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中絶手術をした話

とてもセンシティブなお話なので、ここから先は自己責任で読んでいただきたいです
また、このお話について、誹謗中傷などは一切受け付けておりません


妊娠をしていることがわかったのは8/27だった
いつもは、正確な私の生理周期だったが、今回は1週間も遅れていた。

パートナーに伝え妊娠検査薬で検査をすると、陽性だった。

『どうしよう』

パートナーとはしっかりと付き合っているわけではない、相手は世間的にはあまりいい立場ではないからだ。
よって、親には言えないし、友達にも相談ができなかった。

パートナーは話を聞いてくれ、病院を調べてくれた。
産むか、産まないか。

パートナーは『僕の立場があるから、産むのは出来ないと思う』と。
私はどうしたい?と悩んだ挙句、堕児することにした。

その日のうちに産婦人科に行った。

調べてもらうと、本当に小さな小さなお豆みたいな赤ちゃんがいた。
エコー写真を見て『ああ、私この子を殺すのか』と自責の念に駆られた。

医者は淡々と『中絶手術をするのであれば、術前検査をし、手術日を決めてもらいますので、また待合室でお待ちください』と伝えた。
待合室に戻ると『不妊治療の〜』と次回の約束をしている、患者さんの声が聞こえた。

私は、何をしているんだろう。
もう大人だし責任を取ればいいのに、いざ出来たら世間の目を気にしてしまって中絶するなんて、最低だ

そして、術前検査を終え、2週間後。

中絶手術当日。
前日の夜12時までに食事を摂り、3時間前から飲水が禁止されていたため、早々と手続きを済ませ、オペ室に通された。
看護師さんが優しい声で『点滴打ちますね、あ、これは水分のためなので』とか『血圧測りますね』とか説明をしてくれていたので緊張はしなかった。

ただ、先生が来るまでの間、手術の準備万端の状態にしていたため、お股パカーンで待たれたのだけは恥ずかしかった。
そうも言っているわけにもいかず、5分10分待っていたら先生が入室。
すぐさま笑気麻酔と点滴から静脈麻酔をかけられそのまま私は意識が飛んだ。


腹痛で目が覚めた。
オペ室の隣の緩和ベッドで寝ていたが、私はここまでどうやって来たか記憶がなかった。
腹痛がひどくて看護師さんを呼ぶベルを押し『痛いです、、』なんて27歳で泣き言を言ってしまった。
『もう少ししたら点滴から痛み止めが効くと思うので、、』とまたまた優しく諭されたが、しばらく悶え苦しんだ。

気づいたら2時間は多分、ベッドで寝ていたと思う。
次にオペを終わった患者さんが隣のベッドに看護師さんと共に自力で歩いて戻ってきている気配がした。
『あ、私ここまで歩いていたんだ、記憶ないや』と思ったのはその時点。

その後もオペ待ちの患者さんの声が次々と聞こえおそらく私の後に3人はいたと思う。

少子高齢化なんて言うけれど、実際には産めない人がたくさんいるだけなのか、、と切なくなった。
逆に、産みたいけど年齢が伴わなかったりで不妊治療を苦労している人もこの院内にいる。
何が正解かは分からないけれど、私はこの件でしばらくは後悔しながら生きていくんだろうなと思っている。

大事な命を蔑ろにしてしまったわけだから。

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