サヨナラと声を掛けるには勇気がいる。その2

「恋は盲目というじゃない?」

イヤホンを外して、耳に飛び込んできた会話。いくつになっても、人はそんな浮いたお話が好きだな。
好きなタイプだとか。

社員食堂のすみっこで、お弁当を食べるささやかな時間は音楽をお供にしている。

食堂のテレビは付いているけれど、人の喧騒で付いていても音はほとんど聞き取れず、そこに在る、光を放っているだけのように見える。
このテレビが活躍するのは甲子園と競馬と相撲の時期。

そういえば、必ずチャンネルを変えるチャンネル番長が居たな。私は心の中でチャンネルとあだ名を付けた。チャンネルはいつの間にか定年を迎え、また、チャンネル番長は新たな方へと引き継がれていくようだ。

社内恋愛、不倫、定年は私に縁はないかもしれない。

休憩時間は1時間。

お弁当を食べる、音楽を聴きながら、ネットのチェック。
そのルーティン。

戻ったら、何をしよう。

仕事より、プライベートのほうが、やること山積みなのにな。散らかった部屋を片付けることとか。でも、いざ、片付けようとすると、なかなか進まない。
土日は休みはなかなかないから、友達とも休みが合わない。疎遠になる。

ただただ、職場にいる時間は長い。

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