息子は母親の認知症を見極められない

母親の認知症に気が付くのはだいたいこんな順番です。

嫁→娘→孫→婿→息子

これは同居、別居関係なく、下手をすると別居している家族はみんな気が付いているのに同居している息子だけ気が付いていないということもあります(結構多いです)。
原因としては、息子というのは基本的に母親に「いつまでも元気なまま」というある種の幻想のようなものを抱いている人が多く、母親が認知症になるなど全く想像していないからではないかと考えます。
認知症は専門医でも見極めが非常に難しい病気ですが、一緒に暮らしていれば、違和感もありますし、独特なハプニングも起こるのでこの段階で多くの家族が相談にきます

しかし、この段階でも息子は違和感を認めないことが多いんです。
私が関わっているケースで言うと、2年以上前から関係者が物忘れや言い間違いが多いことを息子に伝えていたのですが、息子は「もとからあんな性格だった」のでと言ってきく耳を持たず。
その後、処方薬の飲み忘れで脳梗塞を起こしました。病院からは看護師による服薬管理を絶対条件に退院したものの、認知症の母親が看護師の訪問がストレスになると息子に訴えたため訪問看護を中止。
挙句の果ては母親が検査を受けたくないといったため、発症1か月後の検査をキャンセルしただけでなく、母親が気に入っている病院(脳梗塞になるまで通っており、脳梗塞に全く気が付かなかった)に転院。
関係者全員が唖然としてしまいました。

私は専門職ですが、それでも母親の認知症を見極められないと思っています。
世の息子さんたちは次の3つを守ってください。

① 自分自身では母親の認知症の見極めは絶対にできない。
② 周りが母親の認知症を指摘したら、気が進まなくても専門医を受診する。
③ 母親の気持ちは重要だけど、死んでしまったら元も子もないので専門家の意見に従う。

認知症は一人では介護ができません。母親を思う気持ちは大切ですが、それを優先して周りの話を聞かないと周りは助けてくれなくなります。
母親のためにもまずは専門家の意見に耳を傾けてください。


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