見出し画像

受験生ママが解説するアメリカ大学受験!最新レポート① これだけ読めば、全体を掴めます。


今年の各大学の出願がほぼ締め切りましたので、まとめを書きます。
アメリカのトップスクールには世界中から受験生が出願します。
2022年、コロンビア大学には60,377人の応募がありました。合格率は3.73%でした。一般的に大学ごとの学力テストはありません。このような膨大な出願者からどのように合格者を選ぶのでしょうか?

Common Application 共通出願システム

以下の項目をこのシステムに入力すると(各大学から要求される個別のエッセイなどは除く)、全ての出願校がここから情報を取ってくれます。https://www.commonapp.org/apply/first-year-students
ちなみにUniversity of CaliforniaはCommon Applicationを使っていません。

・Common App Essay(共通エッセイ)

650 words で、自分がいかにユニークか優秀かを(学業ではなく人間性)を訴える。毎年ほぼ同じタイトル。どのタイトルを選んでも、伝えるべきことは同じ。一つ書きやすいと思われるタイトルを選んで、書いて、Common Applicationにアップすると、各大学がここから見てくれます。特にトップクラスの大学では、このエッセイが最重要と言われています。このエッセイを書くのを助けるために、アメリカでは各高校にカウンセラーがいます。日本から毎年アメリカに留学生を出している渋谷学園や広尾学園、インターにも、専任のエッセイのカウンセラーがいます。国内にもエッセイ指導のための塾があるので、カウンセラーのいない高校からでもオンラインなどでカウンセリングが受けられます。

留学カウンセラーは生徒がどこの大学に向いているか、どのようなタイプのネタがどの大学に受けるかなどを知っている必要があり、英語力、文章力以上の経験値が求められます。

youtubeに合格者がどのようなエッセイを書いたか、沢山出ていますので、ひとつクリックしてみてください。大学を選ぶ際にも、このような合格者があげているYouTubeを一本でも多くみて参考にしてください。
https://youtu.be/Iwib8F6uf90

今年のエッセイのタイトル(毎年ほぼ同じ) Commonapp.org より

・Supplemental essay(個々の大学からの課題)

志望動機や大学への貢献、夢中になっていること、自己紹介など大学によってまちまちですが、この後、出てくる、課外活動のリストの中から書くのであれば、一つに焦点を当てて書くのが良いでしょう。
このリンクから各大学のサプリメントエッセイのお題と書き方がわかります。
https://www.collegeessayadvisors.com/supplemental-essay/harvard-university-2022-23-supplemental-essay-prompt-guide/

・課外活動履歴

理想的には数学オリンピック入賞やら、ボランティア組織を立ち上げただの社会貢献、水泳大会やピアノのコンクールで優勝、ディベート大会で優勝、生徒会長、交換留学などの功績を何年かかけて積み上げられると良いです。近頃の日本の総合型選抜も似ていますよね。

社会貢献は必ず一つは入れてください。アメリカの大学のエリートは社会を良くしていくリーダーになる意識が求められています。
海岸のゴミ拾いに参加では、足りません。自分の通う高校に、もしくは地域に、地元の海岸の美化を守るボランティアを自分で立ち上げてください。あるいは、楽器ができる友達と、老人ホームや児童養護施設の慰問をするユニットを立ち上げるとか、身近にできることは沢山あるので、そのような発想で挑戦してみてください。その方が、大学受験用に用意されたツアーでアフリカまで行って、現地でポリオの接種を手伝うとか、学校建設の現場で働くより、評価されるかもしれません。アメリカでは大学受験生向け発展途上国にボランティアに行くツアーなどが豊富に用意されています。さすが資本主義の国。

これらはもともと、学力で判断すると、富裕層出身者に有利になるので、学力以外の要素を合否判断基準に入れようと始まったのですが、現在では、この課外活動こそ、富裕層に有利だという批判から、課外活動偏重に対する揺り戻しも起きてきています。

実際、日本からの合格者でも、課外活動の履歴に目立つものが無くても、上位校に合格している生徒もいます。書ける活動アイテムが少ない時は、きちんと打ち込んでいることがわかるように書いてください。必ずしも大きな大会でなくても良いのです。内容より、あなたの関わり方や意識、自主性や、真摯な姿勢や、行動力が伝えらえるかが重要です。

