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雨が降る理由

今日はぐずついた天気だった。
昔、ふと疑問に思ったことがあった。
なぜ、天気予報を伝える気象予報士やお天気お姉さんは雨のことを「生憎の雨」「生憎の空模様」などの表現を使わないのか、と。
その答えをつい最近知る機会があった。

農家の方にとっては「恵みの雨」であるから

雨や曇りが必ずしも全ての人にとって良くない天気だと言えないからこそ配慮のある発言だったのだとひとつ大きな学びを得た。

雨は俳句や短歌などでも季語として使われることが多く、雨に興味を持ったわたしは雨を表す言葉について調べた。中でも個人的に心が動いたふたつを紹介しようと思う。

その前に、1年の内に「今日は雨が降らないで欲しい」そう願う日が何日あるだろうか。

わたしは昔からある1日だけは雨が降らないで欲しい、そう願う日がある。七夕だ。

1年に1度しか会えない2人を会わせてあげたい。なんとなくそう思うのだ。

七夕には色んな伝承があるらしく、七夕の夜に少しでも雨が降れば2人は会えないと伝える地域もあれば、雨でも2人は会うことができ、再開への織姫の嬉し涙で雨の水によって穢れが洗われるなどとする所もあるという。

私が心を動かされた雨を表現する言葉は「洗車雨」「洒涙雨」どちらも七夕を表現する雨の言葉だ。

「洗車雨」 七夕前日に降る雨のことであり、彦星が織姫との逢瀬に使う牛車を洗うことで降る雨と言い伝えられているそうだ。

「 よべの星 今宵見えずよ 洗車雨 」
昨夜は見えていた星が今夜は雨で見えない。明日は大丈夫だろうか、と心配するような歌。

「洒涙雨」 七夕に降る雨。彦星と織姫が別れを惜しむ、または会えずに悲しむ雨。

「 洒涙雨 車軸を流す 蘇鉄かな 」
※車軸を流す は大雨のこと。七夕に激しい雨が植物のソテツを打つように降っていることを詠んだ歌。

私は雨が好きだ。静かな部屋に雨音だけが響く。この静かでうるさい雨の音がたまらなく愛おしいのだ。雨を表す言葉は他にも多数存在する。その理由として、個人的な見解を述べてみたいと思う。日本は世界的に見ても降水量が多い国である。そのため、雨を好ましく思わない人が多いからこそ名前をつけて変化を楽しんだりその日限定の名前で季節を感じたり、雨を好きになってもらえるように昔の人達が知恵を出して名前をつけたのではないか、私はそう考えた。

どうか今年の七夕は雨が降りませんように。
そして、来年以降も天の川が見えるほど澄んだ空模様でありますように。

今年の七夕にはあなたの幸せを願う言葉を書きたいです。七夕じゃなくても、私はいつでもあなたの幸せを願います。


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