サヨナラと声を掛けるには勇気がいる。その1

部屋の散らかりが尋常ではない。捨てられないのだ。目に見えるこの部屋がこのありさまなら、私の心の中も、とっ散らかっている。きっと、忘れられない思い出で。
あの頃のあの人たちは、何処に行ったのだろう。
そんな風に気付くのはずっと後。そのくらい自然に別々な道を歩く様になる。
また、再会する時はあるのだろうか。
あの人は、私を思い出すことはあるのだろうか。

音楽を聞いていたイヤホンを外して、一息つく。

繋ぐものは何もないんだ。

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