・高校の内申点/学内ランキング

頭の痛い問題です。中学3年からの成績が送られるので、普段からいい成績を取るようにしましょう。なるべく、前半だめでもあきらめないで。後半上昇していることで挽回のチャンスはあります。担任、各教科の先生、学年主任などに、繰り返し、「自分がアメリカの上位校に留学するのに、ほぼ満点の内申を提出する必要があります、そのためにやれることがあれば、追加の課題でも何でもやりますので、「5」を取れるように指導してください。」と高校1年生から粘り強くお願いする。しかないですね。大学によって合格者の平均内申点は変わりますので、確認してください。

高校からCommon Application に直接提出してもらいます。

・TOEFL(留学生)

有効期限は2年間です。急ぎの際はテストを受けるときに、スコアを受け取る団体を指定すれば、すぐに送ってもらえます。
志望大学の要求している点数に届けば、充分です。上位校の場合、120点満点の100点が目安です。
https://www.ets.org/toefl/test-takers/ibt/scores/send-scores.html

・SAT
Scholastic Assessment Test(大学能力評価試験)

数学と英語を受けます。有効期間は一般的には5年以内と規定している大学が多いので、出願が忙しくなる前に、いい成績を取ってしまいましょう。過去に受けた際の点数も開示されてしまいますので、ある程度過去問で点数が取れるようになってから受けることをお勧めします。

最近はSAT無しの大学も多くなりましたが、どうやって学力を測るのでしょう? 大学側は、各国のトップスクール(高校)を把握していて、どの高校から出願してきているかと内申点、校内ランキングで判断します。それらの条件が悪いと思う場合は、AP(Advanced Placement)や数学オリンピックなどの、学外のもので、何か学力を示すことができるものがあるといいですね。SATはオプショナルという学校でもスコアが高い場合は提出しましょう。

・AP Advanced Placement Program
大学レベルの授業を高校のうちに取れるプログラム。年に一回試験があり、オプショナルだが、その成績を大学に提出することができる。成績が良ければ、提出することは、審査の上でプラスになるし、大学に入ってからの単位として認められる。日本からも受けられる。
こちらの方が詳しく書いていらっしゃいます。https://www.edubal.net/edublog/b20220825-apmerit/#2

・高校の先生からの推薦状

英語で提出します。
一番の問題は、日本の先生方が書く推薦状は、自分の生徒を謙遜気味に書くことです。アメリカ式に大いに(大げさに)良いところを褒めて、こんな学生には是非ともわが校に入ってもらいたいものだと思われるように書いてもらわなければなりません。そして、学内での活躍や、人柄がわかるようなエピソードも入れてもらいましょう。

留学生を出していない高校の一番大きな関門はここと言っても良い。ですので、そのような高校に行かれている生徒さんは、外部の留学カウンセラーを使うことをお勧めします。まず、どんな内容を書いてもらうか、カウンセラーと相談して、それをもとに高校の先生と相談、どんなエピソードを入れていただくかなど決めて同意していただき、先生が日本語で書いたものを、カウンセラーに英語訳してもらいサインをいただく、という流れになるかもしれません。

・課外活動の指導者などからの推薦状

学外でスポーツで成果を出している、研究で成果を上げている、ボランティア組織で活躍している、楽器演奏で目覚ましい活躍をしているなど、課外活動の指導者から、あなたが、いかに、忍耐強く、目標に向かって主体的に、意欲的に頑張れる人か、独創性があるかなどをエピソードを交え書いてもらいましょう。こちらも、留学カウンセラーに見てもらうことをお勧めします。翻訳もお願いできます。

・大学によっては、自己紹介ビデオ

youtubeで合格者が沢山挙げているので、見てみてください。何本か見るとその大学の生徒の何となく共通した個性みたいなものも見えて面白いです。
https://youtu.be/LhICQUZlM6U

・面接

提出後に、同窓生による面接がある大学もあります。
2022年にコロンビア大学は60,377人の応募がありました。全員に面接することはできないので、この中から何割かに面接の通知が来ます。

