渦田 まゆ

渦田 まゆ

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続・下山はると

4歳児クラスの担任を始めて3ヶ月が過ぎると クラスは完全に崩壊していた 昨年保育リーダーをとっていた力瘤先生の存在がクラスを落ち着かせていたことを感じる 力瘤先生は、楽しくて恐い保育をする先生だった 沢山あそび、豪快に大きな声で笑うが、 子どもが浮き足立つとガラリと表情を変える そして子どもの両頬を手のひらで音がするくらいの勢いでサンドイッチのように挟む 新人の私は こわい と思った そんな絶対的な存在が居なくなった今、子どもたちはまさに好き放題だ あちこちでケンカが起

    • 4才児クラス組 下山はると

      社会人一年目 2歳児クラスを担当して半年以上が過ぎ、まだまだ慣れたとは言えない仕事にひと息つけるとクリスマスや正月を楽しみにしていた頃、当時の園長先生に呼び出され 「次のクラス希望はありますか?」と聞かれた きりっとした赤いフレームの眼鏡の下で 頬骨のところまでつながっている笑い皺が 今だと言わんばかりにクシャリと姿を表す 一年目の私から見る管理職の人間の目は 意図を汲み取ろうという気も起きないほど 奥深くまで黒く光って見えた ーーー大きいクラスも担当してみたいです な

      • 眉間にある渦

        健常児 発達障がい児 重症心身障がい児 公立保育園で保育士をして10年で区切りをつけ 障がい児の支援に挑戦して早2年 何故この世界に飛び込んでみようと思ったのかーーー それは保育士として働く私にとって長い間テーマとなって付き纏っていたものがきっかけだ 「障がいと普通の境目は誰が決めてる?」 「社会の生きづらさはどこが作ってる?」 「人との関わりの中に発達障害という垣根は必要なのか?」 そんなことばかりがいつも眉間のあたりをモヤモヤとさせて、全身の力を抜いて出口のない

      続・下山はると