その2|手の中で育む、そうぞうの種

今の創作活動がどのように始まっていったのかをただただ記録したいとおもいます。

わたしがちくちくしごとをはじめたのは、2023年2月11日のようでした。(スマートフォンのカメラロールで確認したらはじめて布を裁断している写真が記録としてのこっていました。)

100円ショップの陸上競技用のメジャー、小学生のときの裁ちばさみ。道具もないところからのスタートで、沖縄の借りていた家の床ではじまりました。

はじめてのものづくりで、わたしは緊張していたかとおもいきや、そうでもなくって、ただただとにかく1着目をつくってみよう、しっぱいしてもまずはやってみることが大事とおもっていました。

だからわたしはどういう服がきたくって、どういう形が好きでとかはあんまりわからず、どういうサイズができ上がるのかもわからないまま、ただ針と糸を動かし布と向き合いたい一心で、ちくちく運動を続けていきました。
 

今思うと、ここからだいぶ遠くまできたようにおもいます。

いまは、ミシンも使えるようになりました。

とちゅうでいいミシンを買ったんです。わたしには清水から飛び降りるくらいの覚悟で買いました。 
さいしょは、ここまでちくちくや服づくりが続けられるかわからなかったので、買うのに躊躇していたんだとおもいます。

でもこの、最初の一歩の手縫いのちくちくのいきおいを、きっかけをくれたのはまぎれもなく、「早川ユミ」さんの存在です。

2023年1月25日~5日間、どうやら私はユミさんのおうち(作業場+ご自宅)に滞在しています。

仕事(リモートワークのアルバイト)をどうにか調整して高知県まで飛びました。
ユミさんの弟子になりたいと最初はメールして、返答のやりとりが途中とだえながらも日程確定したのがたぶん5日前とか。

沖縄に家を借りていた時期だったけれど、ちょうど都内に帰省していてコロナにかかり都内滞在が長引きました。東京発→高知着が逆にスムーズにいけたので、よかったようにおもいます。
リモートワークのアルバイトもはじめてまだ半年も経っていなかったから、この先どうころんでもなんとなくやっていける気がしていました。

ユミさんとの出会いは、私はインスタグラムでハッシュタグ#農業で知りました。

衣食住を自給している右腕、つまりロールモデルのような存在がほしいと思ったんです。そんなとき、ちょうどNHKでユミさんの特集が組まれて、『高知に暮らすおんなたち』というタイトルで2回に分けて放送する宣伝として記事の投稿があったんです。これが2022年の12月でした。

《おんなたち》というキーワードにわざわざ性別を記載することに、ひっかかりを覚えたけど、それでも衣食住をつくるぴったりの存在として惹かれました。弟子を過去に募集している記事をブログでみつけたからメールしたのがきっかけです。

高知空港についてすぐ、ユミさんは青い軽トラで迎えにきてくれました。みつあみで、トラックの中は吊るし飾りがかけられていてヒッピーみたいな匂いを感じました。

ご自宅に向かう途中に、お弟子さんのことや、生活のことを話してくれました。ユミさんとお弟子さんとの関係に悩んでいるはなしもされていて、ものづくりとお弟子の関係を考えさせられたりもしました。

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