日本にいる卒業生が、直接会って面接するか、オンラインで海外および日本にいる卒業生と面接します。出願書類に書いたことの確認や、趣味の話や、最近読んだ本や観た映画などの軽い会話で、人柄をチェックします。メールでのやり取りや、時間設定など、忙しい時間を割いて、ボランティアで面接してくれる方への敬意を払いましょう。

出願の時期は2回、種類は4種類

Early Decision/ Early Action / Restrictive Early Action 早期出願11月1日前後締め切り、 合格結果は12月から2月にわかります。早期出願の意味は、その大学が第一志望校だという意思表明ができることで、レギュラーで受けるより合格率が上がります。

Regular Decision は何校でも出すことができます。1月1日前後締め切り、3月中に結果がわかります。

ED  Early Decisionの場合、合格したら、必ずその大学に行かなければなりません。その分、合格率が高いと言われています。例えば、2022年のBrown UniversityはRegular Decisionの合格率は3.6%でしたが、EDの合格率は14.6%でした。https://www.browndailyherald.com/article/2022/03/brown-admits-record-low-5-of-applicants-to-class-of-2026

EA Early Action 複数の大学に出願でき、合格しても行かないという選択があります。Early Decisionのように、大学への意思表明ができるので、合格率が高くなります。早く準備できたら、トライしてみましょう。EDと併願できますが、両方とも合格したら、EDの方に行かなければなりません。

REA Restrictive Early Action
早期出願時に一校しか出願できませんが、合格しても行かないという選択があります。Harvard、Yale、Princeton、Stanfordを含む7校のみがこの枠を設定してます。「縛りをつけなくても合格した生徒は絶対来るだろう」という自信を持っているトップ大学がこの方式を取ります。

RD Regular Decision 普通出願 1月1日前後締め切り 合格通知 3月中 入学手続き 5月1日まで

日本の受験と違い、合否判定基準が曖昧で、途方に暮れます。大学は学力だけでなく、校風に合った学生を選ぼうと真剣です。いかにあなたが大学に貢献できるユニークな存在かということを訴えてください。
研究テーマなどはっきり分かりやすいものがあると、大学への願書も、奨学金の財団への願書も強いものが書けます。

受験料

これら膨大な出願資料に目を通してくれて、受験料は一校60ドルから100ドル前後。無料の大学もあります。経済的支援を受けられる学生は、受験料免除。

いくつ出願する?

Reach School (挑戦したい大学)、Target School (自分のレベルにあっている大学)、Safety School(安全校)これらを3校ずつ受けるとしたら、9校になりますね。一度Common Applicationに提出してしまえば、あとは、Supplemental Essay(大学毎の小論文)と面談だけなので、受験校に制限のない生徒は15校くらいが目安です。最近は世界中から出願者が増え、合格率は下がる一方なので、沢山受けておいた方が、安心です。質の高いものを提出しなければ意味はありませんが。

返済不要の奨学金について

大学によっては、留学生でも返済不要の奨学金が出るので、応募する際は、家族全員の収入と資産、生活費(食費、光熱費まで細かく)、兄弟の学費など洗いざらい提出し、そこで、奨学金の必要額が計算されて支給額が決まります。

返済不要の奨学金については、また詳しく書きますが、ざっくりと。
柳井財団や笹川財団は、募集時期が2回。
一人につき最大95000ドルx4年支給。
1回目の募集は予約型。大学出願前に審査を受け合否が決定する。その後、柳井と笹川が用意したリストの大学に一校でも合格すれば、奨学金が支給される。メリットは、大学に出願する際に、柳井・笹川の奨学生(生活費を含めた全額返済不要)だと書けること。
2回目は、合格型。柳井、笹川が用意した大学のリストに合格していることが条件で、応募できる。選考の結果、リストの大学に受かっていても支給されないこともある。
柳井財団は年収上限2,400万円、年齢制限有り
笹川財団は年収制限、年齢制限無し
この他、孫正義財団、グルーバンクロフト、リクルートスカラシップなどなど。
文科省のJASSOなど学費分くらい支給されるものが多数有る。

奨学金や大学の選び方など続きは②に書きますので、フォローをお願いいたします。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?