていない!Feather万歳!

で面接には、KSK申請受付メールとBarmerからのウェルカムメールのプリントアウト、保険のスタート予定時期が記載されたオフィシャル書面を持参。ノープロブレムっ。

ちゃんとお家に住んでる?家賃も払ってる?今後も払える?

7. Original des Mietvertrages mit Angabe der Wohnungsgröße in qm und aktueller Nachweis über monatliche Kosten der Miete bzw. des Wohneigentums

アパートメントの広さがSqで記載された賃貸同意書の元本と、現在の月々の家賃または家の所有の支払いを証明できるもの、とのことなので、住所登録証(Anmeldung einer Wohnung)と、契約書(Wohnungs Mietvertrag)があればまず問題ないでしょうと思います。スクエアミーターで、ということはこういう契約書があればいいよね?

私は前の家の住所登録書と契約書、これからBürgeramtに持っていく書類2通(Wohnungsgeberbestätigung、Anmeldung)を持参。新しい家の契約書は用意してなかったけど特に突っ込まれることなく、今後の家賃だけいくらか聞かれた。面接官はなにやらその数字を打ち込んでいた。

支払い証明については、N26で毎月大家に振り込んでたので、N26上から4ヶ月分のTransfer comformationをダウンロード→印刷。N26にしろWiseにしろ、ちゃんと正式っぽく見える証明書が事細かにダウンロードできるのほんと助かる。だーいすき。みずほなんてなーんにもできない。フルページでスクショしないと氏名とか日時が入らないし、見づらくて怪しいし。うんち。

お写真

8. Ein aktuelles biometrisches Passbild (35mm x 45mm, Frontalaufnahme mit neutralem Gesichtsausdruck und geschlossenem Mund gerade in die Kamera blickend, heller Hintergrund)

現在の顔の証明写真。35mm x 45mm、口を閉じカメラ目線でニュートラルな表情、明るい色の背景。
写真は最悪外国人局でも撮れる(みなさんご存知かと思いますが)よん!初回申請時は丁寧にカットしていったら、「ちっちゃすぎる」とNGを出されたので、もうカットなんてしていかない!シートごと持って行って、面接官に切ってもらいました。

お費用

9. Gebühr 93,00 EUR

費用93ユーロ。可能であれば、キャッシュで持っていくと間違いない。
クレジットカードもいけるらしいんだけど、私はクレジット使える支払いマシンを20分歩き回っても見つけられず、結局一旦外出てATM行って戻ってきてキャッシュで払った。

面接終了時に面接官がわざわざ「キャッシュ?クレジット?」と聞いてくれて、クレジット用のマシンの場所を教えてくれたのに、ビザもらえて興奮してた私は5秒で忘れた。でも、その後通りすがりの職員3人に聞いたけど、みんな首を横に振るので、もはや本当にクレジットカード使えるマシンが存在してたのか怪しい(疑いの目)。

ビザもらえたし、これで心置きなくシチリアに行ける!!

書類チェック+質疑応答全体で、結局10分とかからなかった。私のドイツ語がおぼつかないのを開始30秒で見抜いた面接官は、「バインダーごとちょうだい」と言って、一人でサクサク必要な書類だけをクリアファイルから抜き出し、必要最低限の質問だけしてくれたので、正直私はとっても運が良かったのかもしれない……!し、ほぼ完璧なファイリングをしていった自負もある(それくらいしかできることなかった)(笑)。
あとは、補足として役立ちそうなフレーズを10個ほど、あらかじめドイツ語に訳して準備していった。使わなかったけど、精神的には良かったかなぁ。

で、その場で新しいビザカードをもらえないことはすっかり忘れていたんだけど、終わりに突然「仮ビザいる?」と聞かれて、反射的に「あ、大丈夫です!」となぜか答えてしまったことを、後に大後悔することになる……。

時は経ち1週間後、私は晴れてイタリアはシチリア行きの飛行機に乗り込んだ。シートベルトして携帯チェックしたら、Ryan Airから前日の夜に1通のメールが届いていたことに気付く。
「重要!! イタリアでのG7サミット開催のため、明日からの期間限定、EU内外から問わずイタリアに入国する旅客は全員パスポートコントロールを受けるので、必要書類をお忘れなく!」とのこと。離陸と同時に読み終えた。

そこからの2時間半、人生最悪のフライトを経験。有効期限切れたビザカードしか持ってないから、本当にパスポートコントロールがあったらまず入国できない。速攻ドイツに自腹で強制送還されるし、9日間のシチリア旅行がパァ……。格安航空券なので5列ほど後ろの座席に座ってるパートナーにこれを伝える術もなく、ただひたすら最悪のケースを想定して気持ち悪くなってた(苦笑)。
でも、明るく考えて!仮にこのメールが届いた昨日の夜、すぐに読んでたら、そこからずっとこの状態になっていたはず。下手したら、旅行自体諦めていたかも?どうにもならない上空で読んで、2時間半で済んだのが幸い!

そして晴れ渡る空の下、シチリアの小さな空港にいざ上陸したら、パスポートコントロールしたい人なんて全然存在してなかった。出口で笑顔のおっちゃんが手を振ってくれた。ああ……。
たかがメール、されどメール。いや、私が悪かったです。教訓を与えてくれてありがとうRyan Air。

なので、EU内だとしても直後に旅行予定のある方には全力で、その場で言えばもらえるっぽいので、仮ビザ発行してもらうことをおすすめします。ちなみに、ビザ初回申請時は仮ビザ発行してもらって、それで日本に一時帰国したんだけど、ヘルシンキで「ドイツ語は読めねぇ」と言って仮ビザ見せても入国拒否されたので、あんまアテにならないっちゃならない。ドーハ経由に切り替えて帰国した。つまりはこの期間中の旅行は、どうしたってハラハラドキドキがつきものなのかも!?

ここまで長々と読んでくれてありがとうございました!少しでも参考になれば嬉しいです〜!みんなも頑張って〜えぇ。

シチリアはチェファルに行ったよーん!


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