犬派が猫と暮らし始めた話
私は犬派だ。
まあ40年くらいは、そうして生きてきた。
物心ついた頃から実家では「ロッキー」という名の犬を飼っており、彼が老衰で亡くなった後も、同じく犬派の両親が寂しさを紛らすかのようにまた新しい子犬をもらってきた。この子も2代目の「ロッキー」と名付けられ、家には常にロッキーくんという名の犬が居て家族みんなで可愛がっていたものだ。
猫についてはというと、特に母があのぐんにゃりとした感触を苦手にしていたようで、私もそれに倣って無関心に育った。
「猫…チョットキモい」という程度に、無関心というよりはある種の毛嫌いをしていたかもしれない。
しかし数ヶ月前の今年夏、猫との暮らしが唐突に始まってしまった。
私が週末の一人昼寝をキメている間、夫と娘たち3人で暇つぶしと称してペットショップへ行き、運命の子に出会ってしまったとのこと。で、ショップの方には最終的な判断は私に相談してから…と言いつつも、ほぼお迎えすることが決まったような状態で話をつけてきてしまった。
そういうわけで、相談を受けたすぐ翌日にその子はやって来てしまった。
ロシアンブルーの女の子。
普段一番早く起きる私がお世話することになってしまい、朝ケージを開けるとすぐににゃあにゃあ膝によじ登ってきて色々と要求が多い。
仕事していても、PCを占拠しては謎の猫語を延々と打ち込んでいく…
PCケースを齧って紐を切ってしまうし
叱ってケージに入れても、こんな様子で何処吹く風のやんちゃ娘。
ん?首輪似合うじゃん。
近頃はふと目をあげると、私の作業をじっと監視していたり
私が体調不良で寝込んでいた日、目覚めて起き上がったらベッドの上でこんな格好で私の様子を窺っていた。
買ってきたばかりのスツール眠る、その平和な表情は何だ。
私は犬派だ。犬派だったはずだ。
でも、今は言える。
猫は尊い。
そんな私は、猫アレルギー持ちです。