このあいだ見た夢の話

 僕はあまり夢の内容を覚えているほうではない。どんな夢を見ていても、たいていの場合、目が覚めた瞬間に忘れてしまう。

 だが先日見た夢は珍しくはっきり覚えていたので、その内容を以下に記す。









学園祭のようなイベント。

僕は何かのサークルの一員として参加している。

他のサークルのブースは手の込んだ装飾が施されているが、僕たちのブースはただ、テントに椅子とテーブルを並べただけ。

「これでいいのか、実行委員会に聞いてこい」(声の主はおそらく僕の母。顔は見えなかった)

と言われた僕は、会場の隅にある実行委員会の詰所(小さな鉄筋コンクリートの小屋)へ行く。そこで僕はカロリーメイトと水を手に入れる。詰所にいた係(ひとりしかいない)の者と「ここはもともと基地だから食糧の備蓄は豊富だからね」というような会話。水は井戸から汲み上げていた。「少し暇を潰していかないか」と言われるが、僕は断り、その場を後にする。

その後、僕は一匹の金魚を貰う。ビニール袋に水と金魚を入れて、金魚鉢のある場所を目指す。金魚は驚いたように周りを見回している。それを見た僕は、「ああ、初めて見る外の世界だもんな」と感慨深くなり、金魚への愛着が深まる。

しばらく歩き回ったのち、スーパーマーケットの駐車場のような場所で、金魚を入れた袋がみるみると萎んでゆく。そして袋と水は影も形もなく消え、驚いた僕は残った金魚を地面に落としてしまう。

(「地面に落ちた金魚は落下の衝撃でほぼ即死する」と解説するニュースかワイドショーの映像が挿入される。)

動かなくなった金魚を見ながら、僕は地面に崩れ落ちて泣き叫ぶ。

と、いうところで目が覚めた。

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