田舎の小さなライブハウス OTO-1

北海道赤平市。
駅前には小さなライブハウス【OTO-1】がある。

3年前、当時交際を始めたばかりの彼が「知り合いがライブハウスを始める」と言っていた。
元々その場所に思い入れのあるそこは彼にとって特別な場所。
今やオープンからお邪魔させてもらい、スタッフの皆さんにも良くしてもらっている私にとっても特別な場所である。

そのOTO-1が2周年を迎える頃、新型コロナウィルスが猛威をふるい、多くのライブハウスは廃業し、バンドマンは活動の場を奪われた。
もちろんOTO-1だって計り知れない思いをしたことだろう。

それでもOTO-1は負けなかった。
クラウドファンディングで設備を整えるなどしてリスタートを見事に遂げたのである。

一度は終息への兆しが見えたウイルスも、人々の自粛疲れからか再び感染者が増加傾向へ。
その頃OTO-1は3周年を迎えようとしていた。
当然イベントは延期を余儀なくされ、またもや打撃を受けることになったであろう。

そしてそれから数ヶ月後の7月11日━━━━━
オーナーは腹を括った。
それは3周年ライブ開催である。

前の記事から間があいてしまったが、私は今障害者雇用で医療従事者として働いている。
患者さまとは接することはないが、医療廃棄物を扱っている。そのため1度目のワクチン接種を受けたばかりだ。


この時期にライブ開催。
正直行くのを躊躇ったりもした。
しかし感染予防対策をきっちりして、ソーシャルディスタンスをしっかり取れば大丈夫だろう。実際その前の週にはLUNASEAのライブも見に行っているくらいだ。

OTO-1に行って驚いた。
受付で元からの検温の他に、氏名と連絡先の提示を求められた。小さなライブハウスがここまで徹底しはじめたかと…
前の週行ったhitaruとほぼ変わらない。
万が一に備えた万全の体制だ。


そしてオーナーはステージでこう言った。

田舎のライブハウスで感染者が出れば総攻撃を受けるだろう。その全責任を取ってでも3周年をやろうと思った。

今この地方では感染者は少なくなってきている。田舎で感染者が出ればすぐに噂が広がる。
高齢化の進むマチでそんなことが起きたら「だからライブハウスは…」「だからバンドは…」だからなんなんだ!?という風評被害を受けること間違いない。


LUNASEAのライブで「このライブが成功すればエンターテイメントが戻ってくる」こんな言葉を聞いた。

OTO-1オーナーもきっと同じ気持ち。これが成功すれば、また次に繋がる…私はオーナーの言葉に涙がこぼれた。


だからこそオーディエンスも演者さんも日頃の行動を徹底しなければ…と思った。
ただ見に行きたい。出たい。それだけではダメなのである。
日々の暮らしから感染予防を徹底し、オーナーに責任を負わせてはいけないと…

もちろん感染者のプライバシーは守られるべきであるし、責めるべきではないが━━━━



大事な人を守るため。
大事な音楽を守るため。
そしてこれから生まれてくるであろう若い芽のために。
OTO-1は5周年、10周年と続いていってほしい。
続いていくべきである。

大好きなOTO-1 3周年おめでとうございます。
これからも涙あり、笑いあり、そして生き様ありの音楽を楽しませてください。
そして彼の大切な場所を末長く守ってください。
私にできることがあるならば微力ながらいつでも力になりますので。



OTO-1 Webページ
 https://m.facebook.com/OTO-1-HALL-108305853877875/

オーナーをはじめ、スタッフさんがやっているバンド【BLUE GARLIC】



BLUE GARLICとホワイトタイガーくんがお届けするラジオ【BLUE GARLICの音故千心】
滝川市コミュニティFM FM G’Sky(77.9MHz)にて毎週月曜21時(再放送毎週土曜日16時)より放送中。
上記Twitterにて生配信もしているので、電波の届かない地方の方にも是非見て頂きたい。