しろのあと
なだらかな丘を踏みしめてゆっくりのぼる。いい天気。
ああ、この場所はとってもいいな、好きだな。っていうのは、どこで感じてどこで思っていることなんだろう。
頭じゃない、胸でもない、おなかでもない。足の裏のほうから感じているような気もするけれど、それだけじゃない気もする。なんというか、自分のからだぜんぶで感じているようで、まったくからだじゃないところから思っているような。
からだの外にあるこころから、からだのなかにあるこころへと、伝わってくるみたい。すみずみにまでりんりんとゆきわたっている、この場所にしかないこの場所ならではの空気。
ここにいて、ここを歩いて、吸って吐いてを繰り返して、いつしかわたしも、ここならではのわたしになってゆくみたい。
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