オードリー・タン母の手記『成長戦争』 自分、そして世界との和解

現代版孟母三遷には違いないんだけど、強制入学条例があった民主化前の台湾でどれだけ大変であったかは想像を絶するものであったんだろうな。

11歳のときに留学中の父親と一緒にドイツで暮らしていた際に、MITの應儀如(イン・イールー)から渡米を勧められるが断る。その理由が「母国に戻って教育改革する」というのがまさにギフテッド。そして、ギフテッドのための学校はギフテッドにしか作れないんだろうな。

「成長戦争」が絶版になったまま、翻訳もされていない。

翻訳打診の回答への結果が本書。

・「成長戦争」を引用してもいいが、見方を加え、自分の著作として出版すること。

・原稿は査読せず、原著作者としても名を連ねない。

成長戦争の目次

●発行人からの話

「大地の母の召喚」(経済誌『商業周刊』創刊者・金惟純)

●推薦文

・「直感で想像力を発揮する」(国立台湾大学でギフテッドについて研究していたオードリーの恩師・朱建正教授)

・「子を以って師とす」(李雅卿が《種の親子実験小学校》を設立時から保護者として参加するなど、早期からオルタナティブ教育に取り組んできた翻訳者の許琳英)

・夫からの話(唐光華)

・子どもからの話(宗漢と宗浩)

●第一章、くさび

神に感謝します

●第二章、まずは、自分について話そう

・物語は私の父と母から始まる

・光華との出会い

・新聞社での歳月

●第三章、宗漢生まれる

・新しい生命の誕生

・命を賭けた病魔との戦い

・幼き宗漢の日々

・成長戦争

●第四章、悪夢の日々

・登校恐怖症の爆発

・家庭大戦

・救いの星の出現

●第五章、夜明けの中で、茨の道を切り開く

・ドイツの経験

・宗漢の選択

・宗浩と兄

・親子の学校設立記

●第六章、自分、そして世界との和解

・新しい始まり

・宗漢のコンピュータの世界

・宗漢おめでとう

●附錄

・「私と物語の主役」(この本の初稿を書いたジャーナリスト・黃光芹による寄稿)

・「成長ーー真理の大海への探索」(父と宗漢の対談。絶版になっている対談集『縱浪談』(時報文化出版企業有限公司)からの転載)

https://note.com/yaephone/n/n6e5a99640cb6

ギフテッドを育てた母親による手記ではあるが、「天才を育てるためのメソッド」といった類の話は一切書かれていない。

「卒業証明書ってそんなに大事だと思う?」

天才知道天才知道什麼 

天才は天才が何かを知っているかを知っている

天才だけが、天が何を知っているかを知っている

天だけが、天才が何を知っているかを知っている

天だけが、天が何を知っているかを知っている

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